24 / 103
第二章
やっと知った名前
しおりを挟む
王子様が一体何の用だよ……。
心当たりは妹様くらいだが……あ、依頼の件か?
でもその程度で来るだろうか。
「んでその王子様が私のような平民風情に何用でございましょうか。全く心当たりが見当たらないのですが」
「なんなのだその態度は!」
赤坊主が怒鳴りちらしてきた。
なんか五月蝿いやつ多いなこの国。
「あー赤坊主には聞いてねえ。俺は王子様に聞いてるの。黙っててくんないかな。声がデカくてうるさいし」
そう言うと赤坊主の顔がヤバイくらい真っ赤になって……って目をガン開きにしてるよ。
うわ血走ってるし。
あ、歯ぎしりしだした。
怖すぎるんだけど。
リアルに鬼じゃねえかよ。
って青いほうも顔真っ赤になってるってか赤坊主と同じ顔してるよ。
チェニックは……真っ青だな。
そんな風に観察していると、
「アハハハハハハハハハ!!!」
王子様大爆笑である。
笑いすぎて涙目になってる。
「お前らの顔ヤバすぎでしょ!!オーガよりオーガみたいな顔してる!!もうやめて!!」
呆気にとられて、他三人を見ると、三人も呆気にとられているみたいだった。
そしてその顔がさらにツボにはまったのか、ついにしゃがみ込んで腹を抱えはじめてしまった。
話が始まらんのだけど……。
*****
「あー笑った笑った。こんな笑ったの久しぶりだよ。お前らそんな顔するなんて知らなかったよ。やべ、思い出したらまた……」
「あー王子様。思い出すのは後にしてもらえませんでしょうか」
「スマンスマン……ぶふっ。いやいっつもコイツらは同じ顔しかしてないからさ。ふぅ」
一応落ち着いたみたいだ。
ちなみに赤と青は今はチェニックと一緒に王子様の後ろに下がっている。
そこでもう一度要件を聞いてみた。
「まずはだ。君に指名依頼をしたはずだがなぜ断ったのかが聞きたかった」
「それは、明日から私は遠出をするからです。そしてその準備などで時間がないからです。更にいうなら私は王子様の護衛という何かあってもなくても命に関わる仕事を受けたくなかったからです。というかそんなお偉いさん方に関わったら命がいくつあっても足りなそうです。私は死にたくありません」
そう、この間の指名依頼の内容は王子様の護衛である。
騎士団で良くないか?と思ったけどまあ詳しいことはよくわかってない。
その時の護衛依頼は俺の他にも何人かに依頼されていた。
俺以外の奴らは全員その指名依頼を受けたらしいと後で受付嬢さんから聞いた。
「なるほど。つまり、これからも君への依頼は全て断られてしまうかな?」
「内容にもよりますが……まあほぼ断ります。大体なんで私にも指名依頼が来たのか疑問です。私より優秀な方々は沢山いますし、大体護衛は騎士団の人達の仕事ですよね。もうその時点で恐怖しかわきません」
「そこはまあ……コチラにも事情があるということだ」
「でしょうね。ですが私には関係ありません」
そこで一旦会話が途切れた。
チラッと後ろを見ると……赤と青は鼻血を出していた。
興奮しすぎて鼻の血管が切れたみたいだ。
「わかった……。だが、指名依頼を出すこと自体は問題ないよな?」
「まあ規定上は問題ありませんよ。内容も確認くらいはします。が、それを受けるかどうかはその時考えます。というかなんでそんなに私に依頼しようとするのですか?」
そう言うと、王子様は顔を俯かせたあとまた俺の方を向いて、
「エリー姉さんから聞いたが、君はとんでもない治癒魔法が使えるよね。それが見たかったんだ。要するに単なる興味本位ってこと」
もっそい笑顔でそう言い放った。
張り倒したいその笑顔。
たださ。
「エリーって誰だ?」
知り合いにいたっけか?
「あれ?遠征試験で一緒だったんだろ?僕の姉のエリー」
遠征試験……王子の妹……あ。
「軍団の王女様か」
「軍団?まぁいいが。とにかくそのエリーから聞いたんだ」
「そうですか。つか、初めて名前を知りました。アイツの名前エリーって言うのか」
「名前を知らないって……。自己紹介くらいしただろ?」
「アイツは私に名前を言ってませんよ。というか同じグループで名前を教えてくれたのはリーシャってやつだけです」
「君ってもしかして嫌われやすい人?」
「物凄く嫌われやすいですね。別に何もやってないんですけどね」
「何もしなさすぎなんじゃないか?」
「そうとも言います」
そう言うとまた王子様は笑っていた。
心当たりは妹様くらいだが……あ、依頼の件か?
