36 / 60
2部:2年生
第11話
しおりを挟む
文化祭の影に埋もれながら色々練習をしてきたけど、今日は体育祭だ。快晴じゃなく、曇天なのでちょっと雨が降りそうで心配だ。けど、曇天って応援に力が入る感じがあってそれはそれで好きなんだよなってちょっと思う。
一応降水確率は0%だったけど、大丈夫かな。雨降って途中延期とかが一番嫌だ。2年男子のメイン種目は騎馬戦で、俺は上に乗って戦う役になった。これは身長的な問題からなので、微妙な気持ちだ。
俺の身長は171cmなので、女子にしては長身の山下さんと同じくらいという悲しい現実もある。確かに男子の中じゃ小さい方かもしれないけど、さすがに上はないだろって思ってた。それに、俺に戦えるほどの能力はないって練習するまで思ってた。
だがしかし、俺は気づけば総大将になっていた。
殺陣で習得した瞬発力を活かして、相手の背後や下からはちまきを取りまくっていた。ちなみに俺の下は、ラグビー部なので瞬発力もあり抜群の安定感で拮抗した時も上からガッとはちまきを取ることができる。今年も奇数組の5クラスが白組、偶数組の5クラスが赤組になった。
そのなかでも俺は、まず3組の大将として選ばれまさかだったけど、白組の総大将に大抜擢された。全学年合同の騎馬戦練習で俺が一番瞬発力と、攻めぎ合いが得意ということで選抜された。つまり5クラスの期待を一気に背負うのだ。無理すぎる。
白組の総大将は、青色の法被を着て騎馬戦に挑むから赤組の総大将と共に超目立ってちょっと恥ずい。けど、大将戦だけの一騎打ち同士の戦いもあるし、ここでいいところを見せたらすみれちゃんにも好かれるかなって思って頑張る。
大将戦は1騎馬あたり5点だから最低でも白組が3騎馬以上勝ってる方がいい。
「まずは大将同士による一騎打ちです!!」
アナウンスと共に、一騎打ちが始まる。この間も騎馬は作った状態だから、ほんとに下役に申し訳なくなってくる。
1戦目、はちまきを取れた赤組の勝ち。
2戦目、押し合いに勝った赤組の勝ち。
3戦目、長身を生かし上から取った赤組の勝ち。
4戦目、白組が押し合いでバランスを崩したため赤組の勝ち。
5戦目、ついに俺の番がやってきた。
相手は練習では、7割がた負けてるけどここで、負けたら白組は完全に得点源を失う。
(俺が点を取らねば…!!)
俺は殺陣で体力もついたと思うし、瞬発力も上がったと思う。それに今日はなんか、調子が良い。すみれちゃんが見てるからかなぁ。相手に近づくにつれてアドレナリンが出てるのを感じる。俺は、瞬きをする間もない間に相手からはちまきをとることができた。
「っしゃあ!」
白組から歓声がわっと上がり、俺はホッとする。そして次は、白組対赤組で戦う。
「っ!取った!次は右だ!!」
「了解!大将!!」
右往左往と校庭を走り回り、俺のはちまきは取られないまま時間となってしまった。白組は20点を巻き返さなきゃいけない状況で、割といい結果だったと思う。立ち位置に戻り、体育委員が残っている騎馬の数を数えて、点数を発表する。
「騎馬赤組7騎、白組13騎、大将騎馬赤組1騎、白組4騎で点数を集計いたします!少々お待ちください!!」
ドキドキしながら点数の集計待ちをする。
「両組とも30点だったため、総大将による一騎打ちによって結果を決めたいと思います!騎馬を組んでください!!」
ホイッスルが鳴り、目を合わせながら距離を詰めていく。気迫でも負けるわけにはいかない。もともとの相手の攻め方は押し合いに持ちこんで、力でねじ伏せるタイプだ。俺が主に負ける理由は体力不足だ。だからこそ、この体力をほぼ使い切った状態では相手に好都合なはずだ。相手もそう思っているのか若干にやけているのがムカつく。
試合が始まって瞬きも許さない瞬間に俺は、相手のはちまきに触れることができた。だがしかし、相手だって総大将。それにさっきと同じように、簡単に取ることはできない。相手の手を交わし、今度こそ奪いにかかる。
(マウントを取ることができた!攻めればいける!!)
バッていう音と共に、赤組の総大将のはちまきをとることができた。白組から歓声が上がる。しかし取れたとしても、ここで気は抜けない。騎馬が崩れたら点がもらえないからだ。
「両者騎馬を解いてください。…総大将同士の対戦によって、白組に5点追加により35対30で白組の勝利です!!」
白組全体から歓声があがる。超盛り上がった試合になったと思う。クラス席に戻って、皆から祝福を受けた。
「田中―!お前めっちゃつえーじゃん!!おめっとー!!!」
「和樹!お前のおかげで白組勝ったんだからもっと誇れよ」
と晃成や男子からも褒められ、女子からもめっちゃよかったーって褒められた。なんかめっちゃ嬉しい。注目を浴びたけど頑張ったからなのかアドレナリンの過剰放出なのかあんまり恥ずかしいっていう思いはなかった。
「田中君。文化部のわりには結構動きもよかったし、総大将戦でも2勝してるしよかったんじゃない?」
と山下さんから言われるし、そしてなぜか赤組の上谷さんも3組のところにいた。
「田中君、めっちゃかっこよかったよ!おかげで濡れちゃった」
上谷さんにそう言われて、思わず固まってしまった。すみれちゃんからは何もなかったけど、隣にいた池崎さんと田中君かっこよかったねーっていう会話に頷いているのを見れたので満足だ。
一応降水確率は0%だったけど、大丈夫かな。雨降って途中延期とかが一番嫌だ。2年男子のメイン種目は騎馬戦で、俺は上に乗って戦う役になった。これは身長的な問題からなので、微妙な気持ちだ。
俺の身長は171cmなので、女子にしては長身の山下さんと同じくらいという悲しい現実もある。確かに男子の中じゃ小さい方かもしれないけど、さすがに上はないだろって思ってた。それに、俺に戦えるほどの能力はないって練習するまで思ってた。
だがしかし、俺は気づけば総大将になっていた。
殺陣で習得した瞬発力を活かして、相手の背後や下からはちまきを取りまくっていた。ちなみに俺の下は、ラグビー部なので瞬発力もあり抜群の安定感で拮抗した時も上からガッとはちまきを取ることができる。今年も奇数組の5クラスが白組、偶数組の5クラスが赤組になった。
そのなかでも俺は、まず3組の大将として選ばれまさかだったけど、白組の総大将に大抜擢された。全学年合同の騎馬戦練習で俺が一番瞬発力と、攻めぎ合いが得意ということで選抜された。つまり5クラスの期待を一気に背負うのだ。無理すぎる。
白組の総大将は、青色の法被を着て騎馬戦に挑むから赤組の総大将と共に超目立ってちょっと恥ずい。けど、大将戦だけの一騎打ち同士の戦いもあるし、ここでいいところを見せたらすみれちゃんにも好かれるかなって思って頑張る。
大将戦は1騎馬あたり5点だから最低でも白組が3騎馬以上勝ってる方がいい。
「まずは大将同士による一騎打ちです!!」
アナウンスと共に、一騎打ちが始まる。この間も騎馬は作った状態だから、ほんとに下役に申し訳なくなってくる。
1戦目、はちまきを取れた赤組の勝ち。
2戦目、押し合いに勝った赤組の勝ち。
3戦目、長身を生かし上から取った赤組の勝ち。
4戦目、白組が押し合いでバランスを崩したため赤組の勝ち。
5戦目、ついに俺の番がやってきた。
相手は練習では、7割がた負けてるけどここで、負けたら白組は完全に得点源を失う。
(俺が点を取らねば…!!)
俺は殺陣で体力もついたと思うし、瞬発力も上がったと思う。それに今日はなんか、調子が良い。すみれちゃんが見てるからかなぁ。相手に近づくにつれてアドレナリンが出てるのを感じる。俺は、瞬きをする間もない間に相手からはちまきをとることができた。
「っしゃあ!」
白組から歓声がわっと上がり、俺はホッとする。そして次は、白組対赤組で戦う。
「っ!取った!次は右だ!!」
「了解!大将!!」
右往左往と校庭を走り回り、俺のはちまきは取られないまま時間となってしまった。白組は20点を巻き返さなきゃいけない状況で、割といい結果だったと思う。立ち位置に戻り、体育委員が残っている騎馬の数を数えて、点数を発表する。
「騎馬赤組7騎、白組13騎、大将騎馬赤組1騎、白組4騎で点数を集計いたします!少々お待ちください!!」
ドキドキしながら点数の集計待ちをする。
「両組とも30点だったため、総大将による一騎打ちによって結果を決めたいと思います!騎馬を組んでください!!」
ホイッスルが鳴り、目を合わせながら距離を詰めていく。気迫でも負けるわけにはいかない。もともとの相手の攻め方は押し合いに持ちこんで、力でねじ伏せるタイプだ。俺が主に負ける理由は体力不足だ。だからこそ、この体力をほぼ使い切った状態では相手に好都合なはずだ。相手もそう思っているのか若干にやけているのがムカつく。
試合が始まって瞬きも許さない瞬間に俺は、相手のはちまきに触れることができた。だがしかし、相手だって総大将。それにさっきと同じように、簡単に取ることはできない。相手の手を交わし、今度こそ奪いにかかる。
(マウントを取ることができた!攻めればいける!!)
バッていう音と共に、赤組の総大将のはちまきをとることができた。白組から歓声が上がる。しかし取れたとしても、ここで気は抜けない。騎馬が崩れたら点がもらえないからだ。
「両者騎馬を解いてください。…総大将同士の対戦によって、白組に5点追加により35対30で白組の勝利です!!」
白組全体から歓声があがる。超盛り上がった試合になったと思う。クラス席に戻って、皆から祝福を受けた。
「田中―!お前めっちゃつえーじゃん!!おめっとー!!!」
「和樹!お前のおかげで白組勝ったんだからもっと誇れよ」
と晃成や男子からも褒められ、女子からもめっちゃよかったーって褒められた。なんかめっちゃ嬉しい。注目を浴びたけど頑張ったからなのかアドレナリンの過剰放出なのかあんまり恥ずかしいっていう思いはなかった。
「田中君。文化部のわりには結構動きもよかったし、総大将戦でも2勝してるしよかったんじゃない?」
と山下さんから言われるし、そしてなぜか赤組の上谷さんも3組のところにいた。
「田中君、めっちゃかっこよかったよ!おかげで濡れちゃった」
上谷さんにそう言われて、思わず固まってしまった。すみれちゃんからは何もなかったけど、隣にいた池崎さんと田中君かっこよかったねーっていう会話に頷いているのを見れたので満足だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる