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第5話 備蓄勇者とアルム村
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アーチャーたちについていくとアルム村というところに案内された。人口は50人くらいの村らしい。場所でいうとこの大陸の中央に位置する広大な平原の中央あたりらしいということだ。地図を見せてもらい納得した。
案内してくれたアーチャーは、この村の長老の孫娘だった。その孫娘が連れてきた客人ということで家族の食事に招かれていた。
何を煮込んだかわからないシチューが食卓に並んでいる。
「訪問者とは実に珍しい」
口を開いたのは、この村の長老シューマン。筋骨隆々の白いあごひげを蓄えたアーチャーの祖父。ちなみにアーチャーの名は、シーナ。
「食事にお招きいただきありがとうございます。家族団らんのところにお邪魔をしてすみません」
社交辞令の返事を返しつつ様子を見る。周りに座っている家族と思われる者たちは、オレに視線を集中させていた。何者であるのか見極めるために観察されていることは容易にわかる。
「そなたの話ではどこから来たのかわからないということだが、何かの儀式にでも巻き込まれたのかな。それとも異界から召喚された悪魔の類かな?」
するどい目つきで筋肉だるまの老人はこちらを射抜く。
「あなた方と同じ人の身であることは間違えないと思います。異なる世界からこちらに飛ばされてきました。誰の思惑でそうなってしまったかは、はかりかねますが」
海外で経験した原住民との会話のような既知感があった。どこへ行っても新参者はなかなか受け入れてもらえないものだった。じっくり話を重ねながら馴染んでいくしかない。
「暖かい食事が冷めてしまいます。詳しいお話は食事のあとでお願いします」
アーチャーことシーナが会話を遮り皆の注目を食事へと引き戻す。同席している子供たちは、我々の会話などどこ吹く風で食事に視線を集中させている。顔には早くご飯を食べたいと書いてあるようだった。
「すまんなかった。食事をはじめよう」
長老シューマンの掛け声で場の雰囲気は暖かさを取り戻す。
「今日の糧に感謝をしていただこうではないか」
腹が減っていたオレは、食事にありつけたことを感謝し、食べ始めたのだった。
案内してくれたアーチャーは、この村の長老の孫娘だった。その孫娘が連れてきた客人ということで家族の食事に招かれていた。
何を煮込んだかわからないシチューが食卓に並んでいる。
「訪問者とは実に珍しい」
口を開いたのは、この村の長老シューマン。筋骨隆々の白いあごひげを蓄えたアーチャーの祖父。ちなみにアーチャーの名は、シーナ。
「食事にお招きいただきありがとうございます。家族団らんのところにお邪魔をしてすみません」
社交辞令の返事を返しつつ様子を見る。周りに座っている家族と思われる者たちは、オレに視線を集中させていた。何者であるのか見極めるために観察されていることは容易にわかる。
「そなたの話ではどこから来たのかわからないということだが、何かの儀式にでも巻き込まれたのかな。それとも異界から召喚された悪魔の類かな?」
するどい目つきで筋肉だるまの老人はこちらを射抜く。
「あなた方と同じ人の身であることは間違えないと思います。異なる世界からこちらに飛ばされてきました。誰の思惑でそうなってしまったかは、はかりかねますが」
海外で経験した原住民との会話のような既知感があった。どこへ行っても新参者はなかなか受け入れてもらえないものだった。じっくり話を重ねながら馴染んでいくしかない。
「暖かい食事が冷めてしまいます。詳しいお話は食事のあとでお願いします」
アーチャーことシーナが会話を遮り皆の注目を食事へと引き戻す。同席している子供たちは、我々の会話などどこ吹く風で食事に視線を集中させている。顔には早くご飯を食べたいと書いてあるようだった。
「すまんなかった。食事をはじめよう」
長老シューマンの掛け声で場の雰囲気は暖かさを取り戻す。
「今日の糧に感謝をしていただこうではないか」
腹が減っていたオレは、食事にありつけたことを感謝し、食べ始めたのだった。
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