でもその程度で来るだろうか。
「んでその王子様が私のような平民風情に何用でございましょうか。全く心当たりが見当たらないのですが」
「なんなのだその態度は!」
赤坊主が怒鳴りちらしてきた。
なんか五月蝿いやつ多いなこの国。
「あー赤坊主には聞いてねえ。俺は王子様に聞いてるの。黙っててくんないかな。声がデカくてうるさいし」
そう言うと赤坊主の顔がヤバイくらい真っ赤になって……って目をガン開きにしてるよ。
うわ血走ってるし。
あ、歯ぎしりしだした。
怖すぎるんだけど。
リアルに鬼じゃねえかよ。
って青いほうも顔真っ赤になってるってか赤坊主と同じ顔してるよ。
チェニックは……真っ青だな。
そんな風に観察していると、
「アハハハハハハハハハ!!!」
王子様大爆笑である。
笑いすぎて涙目になってる。
「お前らの顔ヤバすぎでしょ!!オーガよりオーガみたいな顔してる!!もうやめて!!」
呆気にとられて、他三人を見ると、三人も呆気にとられているみたいだった。
そしてその顔がさらにツボにはまったのか、ついにしゃがみ込んで腹を抱えはじめてしまった。
話が始まらんのだけど……。
*****
「あー笑った笑った。こんな笑ったの久しぶりだよ。お前らそんな顔するなんて知らなかったよ。やべ、思い出したらまた……」
「あー王子様。思い出すのは後にしてもらえませんでしょうか」
「スマンスマン……ぶふっ。いやいっつもコイツらは同じ顔しかしてないからさ。ふぅ」
一応落ち着いたみたいだ。
ちなみに赤と青は今はチェニックと一緒に王子様の後ろに下がっている。
そこでもう一度要件を聞いてみた。
「まずはだ。君に指名依頼をしたはずだがなぜ断ったのかが聞きたかった」
「それは、明日から私は遠出をするからです。そしてその準備などで時間がないからです。更にいうなら私は王子様の護衛という何かあってもなくても命に関わる仕事を受けたくなかったからです。というかそんなお偉いさん方に関わったら命がいくつあっても足りなそうです。私は死にたくありません」
そう、この間の指名依頼の内容は王子様の護衛である。
騎士団で良くないか?と思ったけどまあ詳しいことはよくわかってない。
その時の護衛依頼は俺の他にも何人かに依頼されていた。
俺以外の奴らは全員その指名依頼を受けたらしいと後で受付嬢さんから聞いた。
「なるほど。つまり、これからも君への依頼は全て断られてしまうかな?」
「内容にもよりますが……まあほぼ断ります。大体なんで私にも指名依頼が来たのか疑問です。私より優秀な方々は沢山いますし、大体護衛は騎士団の人達の仕事ですよね。もうその時点で恐怖しかわきません」
「そこはまあ……コチラにも事情があるということだ」
「でしょうね。ですが私には関係ありません」
そこで一旦会話が途切れた。
チラッと後ろを見ると……赤と青は鼻血を出していた。
興奮しすぎて鼻の血管が切れたみたいだ。
「わかった……。だが、指名依頼を出すこと自体は問題ないよな?」
「まあ規定上は問題ありませんよ。内容も確認くらいはします。が、それを受けるかどうかはその時考えます。というかなんでそんなに私に依頼しようとするのですか?」
そう言うと、王子様は顔を俯かせたあとまた俺の方を向いて、
「エリー姉さんから聞いたが、君はとんでもない治癒魔法が使えるよね。それが見たかったんだ。要するに単なる興味本位ってこと」
もっそい笑顔でそう言い放った。
張り倒したいその笑顔。
たださ。
「エリーって誰だ?」
知り合いにいたっけか?
「あれ?遠征試験で一緒だったんだろ?僕の姉のエリー」
遠征試験……王子の妹……あ。
「軍団の王女様か」
「軍団?まぁいいが。とにかくそのエリーから聞いたんだ」
「そうですか。つか、初めて名前を知りました。アイツの名前エリーって言うのか」
「名前を知らないって……。自己紹介くらいしただろ?」
「アイツは私に名前を言ってませんよ。というか同じグループで名前を教えてくれたのはリーシャってやつだけです」
「君ってもしかして嫌われやすい人?」
「物凄く嫌われやすいですね。別に何もやってないんですけどね」
「何もしなさすぎなんじゃないか?」
「そうとも言います」
そう言うとまた王子様は笑っていた。
0
あなたにおすすめの小説
前世は厳しい家族とお茶を極めたから、今世は優しい家族とお茶魔法極めます
初昔 茶ノ介
ファンタジー
代々続くお茶の名家、香坂家。そこに生まれ、小さな時から名家にふさわしくなるように厳しく指導を受けてきた香坂千景。
常にお茶のことを優先し、名家に恥じぬ実力を身につけた彼女は齢六十で人間国宝とまで言われる茶人となった。
しかし、身体は病魔に侵され、家族もおらず、また家の定める人にしか茶を入れてはならない生活に嫌気がさしていた。
そして、ある要人を持て成す席で、病状が悪化し命を落としてしまう。
そのまま消えるのかと思った千景は、目が覚めた時、自分の小さくなった手や見たことのない部屋、見たことのない人たちに囲まれて驚きを隠せなかった。
そこで周りの人達から公爵家の次女リーリフィアと呼ばれて……。
これは、前世で名家として厳しく指導を受けお茶を極めた千景が、異世界で公爵家次女リーリフィアとしてお茶魔法を極め優しい家族と幸せになるお話……。
ーーーーーーーー
のんびりと書いていきます。
よかったら楽しんでいただけると嬉しいです。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる