すいませんが、この人は自分のものです

アカシア

文字の大きさ
11 / 33

第11話 黒の女神は念入りに準備をする

しおりを挟む
『背水の陣』
一歩もひけないような絶体絶命の状況の中で
——————全力を尽くすこと
失敗すれば絶対に助かることはない
—————追い詰められた状況のこと

◆◆◆

落ち着くのよ澪

「ふぅー、はぁー、よし」

私しかいない家に1つ、深呼吸の音が広がる
お母さんは今週からお父さんの所に行ったから今は居ない
寂しい寂しくないか?って聞かれたらもちろん寂しい気持ちがある
でも、お母さんにも好きな人と一緒に居る時間を作ってあげないとかわいそうですからね

「蒼君はどういう服が好み何だろう?清楚系か可愛い系か」

私は頭の中の蒼君がなんて答えるか考えました

正直、私の意見としては清楚系を着て行きたい
何故なら、お母さんがよく清楚系の服を着ているから、私も清楚系が似合ってると思うから
実際、友達と買い物とか行く時は清楚系で行ってる

「大丈夫、これでたいした成果を得られなくても、チャンスはまた来るはず……」

本当に来るのでしょうか

私の脳内に嫌な考えが浮かんできました
一昨日のハグは私の最大火力でした、それなのに、蒼君には全く効いていない感じでした。
もし、私より魅力的な女性がハグをしたら、蒼君はどんな反応をしたのでしょうか
……いや、考えるのやめよう
まずは楽しまないと

私は邪念を薙ぎ払い、服装について考え始めました

「……これで行来ましょう」

私は、自分の選んだ服に完璧な自信は無かったが、最善を尽くせたと思う

「蒼君はどうだったんだろう」

落ち込んでたら、しっかり励まさないと

「夫を励ますのは妻の役目ですからね」

私は、蒼君の活躍を期待し、今日着ていく服一式をベットの上に置き、蒼君の家で家事をしながら帰りを待ちました

◆◆◆

「はい!」

久則がドリブルで切り込み、自分のマークマンを抜き、カバーとして、おれのマークマンが久則のドリブルを止めようとした。
しかし、久則はそれを見逃さなかった
――おれの眼の前に大きなスペースがあることを

久則はおれのいるコーナーに完璧にパスを出してくれた

完璧すぎっしょ

久則のパスに感心しながら、シュートを撃った
おれの放ったシュートは綺麗な弧を描きながら、リングに吸い込まれていった

「「「「「ひいーらぁぎ蒼はスリーの名産地ー」」」」」

ベンチにいた先輩方が盛り上げてくれるお陰で、自然と流れがこっちに来る
先輩方が盛り上げてくれたお陰で、おれらは流れをずっと渡さず、一方的な試合展開だった。
それのお陰で、おれの個人成績も良かった



「蒼、お前調子乗るなよ」
「え~、何が~」
「時すでに遅し」

おれは10分プレイタイムをもらえ、スリー4本を沈め、それ以外のシュートもしっかりと決め18点
ディフェンスもうまく行ったシーンもあったので、アピールとしては最高の出来だったと思う

「いやー、自分でも驚くほどの完璧具合だよ」
「うぜー」
「1年生集合」
「はい!」

監督からの急な集合により、おれ達の雑談は強制的にストップされた

「えー、まぁ、相手を圧倒できたところも、素晴らしかっし、ディフェンスも点差がついてたのに、緩めず、逆に、更に厳しくしたのが素晴らしい、だが、1クォーターに出た5人も、2クォーターに出た5人、後半の得点ペースが落ちたな、確かに、1、2クォーター両方とも、速攻がたくさんあったから、疲れたのもわかる、まぁ、まだ時間はあるから、体力はつけとくように、後、今後も、練習試合のたびに、1年生ゲームがあるかもしれないから、次の相手も圧倒できるように、更にレベルアップしていこう」
「はい!」
「出なかった1年生は、次の1年生ゲームに出すから、準備しとけよ」
「はい!」
「よし……おーい、次はお前らだぞ」

そして、無事練習試合が終わり、急いで、帰る準備をした
いつもは自主練をするのだが、澪が待っているので、それどころではない

「お疲れ様でした」

そして、おれは体育館を後にした。

「蒼、……、帰る…早く…」
「それな、いつ……自主……するのに、今日……はしてないな」
「怪し……」
「だったら、おれ等で………きんぐしね?」
「それだ」

もし、おれの聴力がキモいほどあれば、この会話を詳しく聞けたのかもしれない
もし、おれの聴力がキモいほどあれば、楽しかった買い物を100%楽しめたのかもしれない

「澪、待った?」
「大丈夫です、私も、さっきまでは家事をしていましたから」
「わかった、じゃあ着替えてくる」
「私も家に帰って着替えてきます」
「あいよ」


「さぁ、どうしようか」

おれは今、何をしているかと言うと
今日の買い物中、澪に対してどんな攻撃をするか頭をフル稼働させながら考えていた

まずは服を褒める所からだな、これは女子と一緒にどこか行く上で基本中の基本だろ

そして、おれは澪が着て来そうな服を妄想した
……別にキモイ事じゃないでしょ
男だったら自分の好きな人、自分の推しがどんな服で来るんだろう、とか妄想した事ぐらいあるだろ

そんな事を思いながら着替え終え
玄関を開けた


そして、おれの眼前には、正しく女神様のように美しく綺麗な人物がいた

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

隣人はクールな同期でした。

氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。 30歳を前にして 未婚で恋人もいないけれど。 マンションの隣に住む同期の男と 酒を酌み交わす日々。 心許すアイツとは ”同期以上、恋人未満―――” 1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され 恋敵の幼馴染には刃を向けられる。 広報部所属 ●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳) 編集部所属 副編集長 ●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳) 本当に好きな人は…誰? 己の気持ちに向き合う最後の恋。 “ただの恋愛物語”ってだけじゃない 命と、人との 向き合うという事。 現実に、なさそうな だけどちょっとあり得るかもしれない 複雑に絡み合う人間模様を描いた 等身大のラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

処理中です...