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11度:初めて記念日(慧目線)
44話
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「実はまだサプライズがあるんです」
俺は密かに用意していたサプライズがもう一つある。
そちらのサプライズの方が、実は緊張している。誰の手も借りずに一人で密かに準備をしたので、そのままの状態を保てているか心配だ。
「そうなの?どんなサプライズなんだろう…」
まだサプライズの中身を知らないのに、とても嬉しそうに喜んでくれる。
その嬉しそうな京香さんを見て、俺はサプライズを用意して良かったと心の底から思った。
「楽しみに待っててください。次の目的地へ行きましょう」
次の目的地はきっと京香さんも落ち着けるはず。だっていつもの俺達の場所だから。
「分かった。次の目的地へお願いします」
リードを任された。ここは期待に応えたい。次のサプライズこそ、一番成功させたいし、喜んでもらいたい。
「はい。任せてください。俺に付いてきてくださいね」
「うん。慧くんに付いていきます」
京香さんが手を差し出してきた。俺は京香さんの手を取り、店を後にした。
*
車に戻り、次の目的地へと向かった。
そう。次の目的地は…。
「目的地へ着きました。最後はココです」
そう。最後の目的地は俺ん家だ。
本当は最初から最後まで豪華なサプライズにしたかったが、半年記念でそれは却って重すぎるのではないかと思い、程々にしておいた。
俺は京香さんと半年お付き合いできただけでも浮かれてしまうくらい嬉しくて。その気持ちがこうやって形として現れている。
それを重い…と思わずに受け止めてくれて。一緒に喜んでくれる。こんなに素敵な彼女とお付き合いできているという事実だけで、俺は毎日が記念日だと思えるくらい幸せだ。
いつか一緒に住みたい。同棲でもいいし、結婚でも…。軽い気持ちで言っていない。京香さんと人生を共に歩んでいきたい。付き合う前からそうしたいと考えていた。
京香さんは違ったかもしれない。俺との将来なんてまだ考えてすらいないかもしれない。
でもいつか考えてもらいたい。少しずつ二人の将来が同じ方向を歩んでいけるように、今は京香さんを大事に愛したい。
「一体、どこに連れて行かれるんだろうかと思ったら、慧くん家だったんだ。今日も慧くん家に来れて嬉しい」
京香さんも俺ん家が落ち着くみたいだ。俺も自分ん家が一番落ち着く。今は事前に用意したサプライズがちゃんと維持されているかが心配である…。
「はい。俺ん家です。どうぞ中へ入ってください」
玄関の扉を開け、お家に京香さんを招く。いつも通り京香さんは、「お邪魔します…」と言ってから、お家の中へと入った。
俺も京香さんの後に続いて、家の中へと入った。
先に京香さんを中へ入れてしまい、焦っている自分がいた。内装がどうなっているのか不安で…。
でも京香さんは先にどんどん中へと進んでいく。リビングの扉に手をかける。俺の心臓はバクバク跳ねる。神様、お願いします。内装がそのままでありますように…。
「わぁ…。すごい……」
京香さんがリビングの中へ入っていくと、事前に用意したサプライズがどうやらそのまま保たれていたみたいだ。
安心した。一気に緊張の糸が解けた。これで安心してまだ残っているサプライズを決行できる。
「これだけじゃないんです。座って待っててください」
俺は冷蔵庫にあるものを取りに向かった。
ここまではなんとかスムーズにサプライズを成功させている。
これが最後のサプライズなので、絶対に成功させたい。
落としたりしてケーキを崩さないように、慎重に冷蔵庫の中から取り出し、リビングまで運ぶ。
なんとか失敗せずに京香さんの元まで運ぶことができた。
「お待たせ致しました。実はケーキも準備してました」
目の前のテーブルの上にケーキを置くと、京香さんは目を大きく見開き、驚いてくれた。
その様子を見て、俺は本当にサプライズをして良かったと思えた。好きな人の喜ぶ顔がこんなにも嬉しいことなんて知らなかった。
これからも京香さんの喜ぶ顔が見たい。喜ばせられるように、京香さんの傍で支えられるように、一人の男として成長したい。
「記念日用に特注で作ってもらいました。どうですかね?」
やり過ぎただろうか。普通に既存のケーキを用意した方が良かっただろうか。
京香さんの反応が気になる。引いていたらどうしようという焦りが募る。
「ありがとう。慧くんの気持ちが嬉しい。私と慧くんだけのケーキなんて特別で。もう一生の宝物だよ」
そう言ってもらえて、彼氏冥利に尽きる。自分の愛情表現を彼女にまっすぐ受け止めてもらえて、最高に幸せだ。
「それはこちらの台詞です。俺と付き合ってくれてありがとう。京香さんが大好きです。これからもよろしくお願いします」
俺の気持ちをまっすぐに伝えると、京香さんは涙を零した。頬に一筋の涙が伝っていく様がとても美しくて。感情を正直に伝えてくれる京香さんの心の綺麗さに、俺はこの人を好きになって良かったと心の底からそう思った。
「こちらこそ色々してくれてありがとう。どのサプライズもしてもらえて嬉しかった。でもね…、」
何か京香さんの地雷を踏んでしまったのだろうか。心の準備を整えながら、京香さんの言葉の続きを待った。
「私も慧くんが大好きだからこそ、次は私も一緒にさせてほしい。こちらこそこれからもよろしくお願いします」
まず京香さんの地雷を踏んでいなかったことに安心した。そして、京香さんの気持ちを知り、俺は一人で暴走していたのだと知った。俺が男だから京香さんをリードしたいという気持ちだけでいっぱいだった。
そっか。京香さんも俺のために何かしたいんだ。相手にどう思ってもらうかだけじゃなく、相手がどう思うかも考えなくてはいけない。これからは二人で一緒にやっていくことを心がけようと誓った。
「そうですね。次は一緒に計画を立てて、一緒に準備をしましょう。その方が二倍楽しめますもんね」
“二人で一緒…“。一番大切なことを見失っていた。どうして見失っていたのだろうか。そんな自分に失望した。
そして同時に今の俺に必要なことを知り、この気持ちを大事にしていきたいと再認識させられた。
だって俺はこれからも京香さんとずっと一緒に居たいから。京香さんにもそう思ってもらえるような人でありたい。
「うん。そうだよ。私はその方が嬉しい」
その言葉を聞いた瞬間、俺は京香さんを抱きしめた。京香さんの気持ちが痛いほど伝わってきた。
これからは一人で暴走しないように気をつけよう。一緒に手を繋いで歩いていきたいから。
「そうですね。俺もその方が嬉しいです」
次の記念日やイベント事は京香さんと一緒に準備をしたい。
何でもかんでも彼氏だからって、完璧でいる必要はない。お互いにないものを補い合っていければいい。
俺もたまには京香さんに甘えてみよう。甘えてもいいということを、今回の記念日で知った。
改めてお互いの愛を確認し合うことができ、更に絆が深まったような気がした。
俺は密かに用意していたサプライズがもう一つある。
そちらのサプライズの方が、実は緊張している。誰の手も借りずに一人で密かに準備をしたので、そのままの状態を保てているか心配だ。
「そうなの?どんなサプライズなんだろう…」
まだサプライズの中身を知らないのに、とても嬉しそうに喜んでくれる。
その嬉しそうな京香さんを見て、俺はサプライズを用意して良かったと心の底から思った。
「楽しみに待っててください。次の目的地へ行きましょう」
次の目的地はきっと京香さんも落ち着けるはず。だっていつもの俺達の場所だから。
「分かった。次の目的地へお願いします」
リードを任された。ここは期待に応えたい。次のサプライズこそ、一番成功させたいし、喜んでもらいたい。
「はい。任せてください。俺に付いてきてくださいね」
「うん。慧くんに付いていきます」
京香さんが手を差し出してきた。俺は京香さんの手を取り、店を後にした。
*
車に戻り、次の目的地へと向かった。
そう。次の目的地は…。
「目的地へ着きました。最後はココです」
そう。最後の目的地は俺ん家だ。
本当は最初から最後まで豪華なサプライズにしたかったが、半年記念でそれは却って重すぎるのではないかと思い、程々にしておいた。
俺は京香さんと半年お付き合いできただけでも浮かれてしまうくらい嬉しくて。その気持ちがこうやって形として現れている。
それを重い…と思わずに受け止めてくれて。一緒に喜んでくれる。こんなに素敵な彼女とお付き合いできているという事実だけで、俺は毎日が記念日だと思えるくらい幸せだ。
いつか一緒に住みたい。同棲でもいいし、結婚でも…。軽い気持ちで言っていない。京香さんと人生を共に歩んでいきたい。付き合う前からそうしたいと考えていた。
京香さんは違ったかもしれない。俺との将来なんてまだ考えてすらいないかもしれない。
でもいつか考えてもらいたい。少しずつ二人の将来が同じ方向を歩んでいけるように、今は京香さんを大事に愛したい。
「一体、どこに連れて行かれるんだろうかと思ったら、慧くん家だったんだ。今日も慧くん家に来れて嬉しい」
