11 / 60
1部:1年生
第11話
しおりを挟む
明日から俺の通ってる高校は夏休みに入る。その前に俺にはしたいことがあった。
(晃成に、上谷さんに告られたって言わなきゃだよな…)
俺は、この前上谷さんに告白された。告白よりもセフレになってほしい発言しか覚えてないけど。正直、晃成とくっつくのが一番平和でいいと思うんだけど、この世界エロゲだからなぁ…。俺のこと好きなままな気でいる気がする。だからこそ俺は晃成に、しっかりとこのことを打ち明けることにした。
「晃成。学校の帰り、駅前のファストフード店で話したいことがあるんだけど時間平気?」
「え?なんで、そんな堅っ苦しいの?全然いいけど、俺金欠だからファミレスでもいい?」
正直俺は話せればどこでも良かったので、ファミレスでもどこでも良かった。ファミレスについた俺らは、とりあえずドリンクバーだけ頼んだ。きっと、なんか言いたいことがあって、緊張しているっていうことは晃成には伝わっているだろう。
「晃成には良くない話なんだけど、友達として俺は話しておきたいことがあるんだ」
「お、おう。そんなヤバいことなの?なんか俺まで緊張してきたんだけど」
晃成は笑いながら若干そわそわしてたけど、俺からしたらせっかくの高校生活でできた最高の友達を失うかもしれないのだ。緊張もするし、手も震えていた。
「この前にあったことで、ずっと晃成に言おうかどうか悩んでた。実は俺…上谷さんに告白されたんだ」
「は、…え?告白された?え、おめでとー…」
晃成からは気の抜けた声でおめでとーと言われたが、しっかり断ったことも伝えなければならない。
「けど、俺は西野さんが好きだし断った」
俺は晃成になんて言われるか不安で、俯いてるしか出来なかった。おっさんの俺にはこんなに仲の良い友達なんていなかったから、なんて言われるか想像もつかなかった。
「そう、だよな。…いや、失恋かー…正直すぐ、受け入れられない。けどこれが原因でお前を嫌いになったりとかはしない。けどむかつくから今食う分はおごれよ!!」
晃成からの返答は思ったものとは違い、今回のことを責められるようなことではなかった。
「晃成…やっぱお前かっこいいな。俺ほんといい友達もったわ、泣きそう」
「はぁ?泣きたいのは俺の方だわ!知らないうちに上谷さんに振られてるし…けど、和樹が悪いわけじゃないし…とりあえず今は食って気紛らわす!!」
なんて良い奴なんだ。俺だったら若干どころか、俺の方が好きなのに…とか思って恨むぞ。いや、俺の性格が悪いだけか?そんなことないと思う。誰しも好きな相手に振り向いてもらいたいって思うはず。
(落ちこんでるはずなのに、明るく振る舞えるなんて晃成はすごいな…)
その日は、晃成がメインもデザートも食べまくったせいで、会計が5000円を超えた。この店でこんなに食うことできるんだ…っていう衝撃しかなかった。
------------------------------------
夏休みになり、バイトも多くシフトを入れ朝から出ていた日だ。
「皆~、今日の夕方から新しい子来るからそのつもりでいてね~」
店長の言葉に、頭の上にはてなが浮かぶ。
(新しく入る?人数も足りてるし、新しいバイト雇わない、って店長こないだ言ってなかったか?)
「今うちでは新規の子取らないって一回断ったんだけど、どうしてもって言われちゃったんだよね。なんでうちみたいな時給そんな高くもないところでわざわざバイトするんだろうって考えたんだけど、学校も学校だし、しっかりしてそうな子だったから俺もいいかなって思っちゃった。広瀬さんっていう女の子だから皆仲良くしてあげてね~」
学校がしっかりしてて、ここのカラオケで猛烈に働きたい女の子。…前説教した子ルートか?たしかお嬢様学校に通ってたっていうのは覚えてる。2ヶ月くらい前のことだし何も覚えてない。やばい、どうしよう。エロゲルート突入か!?
(名前覚えてねーよ!広瀬さんなんて名前だったっけ!?)
