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第六章
ゴスっ
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「んー……」
戻ってきたらしい。とりあえず起きるか。
…………目を開けたが真っ暗で何も見えない。
とりあえず異空間から電池式のランプを取り出した。
これ便利なのよ。
明るくなって分かったことは、俺がいる場所が、どこかの豪華な部屋だってことだ。
部屋は広く、なんか絵とか飾ってある。
つかこのランプすげえな。俺は部屋の真ん中辺りにいるらしいけど、室内が普通にわかるわ。
さすが国内産である。
そして俺が寝ているのはなんかでかいベッドだった。
トリプルベッドくらいある。
ベッドから降りると、足の裏にフカフカのカーペットの感触。なんだこの部屋……。
窓まで歩いて外を覗こうと思ったが、窓に反射して俺の顔が見えた。
目つき悪……。
ついでに少し離れて見ると、俺の姿は着流しのような服を着ていた。
中は素っ裸だ。下着すら着ていない。
うーん……。
どこだここ。
それに俺一回目が覚めたよな。
そんとき……そうだ首。
首の後ろに手を回してみたが特に何もなかった。
とりあえず気配察知魔法術を使ってみることにした。
んー……なんだここ。めちゃくちゃ広いな。しかも部屋数多すぎないか?俺がいるのはどうも……わかる限りで二階?の真ん中辺りの部屋らしい。
でももっと下にありそうな気がする。
両隣も同じくらいの部屋があるが誰もいないようだ。
そんで天井に二人誰かいるな。見張りか?
気配察知には気づかれてないらしいな。とりあえず先生よりは弱いことだけは分かった。
いや先生に気配察知魔法術やったら速攻バレてボッコボコにされたことがあるんだわ。
隠れ鬼やった時の話なんだがそれは置いておこう。
つか見張りなら、俺が起きてなんかしてるのに何も言わねぇのか?何者?
すると気配察知に誰かが引っかかった。
下から誰かが上がってくる。
こっちに向かってるらしい。
俺は布団に戻っておいた。
気配察知は発動したままだ。
案の定、俺のいる部屋の前に誰かは止まった。
部屋の扉が開く音がすると、誰かが入ってきた。
カーペットを踏む音がする。
俺は目を瞑ったまま寝返りをうってみた。
そいつはベッドの横で止まった。
少し経つとそいつはホッとため息を一つついたようだ。
そしてベッドがきしんで俺は少しベッドに沈む感触があった。
そのままぎしっぎしっとソイツが近づいてくる。
「……ハァッ……ハァッ……ハァッ……ハァッ……」
女か?なんかハァハァ言ってんだけど。
耳元でハァハァすんなよ……。
こしょばいんだよ……。
「い、いただきます」
「は?」
思わず目を開けてしまった。
すると目の前に真っ赤なナニかが二つ浮いていた。
これって……最初に目覚めた時の!
慌てて赤いナニカかから離れると同時に、持っていたランプのスイッチを押した。
「ぎゃっ?!何っ?!」
「姫様っ?!」
「貴様っ!何をした!」
パッと明かりが付くと、ちょっとよくわからない光景が広がっていた。
ベッドの上で目を抑えて悶ている髪の長い女の子と、その子を守るように立って剣と槍を突きつけてくる男二人がこちらを睨みつけてきていた。
「いやそっちこそ誰よ。俺は目が覚めたら真っ暗闇の中真っ赤なナニカが見えたと思ったらいただきますなんて言われたから、ビックリしただけだ。これは明かりを灯す道具。殺傷能力は無い」
とりあえず早口で捲し立てながら様子を見る。
男二人は鎧というほどでは無いが頑丈そうな銀色の装備に包まれている。お揃いだな。
後ろに転がっているのはゴス服を着ているようだ。
「めがっ!めがあああっ!!」
直視したらしい。LEDライトは殺傷能力は無いけど失明する可能性はあるなそういえば。
「姫様っ?!」
「貴様っ!何をしたっ!」
どうしよう……。
なんか可哀想な気がしてきた。
失明してないよな。
「あー……悪かった。そっちの子はこの明かりを直視したから目がやられてるんだと思う。少し経てば治るはずだ」
多分。
「……本当だろうな?」
剣を持った方が俺を睨んでくる。
「嘘はついていない。それでここはどこでお前らは誰だ。なんで俺はここにいる。そしていただきますとはなんだ」
すると後ろにいたゴス服が起き上がった。
「あー……眩しかった……。なによそれ。雷魔法?」
魔法ではないが系統は似たようなもんだな。
「ゴメンナサイね、パスト君。ついガマンできなくて」
「姫様っ?!」
「ご無事でしたか!」
我慢ってなんだ。
つかなんで俺の名前知ってんの。
誰なの。
つか俺は家で寝てたんじゃないの?
いつの間にこんなとこにいるの?
「いくつか聞きたいことがあるんだが、まずここはどこで、三人は誰だ?」
「貴様っ!姫様に向かってぅぎゃひっ!!」
槍の人が俺に槍を突きつけた瞬間、天井に突き刺さった。
「いつまで客人に武器を向けてる貴様達」
ゴス服の女の子が何かしたらしい。
「えーと……ど、どちら様でしょうか。あ、私はパストと申します」
俺は姫様って言われていたからへりくだることにした。
いや怖いし。
「あらいいのよ。娘の師匠さんなんだから。もっとフレンドリーにいきましょっ!」
フレンドリーって英語なんじゃ……いや深くは考えまい。
って娘の師匠?ってことは……。
「アオの母さん?」
正解とばかりにニッコリと笑う。
嘘だろ?!
「こんな小さ……」
俺が辛うじて覚えているのはここまでだった。
戻ってきたらしい。とりあえず起きるか。
…………目を開けたが真っ暗で何も見えない。
とりあえず異空間から電池式のランプを取り出した。
これ便利なのよ。
明るくなって分かったことは、俺がいる場所が、どこかの豪華な部屋だってことだ。
部屋は広く、なんか絵とか飾ってある。
つかこのランプすげえな。俺は部屋の真ん中辺りにいるらしいけど、室内が普通にわかるわ。
さすが国内産である。
そして俺が寝ているのはなんかでかいベッドだった。
トリプルベッドくらいある。
ベッドから降りると、足の裏にフカフカのカーペットの感触。なんだこの部屋……。
窓まで歩いて外を覗こうと思ったが、窓に反射して俺の顔が見えた。
目つき悪……。
ついでに少し離れて見ると、俺の姿は着流しのような服を着ていた。
中は素っ裸だ。下着すら着ていない。
うーん……。
どこだここ。
それに俺一回目が覚めたよな。
そんとき……そうだ首。
首の後ろに手を回してみたが特に何もなかった。
とりあえず気配察知魔法術を使ってみることにした。
んー……なんだここ。めちゃくちゃ広いな。しかも部屋数多すぎないか?俺がいるのはどうも……わかる限りで二階?の真ん中辺りの部屋らしい。
でももっと下にありそうな気がする。
両隣も同じくらいの部屋があるが誰もいないようだ。
そんで天井に二人誰かいるな。見張りか?
気配察知には気づかれてないらしいな。とりあえず先生よりは弱いことだけは分かった。
いや先生に気配察知魔法術やったら速攻バレてボッコボコにされたことがあるんだわ。
隠れ鬼やった時の話なんだがそれは置いておこう。
つか見張りなら、俺が起きてなんかしてるのに何も言わねぇのか?何者?
すると気配察知に誰かが引っかかった。
下から誰かが上がってくる。
こっちに向かってるらしい。
俺は布団に戻っておいた。
気配察知は発動したままだ。
案の定、俺のいる部屋の前に誰かは止まった。
部屋の扉が開く音がすると、誰かが入ってきた。
カーペットを踏む音がする。
俺は目を瞑ったまま寝返りをうってみた。
そいつはベッドの横で止まった。
少し経つとそいつはホッとため息を一つついたようだ。
そしてベッドがきしんで俺は少しベッドに沈む感触があった。
そのままぎしっぎしっとソイツが近づいてくる。
「……ハァッ……ハァッ……ハァッ……ハァッ……」
女か?なんかハァハァ言ってんだけど。
耳元でハァハァすんなよ……。
こしょばいんだよ……。
「い、いただきます」
「は?」
思わず目を開けてしまった。
すると目の前に真っ赤なナニかが二つ浮いていた。
これって……最初に目覚めた時の!
慌てて赤いナニカかから離れると同時に、持っていたランプのスイッチを押した。
「ぎゃっ?!何っ?!」
「姫様っ?!」
「貴様っ!何をした!」
パッと明かりが付くと、ちょっとよくわからない光景が広がっていた。
ベッドの上で目を抑えて悶ている髪の長い女の子と、その子を守るように立って剣と槍を突きつけてくる男二人がこちらを睨みつけてきていた。
「いやそっちこそ誰よ。俺は目が覚めたら真っ暗闇の中真っ赤なナニカが見えたと思ったらいただきますなんて言われたから、ビックリしただけだ。これは明かりを灯す道具。殺傷能力は無い」
とりあえず早口で捲し立てながら様子を見る。
男二人は鎧というほどでは無いが頑丈そうな銀色の装備に包まれている。お揃いだな。
後ろに転がっているのはゴス服を着ているようだ。
「めがっ!めがあああっ!!」
直視したらしい。LEDライトは殺傷能力は無いけど失明する可能性はあるなそういえば。
「姫様っ?!」
「貴様っ!何をしたっ!」
どうしよう……。
なんか可哀想な気がしてきた。
失明してないよな。
「あー……悪かった。そっちの子はこの明かりを直視したから目がやられてるんだと思う。少し経てば治るはずだ」
多分。
「……本当だろうな?」
剣を持った方が俺を睨んでくる。
「嘘はついていない。それでここはどこでお前らは誰だ。なんで俺はここにいる。そしていただきますとはなんだ」
すると後ろにいたゴス服が起き上がった。
「あー……眩しかった……。なによそれ。雷魔法?」
魔法ではないが系統は似たようなもんだな。
「ゴメンナサイね、パスト君。ついガマンできなくて」
「姫様っ?!」
「ご無事でしたか!」
我慢ってなんだ。
つかなんで俺の名前知ってんの。
誰なの。
つか俺は家で寝てたんじゃないの?
いつの間にこんなとこにいるの?
「いくつか聞きたいことがあるんだが、まずここはどこで、三人は誰だ?」
「貴様っ!姫様に向かってぅぎゃひっ!!」
槍の人が俺に槍を突きつけた瞬間、天井に突き刺さった。
「いつまで客人に武器を向けてる貴様達」
ゴス服の女の子が何かしたらしい。
「えーと……ど、どちら様でしょうか。あ、私はパストと申します」
俺は姫様って言われていたからへりくだることにした。
いや怖いし。
「あらいいのよ。娘の師匠さんなんだから。もっとフレンドリーにいきましょっ!」
フレンドリーって英語なんじゃ……いや深くは考えまい。
って娘の師匠?ってことは……。
「アオの母さん?」
正解とばかりにニッコリと笑う。
嘘だろ?!
「こんな小さ……」
俺が辛うじて覚えているのはここまでだった。
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