転生しました。

さきくさゆり

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第三章

衝撃の真実……ってほどでもないな

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「ところでさ」
「バリバリッ…んぐっ…ズズズッ……ふぅ……。なんじゃ?」
「いや唐突なマイペースやめろや。俺の使ってる魔法って他の奴らと違うよな。これも異物だからか?」
「そうじゃった。それを言ってなかったの」
「それ重要だろーが」
「まず言っとくが、お主は魔法を使っとらん」
「は?」
「お主は基本的には魔術を使っとる」

 おっとー……、俺は魔法を使ってなかったのかぁ。
 驚きはないけど、なんかこう……って基本的に?

「基本的にってことは俺は魔法も使ってるの?つか魔法と魔術の違いを教えろや」
「わかっとるわ」


 *****


 魔法とは完全なる超常現象じゃ。
 魔力さえあれば、無から有を創ることができるのじゃ。
 過程などは存在せず、自身の魔力を原料にほぼ全ての理想を創り出すことができる。
 魔力から炎、魔力から水、魔力から……、魔力から……、魔力から……、とにかくなんでもできるものじゃ。
 ただし、自身の想像力と自身の魔力量によって結局できることが限られていくのじゃが……。


 対して魔術とは物理現象の延長先にある。
 そして魔術という概念が今ではアルテには存在しておらんのじゃ。
 必要な魔力は外から持ってくるのが前提なのじゃ。
 何故なら魔術という概念は、自身の魔力を持っていない世界で編み出されたモノじゃからの。
 そして魔力だけでなく、知識や材料が必要になる。
 つまり、無から有は創ることができない。
 魔力から炎を創るのではなく、魔力で火種を大きくして炎にする、みたいなのじゃな。
 そして、火種を大きくするのに酸素がいる等の知識が必要なのじゃ。


 そしてお主は、あの世界でたった一人の魔術師と言うわけじゃ。
 よかったの。
 オンリーワンじゃぞオンリーワン。

 ……わかったわかった。
 からかわずに続けるわ。
 全く……ノリが悪いのぉ。


 それでじゃが、基本的にと言った理由なのじゃが。

 お主は魔術と魔法を混ぜたものを使っておるのじゃ。
 お主が異空間魔法と称しているモノと時間遡行魔法と称しているモノじゃ。

 お主は自身の魔力が無いが、時空魔法の恩恵で空間から魔力を大量に取り込むことができる。
 それを使って魔術を使っておるのじゃ。
 ちなみにアルテの住民は普通じゃ自身の魔力が邪魔になって取り込むなんてことは相当難しいぞ。

 そして、地球じゃないのに地球の中途半端な知識で魔術を使っておるため、しょぼい魔術しか使えてないのじゃ。
 そしてこちらの世界の概念や知識と地球の概念と知識が中途半端に混ざって中途半端に使っておる。

 お主、時間を遡るとはどいうことかわかっとるのか?
 大方、前世のフィクション知識を齧った程度でわかったつもりでいるのじゃろう。
 確かに一部はあっとるかもしれんが、そこで他の足りないところをワシが与えた時空魔法で補っておる。

 異空間魔法じゃってそうじゃ。
 やはり、コチラも足りないところは時空魔法じゃろうな。
 魔力を瞬間的に取り込むことで空間が割れるというところまでは魔術、その後の固定化は魔法じゃな。

 時空魔法は時と空間を操る魔法じゃ。
 できて当然なんじゃよ。


 *****


「なるほどなぁ。つまり、俺の主力は魔法と魔術の合成した……なんだこれ」
「わしもわからん。なんか名前つけたらどうじゃ?」
「うーん……魔法術」
「足しただけか。まあそれでええじゃろ。どうせ使うのはお主だけじゃしの」
「でも、俺アオに取り込むの教えてんだけど」
「多分じゃが、異空間魔法は使えぬが、お主がたまにやっとる小さく異空間を発動して首チョンパするとかならできるぞ。かなり鍛錬しなければならんがの。固定化に関しては完全に時空魔法だよりじゃからな。もしできたとしたら、その者は上級神クラスの化物じゃ」
「あーならいっか。って上級神?神様に位なんてあるの?」
「ここでの神の級は下界での簡単なクラス分けじゃ。下界最強は上級神クラスというわけじゃ。ちなみにお主は普人族の中でも上級普人じゃ。よかったの。雑魚じゃなくて。」
「雑魚じゃないつっても強くはねーんだろ」
「うむ、まああの世界では中級ってとこじゃの」
「まあ、よっぽどじゃなきゃ死なないってことだけはわかったわ」

 ってことはあの時の爺は化物クラスなんだろうか……。

「まあ色々わかったわ」
「他に何かあるかの?」
「俺の現状は大体わかったわ」

 さてこっからが重要。

「んで俺はこれからどうすればいい?一旦地球に帰ったほうがいいのか?それともアルテに帰ったらいいのか?」
「とりあえず一旦アルテに戻す。迷ったが、少し考える時間もほしいじゃろ」
「考えた上で地球に行かないというのは……」
「駄目じゃ。ワシの都合じゃが両方に存在しておいてもらわにゃ困る」
「ほんとお前の都合だよな。見返りは?」
「へ?」
「見返りだよ。俺に得ねーじゃんこのままじゃ。なんかよこせ」
「ち、地球に帰れば……色々と…その…便利……じゃぞ?」
「だから?大体人間関係の記憶の一部が欠損してんだぞ。幼馴染の話だって記憶がねえからマジで他人事だから、別に会いたいとか思わねーし」

 記憶がなければ、赤の他人。
 冷たいかしら……。

「じゃ、じゃあその……地球の身体でも今と同じことができる……というのは……どうじゃ?」
「はぁ?そんなのいら……まてよ?」

 地球でも魔術を使えるということは……ふむ……。

「……いいだろう。それで手を打とう」
「ほ、ほんとにいいのか?」
「いいっつーの。なんだ俺が他に何か欲しがると思ったか?」
「とんでもチートスキル寄越せとか、金を寄越せとか、彼女を寄越せとかいうかと思ったのじゃ……」
「そのくくりに彼女を寄越せが入ってんのはどういうわけだ?」
「だって……お主はモテぬじゃろ?彼女……欲しいじゃろ?」
「タマムシ女……その髪の毛を全て剃られたくなければもう黙ろうな?」
「…………スマン」

 失礼なやつだよ。
 俺だって彼女くらい自分で作れるっての。
 今はまだ作ろうしてないだけだっつーの。
 
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