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1部:1年生
第19話
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体育祭の打ち上げ場所は駅前の焼肉屋だ。もともと打ち上げを行う予定だったらしく、予約がされていてスムーズに決まっていた。最近の予約って本当便利になったよな。参加人数ももともと30人くらいで予約していたけど、結局参加するのは23人だったから向かい合って横並びでできるらしい。
「クラス2位、団体優勝を記念してかんぱーい!!!!」
「かんぱーい!!」
体育祭実行委員が音頭を取り、乾杯をした。ビールが飲みたい、と思うが我慢だ。コーラを流し込み、炭酸で喉がかぁっとなる。ぷは、と一息つき、頼んでいた肉を焼き始める。だが、俺はこの席順に文句を言いたい。何故なら俺は左から2番目、左隣が上谷さん、右隣が山下さんで、すみれちゃんが一番遠い右斜め前の端の席にいるからだ。
「田中くん、あたしホルモン焼いたんだけど!」
「田中君!私の方のカルビ焼けたからお皿いれとくね!」
「2人ともありがとう。俺も焼くの手伝うよ」
手伝いを申し出たら、2人から俺は座っててって言われてしまった。
(俺だって肉焼く楽しみ味わいたいのに…)
それからも、2人からによる肉焼けたよ攻撃は続いた。そして向かいの男子に真顔でこう言われた。
「田中って、上谷と山下どっちと付き合ってんの?それとも一夫多妻的な感じで公認の二股?」
「いや、2人とも善意でやってくれてるだけだし。付き合ってないよ」
「え?だって2人とも他の奴には肉取ったりしてないし、してるのお前相手だけなんだけど。無自覚なの?こんな可愛い子2人から好かれてるとか羨ましいわー」
違う。それはただエロゲ世界に転生した弊害だ。原作では、誰か攻略相手と付き合うのかもしれないけど俺はすみれちゃん一筋だ。それに羨ましいんだったら交換してほしい。なんかこういうとストーカーみたいだけど、俺はすみれちゃんを陰から見守るだけになりたい。
「確かに2人とも可愛いけど、俺好きな子いるし。付き合ったりとかはないかな。」
俺が誰か好きな人がいる、ということを発信することに対して危険性を感じていなかった俺も良くなかった。特にこの山下さんと上谷さんが隣にいる、という状況で。
「は?誰を!?」
「田中君マジで!?」
両隣から悲痛な叫びが聞こえた。ちなみに、上から山下さん、上谷さんだ。
「あたしはその誰かより下ってわけ!?あんなことしておいて!?」
「山下さん、落ち着いて!!」
興奮して山下さんが立ち上がったせいで、クラスの他の人からも注目が集まっている。目立ちたくないからやめてほしい。
(マジで叫ばないでくれ!!)
「え、花鈴ちゃん。あんなことって何?普通に気になるんだけど」
「何もないから上谷さんは気にしないで!」
山下さんのファーストキス奪ったとか、そういうくだりをクラス中にバラされたくなくて俺は必死だったせいでさらに、気にならせてしまったらしい。皆からジロジロとなんだなんだと視線を送られる。
「えー…怪し。何あったの」
「んふふー。真莉には内緒―」
「ん?てことは山下とは何かあったってこと?じゃあ山下と付き合ってるってこと?」
前にいる男子がそう聞いてくるが、そうじゃない。何かはあったけど、誓って付き合ってない。
「いや、付き合ってはいない。これはマジだから信じて!」
「付き合っては、てことはやっぱ何かあったんじゃん。リア充滅べ」
ファーストキス奪取事件という何かに対して、リア充滅べと言われてしまった。
(したくてしてるわけじゃないのに…!!)
真剣に訴える俺を見て、とりあえず付き合ってないらしいということは伝わったぽい。
「まぁ花鈴ちゃんには内緒だけど、私も田中くんとちょっとあるコトしちゃったから…お互い様だね!!」
こうして上谷さんと山下さんのバトルが始まってしまい、2人同士のキャッツファイトをよく見るようになるのであった。
「クラス2位、団体優勝を記念してかんぱーい!!!!」
「かんぱーい!!」
体育祭実行委員が音頭を取り、乾杯をした。ビールが飲みたい、と思うが我慢だ。コーラを流し込み、炭酸で喉がかぁっとなる。ぷは、と一息つき、頼んでいた肉を焼き始める。だが、俺はこの席順に文句を言いたい。何故なら俺は左から2番目、左隣が上谷さん、右隣が山下さんで、すみれちゃんが一番遠い右斜め前の端の席にいるからだ。
「田中くん、あたしホルモン焼いたんだけど!」
「田中君!私の方のカルビ焼けたからお皿いれとくね!」
「2人ともありがとう。俺も焼くの手伝うよ」
手伝いを申し出たら、2人から俺は座っててって言われてしまった。
(俺だって肉焼く楽しみ味わいたいのに…)
それからも、2人からによる肉焼けたよ攻撃は続いた。そして向かいの男子に真顔でこう言われた。
「田中って、上谷と山下どっちと付き合ってんの?それとも一夫多妻的な感じで公認の二股?」
「いや、2人とも善意でやってくれてるだけだし。付き合ってないよ」
「え?だって2人とも他の奴には肉取ったりしてないし、してるのお前相手だけなんだけど。無自覚なの?こんな可愛い子2人から好かれてるとか羨ましいわー」
違う。それはただエロゲ世界に転生した弊害だ。原作では、誰か攻略相手と付き合うのかもしれないけど俺はすみれちゃん一筋だ。それに羨ましいんだったら交換してほしい。なんかこういうとストーカーみたいだけど、俺はすみれちゃんを陰から見守るだけになりたい。
「確かに2人とも可愛いけど、俺好きな子いるし。付き合ったりとかはないかな。」
俺が誰か好きな人がいる、ということを発信することに対して危険性を感じていなかった俺も良くなかった。特にこの山下さんと上谷さんが隣にいる、という状況で。
「は?誰を!?」
「田中君マジで!?」
両隣から悲痛な叫びが聞こえた。ちなみに、上から山下さん、上谷さんだ。
「あたしはその誰かより下ってわけ!?あんなことしておいて!?」
「山下さん、落ち着いて!!」
興奮して山下さんが立ち上がったせいで、クラスの他の人からも注目が集まっている。目立ちたくないからやめてほしい。
(マジで叫ばないでくれ!!)
「え、花鈴ちゃん。あんなことって何?普通に気になるんだけど」
「何もないから上谷さんは気にしないで!」
山下さんのファーストキス奪ったとか、そういうくだりをクラス中にバラされたくなくて俺は必死だったせいでさらに、気にならせてしまったらしい。皆からジロジロとなんだなんだと視線を送られる。
「えー…怪し。何あったの」
「んふふー。真莉には内緒―」
「ん?てことは山下とは何かあったってこと?じゃあ山下と付き合ってるってこと?」
前にいる男子がそう聞いてくるが、そうじゃない。何かはあったけど、誓って付き合ってない。
「いや、付き合ってはいない。これはマジだから信じて!」
「付き合っては、てことはやっぱ何かあったんじゃん。リア充滅べ」
ファーストキス奪取事件という何かに対して、リア充滅べと言われてしまった。
(したくてしてるわけじゃないのに…!!)
真剣に訴える俺を見て、とりあえず付き合ってないらしいということは伝わったぽい。
「まぁ花鈴ちゃんには内緒だけど、私も田中くんとちょっとあるコトしちゃったから…お互い様だね!!」
こうして上谷さんと山下さんのバトルが始まってしまい、2人同士のキャッツファイトをよく見るようになるのであった。
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