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19 アンドリュー第三王子の【スキルツリー】

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 王子は王子で別の理由があってソルを信用することにしたのだ。メリルに貸しを作るというのが最大の理由ではあったが、なによりも彼のスキルは――


【鑑定スキル】


 超稀少な【スキルツリー】の持ち主がここにいた。
 王子の左目に魔法陣のようなものが浮かび上がると、スキルが表示される。もちろん王子にしか見えないのだが――
 

 アーサー・アクアオッジ【交流スキル 派生Lv10maxフェロモン Lv10max動物交流 Lv10max植物交流 LV10max視聴覚貸借 Lv10max身体交流 Lv10max念話 Lv10max通電】

 ウィルフレッド・アクアオッジ【全精霊スキル 派生Lv-全精霊王の愛し児 Lv-双子の絆】

 メリル・アクアオッジ【全魔法スキル 派生Lv2火魔法(New!)(↑LvUp!) Lv1水魔法(New!) Lv1風魔法(New!) Lv1土魔法(New!) Lv1雷魔法(New!) Lv1氷魔法(New!) Lv1光魔法(New!) Lv1闇魔法(New!) Lv-双子の絆】

 ソロモン・ラファラ【隠密スキル 派生Lv3暗殺技術 Lv3毒耐性 Lv3麻痺耐性 Lv3混乱耐性 Lv3魅了耐性 Lv2身体強化 Lv1影入(New!) Lv1言霊強化(New!) Lv-永遠の忠誠(New!)】

 ソロモンという名の俗称がソルである。名前まで丸裸にする【鑑定スキル】恐るべし。派生スキルで嘘を見抜くスキルも持っているので、王子には真実しか通用しない。

 アクアオッジ辺境伯家の者は皆が皆、スキルがこの上なく秀逸だ。何と利用価値の高いことだろう。そう王子は考える。   
 何としても王家にこのアクアオッジ家の血を取り込まねばなるまい。

 これらの鑑定は素早く行われ、憲兵隊長がおずおずと王子の問いに答えた。

「あ……はい。

「ではその男たちの連行及び尋問を行うように」

「はっ!」
 憲兵たちは敬礼すると男たちを連れ、この場を去っていった。


 ぼーっとしていたメリルだったが、一つだけは聞いておかなくちゃとアーサーと向かい合う。
 それだけでアーサーはたじたじとなった。母アドリアナの血を一番色濃く継いでいるのはメリルかもしれない。母には誰も逆らえないのだ。

「アーサー兄さま、コンヤクのこと知ってらしたんですか?」

「……聞いたのはついさっき……なんだよね。ドラゴンに乗ってた時に、アンドリュー第三王子殿下から直接……父上と母上にはまだお会いしていないし」
 どういうつもりで父と母が婚約を承諾したのかは分からなかったけれど、どのみち王命であれば拝命するしかない。拒否など許されないことが分かっているので、メリルにそういう大人の事情を説明しづらいアーサーは言い淀んだ。
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