転生しました。

さきくさゆり

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第三章

犬か?!

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 その後の先生は昨日とは別の意味で怖かった……。

「好きな食べ物はなんだ?」
「好きな場所は?」
「好きな人はいるのか?」
「普段何をしているんだ?」
「食事は普段どのようにしている?」
「アオちゃんとの関係は?」
「特技は?」
「長所は?」
「短所は?」
「私の事はどう思う?」
「実の両親に何か言いたいことはあるか?」
「妹さんには?」
「こら危ないだろ!私に任せろ!」
「大丈夫だ!少し下がってなさい」
「あ、このボスは火の魔法に弱いから私がやろう」


 うん、質問攻めにあった上、何故か途中から先生が全部なぎ倒し、あっという間に二〇階層までクリア。

 俺なんもしてねぇー……。

 しかも一番勘弁してほしいのはだ。

「パスト。やはりお前の髪の毛の触り心地は素晴らしいな。全く飽きないぞ」
「だあー!もう!やめてください!」
「ほらまた敬語になってるぞ。家族に遠慮は無用だ。確かに学内などではケジメをつけたほうがいいが、今は二人きりなのだ。気にするんじゃない」
「それより、頭を撫でるのやめろ!」

 しかも撫で方が子供相手にする撫で方なんだよ!
 なんでこの年で赤ん坊時代と同じ撫で方されなかんねん!

「いいではないか。私達は家族だ。家族とはそういうものだ」
「そういうものだじゃねえ!」

 軽くドヤ顔すんな!
 先生の手を振り払うと、少し残念そうにしつつも一応手を降ろしてくれた。

「全く……。もっと甘えていいんだぞ?ほら、抱きしめてやろうか?いや、流石にそれは年齢的に恥ずかしいか」
「恥ずかしいどころの騒ぎじゃねぇからな?!」
「まあ信頼というものは中々生まれないものだしな。だがきっとお前が私を受け入れてくれると信じているからな!」
「先生の今までの俺への態度とのギャップに戸惑いしか生まれてねぇんだよ……」

 なんなんだよ……。
 今までのキリッとしてギロっとしていた先生はどこに行ったんだよ……。

「そんなことより、攻略したんだ。帰ろうではないか」
「……俺なんもしてないんですが」
「家族が攻略したのだから問題無かろう!」

 もういいです……。


 *****


 帰還陣に乗って、二人で入り口に戻ると、アオ、チェニック、リーシャが入り口付近でシートを敷いて座っていた。

「師匠おかえりなさーい」
「おーう、今日の収穫は?」

 屋台巡りしていたのなら、色々買ったんだろうなと考えての質問だ。

「色々食べましたよ!そうですね……ブラッドソーセージが最高でした」
「ブラッドソーセージ?」

なんだそれ。

「肉と一緒にその動物の血も練り込んであるソーセージです。濃厚な味が口の中に広がって超美味しかったです」
「え、そんなんあったの?!どこ?!」
「街の裏通りで売ってましたよ。あと、同じところでメットってのも食べました」
「なにそれ」
「食べてからのお楽しみです」

 ほぉほぉそれはそれは楽しみですなぁ……。

「んじゃはい」
「なんですかその手」
「持ってるんだろ?」
「無いですよ。自分で買ってくださいよ。場所教えますから」
「……このケバブをやろう」
「わーい!あ、これブラッドソーセージです」

 ケバブとパックみたいなのに入ったブラッドソーセージを交換した。

「おいパスト」
「なんですか?」

 先生が俺の手元のブラッドソーセージを見ながら言った。

「私もそれを食べたい」
「え、嫌です。自分で買ってくださいよ。場所はアオが教えますから」
「……撫でてや「はい!どうぞ!」
「ありがとう!撫でてやろう!」
「結局か!撫でんな!」
「やはりこの感触は病みつきになるな」

 俺は犬か!!

「狂犬というやつだな!」
「心を読むなよ!」
「あの……パ、パスト……?」
「ぁあ?!ってリーシャ?」

 何故かリーシャが俺に話しかけてきた。
 珍しい。

「何だ。見ての通り忙しいんだ」
「わ、わた……わたしも……さ……さわら……さわ……」
「は?なに?さわら?」
「さ……さわ…さわ……さわ…さわ……」

 ざわざわみたいになってるんだが。

「なに?お前も触りたいの?」

 そう言うとリーシャは目を見開いて、頭を何度も上下に振った。

「ふーん」

 期待の眼差しとはこのことか。
 こんなリーシャは幼馴染のチェニックも初めて見たらしく、かなり驚いた顔をしていた。

「どうしたのリーシャ?でも確かに俺も触ってみ「テメェに触らせるわけねぇだろファッ金髪」酷い?!」

 男に触られるとか気持ち悪いどころじゃすまねぇわ!

「つか、先生もいつまで!」
「おっと、すまん」

 そう言って先生は頭から手をどけてくれた。
 ったく……。
 あ、リーシャがチェニックのこと睨んでる。
 チェニックは気づいてねぇみたいだ。
 どんだけ触りたかったんだ……。
 ま、いーや。

「アオ。メッテだっけ?の売ってるとこ教えろ」

 そういうと、アオは俺に手を突き出してきた。
 手のひらを上に向けてだ。

「……何がほしい」
「師匠、食べすぎてお金が無いんです。お小遣いください!お願いします!」
「…………自分で探す。反省しろ」
「うわあああああん!!!」

 アオは四つん這いになって大号泣した。
 そこに先生が近づいていく。

「アオちゃん、私がお小遣いをあげよう」
「ありがとうございます!」

 速攻で元気なるアオ。
 って先生?!

「お小遣い上げるとか何言ってんですか?!」
「家族になるなら当た「わかった!お小遣いあげるから!俺があげるから!」

 チェニック達のいる場で言わせるか!

「わーい!さぁ師匠行きましょう!」
「おーそうだな!」

 さっさとこの場から離れたい……。

「なら私も行こう」

 言うと思った。
 だがな。

「先生はダンジョン局に報告でしょ?」
「……待っててもらえないか?」
「ぐっ……」

 涙目になりかけの目で言われると……。

「僕も行k「来んな」酷い?!」

 誰が連れて行くか。

「こらっパスト!そんなこと言うんじゃないの!」
「チッ」

 怒られた……。
 しかもお母さん風に……。

「あ、あの…わ、わたわたしもー……」
「むう、もういいです。リーシャちゃん行きましょう」

 げっ、アオとリーシャが行っちまう!

「んじゃ、先生!報告よろしく!」
「あ、ま………」

 無視して、アオとリーシャを連れて走って逃げた。
 ところで後ろからチェニックが、地味についてきてることがすんげぇ苛つくんだが、消し飛ばしていいかな……。



☆あとがき的な話☆
作中に出てくる飯は、ファンタジー飯以外は実際に作者が食べたことがあるものを使ってます。

ブラッドソーセージはとは、血を練り込んだ?ソーセージで見た目は黒いです。
直訳すると血のソーセージなんで、中身全部血だと思って食べたら、普通に肉も入ってましたわ。
エストニアで食べたんですが、レバーの癖がない状態って味でした。かかっていた甘酸っぱいソースと相性抜群でめちゃくちゃ美味かったです。多分このソースが血臭さとかを消してたんじゃないかなぁと思います。
こちらがその写真です。




画質どうですかね。
Twitterにも貼っておくんで見にくければそちらで見てください。


メッテは……とある動物の生挽肉を使ったものです。
ヒントは日本ではおそらく食べられないもので、普通に生きていたらまずええっ?!食えるの?!ってなるものです。
ググらず、次回をお楽しみに!
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