夕方になり、広瀬さんという子が来た。暗い髪色にリップだけ塗ったような化粧で、前に説教した不良女子高生という風貌ではなく、俺は安心した。
「広瀬梨子です。今日からよろしくお願いいたします。それから、あなたには私の人生を更生してもらえて正しい方向に進むことができたと思っているので感謝しています。その際はありがとうございました」
「え、田中君、広瀬さんとなんか関係あんの~?店長気になっちゃう!!」
「何もないです。気にしないでください」
さすがにバイト中になんかしかける、ていうことはないと思いたいけどここはエロゲの世界だ。何が起こるかわからない。広瀬さんの登場によって、俺はバイト先でも安寧を失ったのだ。
(晃成に、上谷さんに告られたって言わなきゃだよな…)
俺は、この前上谷さんに告白された。告白よりもセフレになってほしい発言しか覚えてないけど。正直、晃成とくっつくのが一番平和でいいと思うんだけど、この世界エロゲだからなぁ…。俺のこと好きなままな気でいる気がする。だからこそ俺は晃成に、しっかりとこのことを打ち明けることにした。
「晃成。学校の帰り、駅前のファストフード店で話したいことがあるんだけど時間平気?」
「え?なんで、そんな堅っ苦しいの?全然いいけど、俺金欠だからファミレスでもいい?」
正直俺は話せればどこでも良かったので、ファミレスでもどこでも良かった。ファミレスについた俺らは、とりあえずドリンクバーだけ頼んだ。きっと、なんか言いたいことがあって、緊張しているっていうことは晃成には伝わっているだろう。
「晃成には良くない話なんだけど、友達として俺は話しておきたいことがあるんだ」
「お、おう。そんなヤバいことなの?なんか俺まで緊張してきたんだけど」
晃成は笑いながら若干そわそわしてたけど、俺からしたらせっかくの高校生活でできた最高の友達を失うかもしれないのだ。緊張もするし、手も震えていた。
「この前にあったことで、ずっと晃成に言おうかどうか悩んでた。実は俺…上谷さんに告白されたんだ」
「は、…え?告白された?え、おめでとー…」
晃成からは気の抜けた声でおめでとーと言われたが、しっかり断ったことも伝えなければならない。
「けど、俺は西野さんが好きだし断った」
俺は晃成になんて言われるか不安で、俯いてるしか出来なかった。おっさんの俺にはこんなに仲の良い友達なんていなかったから、なんて言われるか想像もつかなかった。
「そう、だよな。…いや、失恋かー…正直すぐ、受け入れられない。けどこれが原因でお前を嫌いになったりとかはしない。けどむかつくから今食う分はおごれよ!!」
晃成からの返答は思ったものとは違い、今回のことを責められるようなことではなかった。
「晃成…やっぱお前かっこいいな。俺ほんといい友達もったわ、泣きそう」
「はぁ?泣きたいのは俺の方だわ!知らないうちに上谷さんに振られてるし…けど、和樹が悪いわけじゃないし…とりあえず今は食って気紛らわす!!」
なんて良い奴なんだ。俺だったら若干どころか、俺の方が好きなのに…とか思って恨むぞ。いや、俺の性格が悪いだけか?そんなことないと思う。誰しも好きな相手に振り向いてもらいたいって思うはず。
(落ちこんでるはずなのに、明るく振る舞えるなんて晃成はすごいな…)
その日は、晃成がメインもデザートも食べまくったせいで、会計が5000円を超えた。この店でこんなに食うことできるんだ…っていう衝撃しかなかった。
------------------------------------
夏休みになり、バイトも多くシフトを入れ朝から出ていた日だ。
「皆~、今日の夕方から新しい子来るからそのつもりでいてね~」
店長の言葉に、頭の上にはてなが浮かぶ。
(新しく入る?人数も足りてるし、新しいバイト雇わない、って店長こないだ言ってなかったか?)
「今うちでは新規の子取らないって一回断ったんだけど、どうしてもって言われちゃったんだよね。なんでうちみたいな時給そんな高くもないところでわざわざバイトするんだろうって考えたんだけど、学校も学校だし、しっかりしてそうな子だったから俺もいいかなって思っちゃった。広瀬さんっていう女の子だから皆仲良くしてあげてね~」
学校がしっかりしてて、ここのカラオケで猛烈に働きたい女の子。…前説教した子ルートか?たしかお嬢様学校に通ってたっていうのは覚えてる。2ヶ月くらい前のことだし何も覚えてない。やばい、どうしよう。エロゲルート突入か!?
(名前覚えてねーよ!広瀬さんなんて名前だったっけ!?)
夕方になり、広瀬さんという子が来た。暗い髪色にリップだけ塗ったような化粧で、前に説教した不良女子高生という風貌ではなく、俺は安心した。
「広瀬梨子です。今日からよろしくお願いいたします。それから、あなたには私の人生を更生してもらえて正しい方向に進むことができたと思っているので感謝しています。その際はありがとうございました」
「え、田中君、広瀬さんとなんか関係あんの~?店長気になっちゃう!!」
「何もないです。気にしないでください」
さすがにバイト中になんかしかける、ていうことはないと思いたいけどここはエロゲの世界だ。何が起こるかわからない。広瀬さんの登場によって、俺はバイト先でも安寧を失ったのだ。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2025.12.18)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる