転生しました。

さきくさゆり

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第五章

神様ってのは適当なんです。

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「いつまで経っても帰ってこぬから、変じゃのぉと思って覗いたら何じゃ遊びほうけて。そっこら中で魔法だのをバカバカ使うから因果律が微妙に狂って超絶面倒なことになっておるではないか。全く」

 ヘトリーは俺の右側でぶーたれながら煎餅を噛み砕いていた。
 確かに転移魔法術使って世界を飛び回っていたけども。


 花梨のことが片付いてから少しして、俺は復学した。
 したのだが。

 勉強をするのが段々と面倒に感じてきたのだ。
 その代わりに俺はバイトに明け暮れ、金が貯まれば世界中を巡った。
 単位を落とすことは無かったものの、卒業後はバイトにさらに精を出しつつ、また世界中を周り続けた。

 海外などの遠すぎる場所は、一度行けば転移で行き帰りできるから、宿泊代はかからない。
 言語も何故かそういうものだと理解すると通じる。

 お陰で楽しい世界旅行をすることができた。


「ねーどーでもいいからさ。さっさとパストの身体に戻ってくれない?こっちはこっちで面倒なことになってるから。具体的にはあんたの魂がいなくなったことでバランスが取れないの」

 オレの左側の銀髪の人が気だるそうに言ってきた。

「……その前にあなた様はどこのどちら様で?」
「エトラ。アルテの神様よ。んでどーするの?戻るの?戻んないの?」

 神様っすか。
 説明する気が無いことは分かったわ。

「…………戻らないとどうなるんですか?」
「別に。今ここで証拠隠滅するだけ」
「つまり?」
「和樹とパストの存在を回収、分解、そして世界に還元。これで証拠隠滅私達ハッピー。うんもうこれで良くない?」
「待ってください!よく分からないですけど戻るので!戻るのでそれ止めて!」

 つか証拠隠滅ってなんだよ!
 それお前らの責任だろ!

「ハイハイ。それじゃあさっさと行った行った」

 何だかさぁ……。
 神様って適当すぎない?

「ああそれと、定期的に地球にも行ってもよいからの。というか行ってもらわないと困る」
「誰が?」
「ワシたちが」
「一応聞くけど、もし断れば?」
「勿論消滅ー」

 この神様方はさぁ……。

 まあ行ったり来たりできるなら願ったり叶ったりだけどさ。

「それで?アルテに帰るってどう帰るの?」
「あーすまんの。今開ける」

 ヘトリーが右手を上げて振ると、教会の扉が開いた。

「あ、そっからなのね」

 近くまで行って覗き込むと、その先は真っ暗だった。
 大丈夫なのだろうか。

「これ……どうしろと?」
「飛び降りればよい」

 マジですか。

「飛び降りれば……どうなると?」
「パストの身体に帰ることになるの」

 そうですか。

「……怖いなぁ……なんて……」

 だって真っ暗っていうか漆黒よ?
 何も見えんのよ?

「そうじゃろうそうじゃろう」
「だろ?覗いたらわか……」

 なんか真後ろからヘトリーの声がするんですが。

「手伝ってやろう。ほれ」

 やっぱな。

 暗闇を覗き込んでいた俺は、背中の衝撃と共に回転しながら暗闇の中に墜落した。
 丁度上を見上げた時、俺の体らしきものが粒子になって消えていくのが見えた。


 *****


「あやつめちゃくちゃじゃの。まあめちゃくちゃな世界にはお似合いじゃがの」
「元はといえばアナタが見逃したのが悪いんでしょうが。あ、エアルスは何か言ってた?」
「任せるじゃとさ」
「あいっかわらず仕事しないわね。だから他の世界に住民持ってかれるのよ。この間なんて一万人よ一万人」
「そのうち何人かはエトラの仕業じゃろうが」
「アンタもでしょ」
「エアルといいアルマやサルタもまともに自分のとこの住民を管理しないからの」
「お陰でウチみたいな世界は潤うからいいんだけどね」
「あ、やばい。時間のこと言い忘れておった」
「えーまいーじゃん?アイツそういうの気にしなさそうだし」
「そうじゃの」


 *****


 んー……身体が動かん……というか身体がない。
 なんか気持ち悪いなこの感覚。

 そういえば今おれどこにいるとか聞いてなかったわ。

 確か記憶ではちょっと寝るからとか言ってから行ったんだよな。

 それで……ヘトリーに会って……そうだ同じように教会から突き落とされたんだった。
 あの野郎……。

 まあ地球に行く時にあそこを経由するんならそん時文句を言おう。

 お、なんか身体がある感覚になってきた。
 これは……右手か。お、左手、頭だここ。
 お、お、お。

 やがて全身がある感覚になっていく。

 気持ち悪いな。

 と思ったらなんか眠くなって……き……


「…………ぉ」

 どうやらうまく戻れたらしい。
 なんか身体が重いけど、しっかり感覚がある。

 俺は右手を上げようとしたが、なんでか腕が上がらなかった。
 はて。
 足は動く。左手は動かない。

 どうも身体が重いのではなく、何かが上に乗っかっているらしい。
 すると首筋に焼けるような痛みが走った。

「いった!!」

 流石にすぐに目が覚めた。

「んふっ?!」

 んふっ?

 目を開けると。

 真っ暗闇に真っ赤な何かが二つ、俺の前に浮かんでいた。

 その何かはキョロキョロ動いている。

「ぁ……ぁに゛……」

 ってまた声出ねぇよ。
 その赤い何かが俺から離れると、いきなり目の前が真っ白になった。

「ぅか゛っ?!」

 眩しっ!!

「あら起きちゃったの」

 何やら声がしたと思ったら、またもや首筋に激痛が走る。
 程なく頭がクラクラしてきて、俺は意識を失った。
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