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第二章
久しぶりに少し面白い人だと思いました。……が
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「さてと、指名依頼についてはこれで終わり。次に聞きたいことなんだが」
「え?続くんですか?」
「まずはって言っただろ?もちろん続くよ」
「いいですけど……後ろの二人のことなんとかしてあげませんか?ちょっと洒落にならない顔になってて気が散って……」
後ろの二人とはもちろん赤と青のことだ。
歯ぎしりしてるからか歯茎から血が出てるよ……。
逆にここまで耐えてるって凄いよね。
「ふむ。僕としては面白いからそのままにしたいんだけども……」
「いやだってヤバイですよ。気持ちはわかりますけど」
「とりあえず今日は帰るとしようか。また話してくれるかい?まだ聞きたいこともあるし、君と話すのは結構楽しい」
「いいですけど、私は明日から遠出するんですよ。次に会えるのはかなり先になりますよ」
「え、そうなの?」
「はい」
王子様は少し考えるそぶりをした後、すぐに俺に向き直った。
「うん!まあいいよ。ならまた次の機会にお話しよう」
「申し訳ないです」
「これからも宜しくね!パスト君!」
「こちらこそ。王子様」
そう言って手を差し出してきたので俺も握り返した。
特によろしくするつもりはないけどな。
ただ、ニーグンだったかな?はなかなかどうして嫌いじゃない。
だからまあ、名前と顔は覚えておこう。
そのままニーグンは赤と青を連れて帰っていった。
赤と青はよく耐えた。
エラいぞ。
さて俺も帰るかな。
腹減ったし。
「おいパスト君!聞きたいことがあるんだ!待ってくれないか?!」
何にすっかなー。
「なあ!おいってば!聞きたいことがあるんだって!」
肉にすっかなー。
「聞けよ!無視するな!」
「お前に用はない。聞かれることもない。帰れ」
というかいつも肉系なんだよな。
「なんだよそれ!」
「怒鳴んないでくんないかな。俺はお前の相手をするほど暇じゃないのよ。さっきニーグンと話してたから少し予定も狂ってるし」
野菜系……いややっぱ肉系……。
「そんなこと……。っていうか殿下のことを呼び捨てって君なんなのさ!」
「名前覚えたしここにはいねえしあがめてもいねえから。つかほんと勘弁して。俺はお前が嫌いなの。顔も見たくない。消えろ、つか消すぞ」
チラッと後ろを見るとチェニックは立ち尽くしていた。
あーもう勘弁してよ。
ほんとやんなるわ。
せっかく少し気分が良かったのに台無しだよ。
なんか甘い物も食べよ。
*****
現在朝八時頃です。
はいやっと王都を出ます。
長期休暇入ってから地味に時間たったなー。
ようやくアオを迎えに行ける。
前も思ったけど……アイツちゃんといるよな……。
今は王都から十分くらい歩いたところです。
今日はバイクで行くのでな。
近くで出すとマズイからね。
あ、そうそう。
異空間魔法も少し改良できました。
異空間の部屋分けができるようになったのです。
前から練習はしてたんだけどやっとこさできた。
コレのおかげでぶちまける心配が減ったよ。
さてさてさーてー。
バイクを異空間から出す。
一人旅ならバイクでしょ。
俺は風になる。
「それはなんだい?」
「んー?バイクー。馬とか乗れねーし」
「ふーん。これはバイクって言うのね」
「楽でいいぞー」
「ところで遠出とはどこに行くんだい?」
「アオとグンをむかえ……」
振り返るとニーグンとリーシャがいた。
おかしいな。
なんでいるんだろうな。
そんでなんでこいつらの格好が普通に旅装束なんだろうな。
よし。
無視しよう。
俺は何も見てない聞いてない。
「パスト君パスト君。今僕と目があってたよね。無視しないでよ。ねえねえパスト君。そのバイクとやらはパスト君の自作なのかな?凄いねえ。パスト君ー。おーい。聞こえてるよねー」
やっぱり俺こいつ嫌いになりそう……。
「あーもう!何の用でございませうかニーグン王子様」
「僕も連れてって!」
「張り倒されたいですかニーグン王子様」
「その王子様ってのやめてくれない?だれも呼ばないよ?すごくバカにされてる気がしてしまうんだけど」
「バカになどしてませんよニーグン王子様」
「してるよね?!というか連れてって!」
「死にたくないので嫌です帰れニーグン」
あ、やべっ。
つい呼び捨てで呼んじゃった。
「あーいいねえ!呼び捨て!友達みたいで嬉しいじゃないか!僕も呼び捨てでいいよねパスト!」
「…………」
王子じゃなけりゃ今すぐぼこぼこにその顔を殴って髪の毛をむしってやりたい。
「ところでついて行きたいなってさっきから言ってるだけど」
「死にたくないので嫌ですと先ほども言いました。つかなんでついて行きたいと?なんもないですよ?」
「面白そうだから。それに聞きたいことがあるって言ったでしょ?けど次に会えるのはおそらく休暇明け。時間かかりすぎだからねー。だったら一緒に行けばいいじゃん?そうすれば護衛依頼の目的も果たせるしー。」
いいじゃんって……。
この王子様なんなんだよ……。
「んでリーシャは何の用?」
そう言ってリーシャのほうを見ると、顔を真っ赤にして、
「わ、私も、連れ…てってほしい……」
は?