京香さんも俺ん家が落ち着くみたいだ。俺も自分ん家が一番落ち着く。今は事前に用意したサプライズがちゃんと維持されているかが心配である…。
「はい。俺ん家です。どうぞ中へ入ってください」
玄関の扉を開け、お家に京香さんを招く。いつも通り京香さんは、「お邪魔します…」と言ってから、お家の中へと入った。
俺も京香さんの後に続いて、家の中へと入った。
先に京香さんを中へ入れてしまい、焦っている自分がいた。内装がどうなっているのか不安で…。
でも京香さんは先にどんどん中へと進んでいく。リビングの扉に手をかける。俺の心臓はバクバク跳ねる。神様、お願いします。内装がそのままでありますように…。
「わぁ…。すごい……」
京香さんがリビングの中へ入っていくと、事前に用意したサプライズがどうやらそのまま保たれていたみたいだ。
安心した。一気に緊張の糸が解けた。これで安心してまだ残っているサプライズを決行できる。
「これだけじゃないんです。座って待っててください」
俺は冷蔵庫にあるものを取りに向かった。
ここまではなんとかスムーズにサプライズを成功させている。
これが最後のサプライズなので、絶対に成功させたい。
落としたりしてケーキを崩さないように、慎重に冷蔵庫の中から取り出し、リビングまで運ぶ。
なんとか失敗せずに京香さんの元まで運ぶことができた。
「お待たせ致しました。実はケーキも準備してました」
目の前のテーブルの上にケーキを置くと、京香さんは目を大きく見開き、驚いてくれた。
その様子を見て、俺は本当にサプライズをして良かったと思えた。好きな人の喜ぶ顔がこんなにも嬉しいことなんて知らなかった。
これからも京香さんの喜ぶ顔が見たい。喜ばせられるように、京香さんの傍で支えられるように、一人の男として成長したい。
「記念日用に特注で作ってもらいました。どうですかね?」
やり過ぎただろうか。普通に既存のケーキを用意した方が良かっただろうか。
京香さんの反応が気になる。引いていたらどうしようという焦りが募る。
「ありがとう。慧くんの気持ちが嬉しい。私と慧くんだけのケーキなんて特別で。もう一生の宝物だよ」
そう言ってもらえて、彼氏冥利に尽きる。自分の愛情表現を彼女にまっすぐ受け止めてもらえて、最高に幸せだ。
「それはこちらの台詞です。俺と付き合ってくれてありがとう。京香さんが大好きです。これからもよろしくお願いします」
俺の気持ちをまっすぐに伝えると、京香さんは涙を零した。頬に一筋の涙が伝っていく様がとても美しくて。感情を正直に伝えてくれる京香さんの心の綺麗さに、俺はこの人を好きになって良かったと心の底からそう思った。
「こちらこそ色々してくれてありがとう。どのサプライズもしてもらえて嬉しかった。でもね…、」
何か京香さんの地雷を踏んでしまったのだろうか。心の準備を整えながら、京香さんの言葉の続きを待った。
「私も慧くんが大好きだからこそ、次は私も一緒にさせてほしい。こちらこそこれからもよろしくお願いします」
まず京香さんの地雷を踏んでいなかったことに安心した。そして、京香さんの気持ちを知り、俺は一人で暴走していたのだと知った。俺が男だから京香さんをリードしたいという気持ちだけでいっぱいだった。
そっか。京香さんも俺のために何かしたいんだ。相手にどう思ってもらうかだけじゃなく、相手がどう思うかも考えなくてはいけない。これからは二人で一緒にやっていくことを心がけようと誓った。
「そうですね。次は一緒に計画を立てて、一緒に準備をしましょう。その方が二倍楽しめますもんね」
“二人で一緒…“。一番大切なことを見失っていた。どうして見失っていたのだろうか。そんな自分に失望した。
そして同時に今の俺に必要なことを知り、この気持ちを大事にしていきたいと再認識させられた。
だって俺はこれからも京香さんとずっと一緒に居たいから。京香さんにもそう思ってもらえるような人でありたい。
「うん。そうだよ。私はその方が嬉しい」
その言葉を聞いた瞬間、俺は京香さんを抱きしめた。京香さんの気持ちが痛いほど伝わってきた。
これからは一人で暴走しないように気をつけよう。一緒に手を繋いで歩いていきたいから。
「そうですね。俺もその方が嬉しいです」
次の記念日やイベント事は京香さんと一緒に準備をしたい。
何でもかんでも彼氏だからって、完璧でいる必要はない。お互いにないものを補い合っていければいい。
俺もたまには京香さんに甘えてみよう。甘えてもいいということを、今回の記念日で知った。
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