「え?続くんですか?」
「まずはって言っただろ?もちろん続くよ」
「いいですけど……後ろの二人のことなんとかしてあげませんか?ちょっと洒落にならない顔になってて気が散って……」
後ろの二人とはもちろん赤と青のことだ。
歯ぎしりしてるからか歯茎から血が出てるよ……。
逆にここまで耐えてるって凄いよね。
「ふむ。僕としては面白いからそのままにしたいんだけども……」
「いやだってヤバイですよ。気持ちはわかりますけど」
「とりあえず今日は帰るとしようか。また話してくれるかい?まだ聞きたいこともあるし、君と話すのは結構楽しい」
「いいですけど、私は明日から遠出するんですよ。次に会えるのはかなり先になりますよ」
「え、そうなの?」
「はい」
王子様は少し考えるそぶりをした後、すぐに俺に向き直った。
「うん!まあいいよ。ならまた次の機会にお話しよう」
「申し訳ないです」
「これからも宜しくね!パスト君!」
「こちらこそ。王子様」
そう言って手を差し出してきたので俺も握り返した。
特によろしくするつもりはないけどな。
ただ、ニーグンだったかな?はなかなかどうして嫌いじゃない。
だからまあ、名前と顔は覚えておこう。
そのままニーグンは赤と青を連れて帰っていった。
赤と青はよく耐えた。
エラいぞ。
さて俺も帰るかな。
腹減ったし。
「おいパスト君!聞きたいことがあるんだ!待ってくれないか?!」
何にすっかなー。
「なあ!おいってば!聞きたいことがあるんだって!」
肉にすっかなー。
「聞けよ!無視するな!」
「お前に用はない。聞かれることもない。帰れ」
というかいつも肉系なんだよな。
「なんだよそれ!」
「怒鳴んないでくんないかな。俺はお前の相手をするほど暇じゃないのよ。さっきニーグンと話してたから少し予定も狂ってるし」
野菜系……いややっぱ肉系……。
「そんなこと……。っていうか殿下のことを呼び捨てって君なんなのさ!」
「名前覚えたしここにはいねえしあがめてもいねえから。つかほんと勘弁して。俺はお前が嫌いなの。顔も見たくない。消えろ、つか消すぞ」
チラッと後ろを見るとチェニックは立ち尽くしていた。
あーもう勘弁してよ。
ほんとやんなるわ。
せっかく少し気分が良かったのに台無しだよ。
なんか甘い物も食べよ。
*****
現在朝八時頃です。
はいやっと王都を出ます。
長期休暇入ってから地味に時間たったなー。
ようやくアオを迎えに行ける。
前も思ったけど……アイツちゃんといるよな……。
今は王都から十分くらい歩いたところです。
今日はバイクで行くのでな。
近くで出すとマズイからね。
あ、そうそう。
異空間魔法も少し改良できました。
異空間の部屋分けができるようになったのです。
前から練習はしてたんだけどやっとこさできた。
コレのおかげでぶちまける心配が減ったよ。
さてさてさーてー。
バイクを異空間から出す。
一人旅ならバイクでしょ。
俺は風になる。
「それはなんだい?」
「んー?バイクー。馬とか乗れねーし」
「ふーん。これはバイクって言うのね」
「楽でいいぞー」
「ところで遠出とはどこに行くんだい?」
「アオとグンをむかえ……」
振り返るとニーグンとリーシャがいた。
おかしいな。
なんでいるんだろうな。
そんでなんでこいつらの格好が普通に旅装束なんだろうな。
よし。
無視しよう。
俺は何も見てない聞いてない。
「パスト君パスト君。今僕と目があってたよね。無視しないでよ。ねえねえパスト君。そのバイクとやらはパスト君の自作なのかな?凄いねえ。パスト君ー。おーい。聞こえてるよねー」
やっぱり俺こいつ嫌いになりそう……。
「あーもう!何の用でございませうかニーグン王子様」
「僕も連れてって!」
「張り倒されたいですかニーグン王子様」
「その王子様ってのやめてくれない?だれも呼ばないよ?すごくバカにされてる気がしてしまうんだけど」
「バカになどしてませんよニーグン王子様」
「してるよね?!というか連れてって!」
「死にたくないので嫌です帰れニーグン」
あ、やべっ。
つい呼び捨てで呼んじゃった。
「あーいいねえ!呼び捨て!友達みたいで嬉しいじゃないか!僕も呼び捨てでいいよねパスト!」
「…………」
王子じゃなけりゃ今すぐぼこぼこにその顔を殴って髪の毛をむしってやりたい。
「ところでついて行きたいなってさっきから言ってるだけど」
「死にたくないので嫌ですと先ほども言いました。つかなんでついて行きたいと?なんもないですよ?」
「面白そうだから。それに聞きたいことがあるって言ったでしょ?けど次に会えるのはおそらく休暇明け。時間かかりすぎだからねー。だったら一緒に行けばいいじゃん?そうすれば護衛依頼の目的も果たせるしー。」
いいじゃんって……。
この王子様なんなんだよ……。
「んでリーシャは何の用?」
そう言ってリーシャのほうを見ると、顔を真っ赤にして、
「わ、私も、連れ…てってほしい……」
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