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2 美しい
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「まさか“ラウス”か?」
私だけでなくフィンも相当驚いたようで目を見開いていた。
ディフェウスは目の前にいる淡い色をした髪に整った容姿、宝石のような青い目に華奢なやせた体をした少年に目を奪われていた。
店主に挨拶を促された少年は少しの戸惑いの表情を見せた
「初めまして。ニクスと申します。」
すると王子は
少し目を細め、
「彼は不法入国者だな?ラウスの少年など我々の耳にはいっていない」
とわずかにトーンの落ちた冷静な声で店主に問う
「申し訳ございません。彼は少し前ガレヴァーユ王国からの輸入船の荷物の中に紛れていたところを仲間が発見したところかなり衰弱していたようなので少しの間かくまっておりました。そして、動けるまでに回復したところで不法入国でしたので国に送り返そうとしたところ激しい抵抗の末、過呼吸までおこし倒れてしまったのでなにか事情があるのではと本日お越しいただく予定であったあなた様方に確認しようと思っておりました。」
と店主はその時の様子とともに私たちに話をする中、彼がわずかに震えながら立っていることに気が付いた。
普段なら自分から話しかけるなどしないが、
その時すでに私は彼にとらわれていたのかもしれない。
「君はどうして荷物の中になど隠れていたんだい?」
いつもよりも穏やかな声を出す自分に王子でさえも驚いていた。
しかしニクスという少年は口を開こうとしなかった。
頑なに事情を話そうとせず何も聞き出せなかった。王子は不法入国ではあったが害のない人間と判断しこの国に滞在することを許可したところで我々はかえることとなった。
「彼はガレヴァーユ王国出身とみて間違いないだろう」
「そうだな、ガレヴァーユは貧富の差が激しいと聞く。ひどく痩せていたし飢えに耐え切れずに逃げてきたのかもしれない。」
「そうかもしれないな。私はとりあえず城に帰って申請をしてくるよ。」
「わかった。じゃあ私は騎士団へ帰るとしよう。」
そう言って私たちは城についたところで別れた。
この時の私たちは彼の抱えている事情がそんな簡単なものではないということを知る由もなかった。
------
三日後、ニクスのことが気になっていたディフェウスは仕事の合間に宝石店を訪ねていた。
「おや、ディフェウスさん。いらっしゃいませ。珍しいですね、あなたが宝石を見に来るなんて。」
「いや、宝石を見に来たわけではない。ニクスはいるか?」
「はい。上におります。」
そう聞くとディフェウスは店の奥へと足を向けた。
扉を開けると上へと続く階段があり音を殺して上がっていく。
二階にたどり着くとそこには本を広げたまま机の上で眠っているニクスの姿があった。
こうしてみてみると肌は焼けておらず雪のように白く、まつげも長い。美しいとは彼のことを表すのだろうと納得させられる。
観察していると彼の瞼がわずかに震え青い瞳に光が差した。
まだぼんやりとして焦点が合っていない目に私が映り込んだとたん彼の目が大きく見開いて
「申し訳ございません!」
とすぐに椅子からおり震える体で頭を床に擦り付けなんども謝り始めた。
その様子から自分ではない何かに恐怖を抱いているようにみえたディフェウスはわけもわからずいそいで少年を起こした。
「大丈夫だ。私はそなたに危害は加えない。怖がらなくていい。」
とディフェウスはまた柄にもなく落ち着かせ始めた。
少年は初めはうつろな目で私を見ていたがだんだん視界がはっきりしてくると落ち着きを取り戻し始めた。
「えっ…ディフェウスさん……?」
「あぁ、そうだ。よく覚えていたな。だいじょうぶか」
「はい…取り乱してしまいすみません」
「いや。問題ない。だがどうして取り乱したりしたんだ?そのことを私にはなしてはくれないか」
怯えさせないようできるだけ優しい声で問うがやはりニクスは手を震わせ口を閉ざしてしまった。
「話したらどうだい?ニクス」
と店主のカイルが気が付けば後ろに立っていた。
「昨日は私には泣きながらだが話してくれたじゃないか。この人は私も信頼している人だから話しても大丈夫だと思うよ。」
「カイルはニクスの事情をきいたのか?」
「はい。昨日少しだけではありますが話をしてくれました。ですが…」
とカイルが言葉を詰まらせる
「私ごときがどうにかできるお話ではありません」
それはどういうことだろうか。私には話してくれないのだろうかと心配になる。
下におりますとカイルは階段を下りて行った。
少しの静寂に包まれるなかディフェウスは口を開いた。
「そういえば、自己紹介をしていなかったね。私は第一騎士団の騎士団長を務めているディフェウス・マジェルだ。」
するとニクスは急に顔を上げ
「あなたが……。」とつぶやくと、なぜか安心した表情をディフェウスに向けたのだ。
私だけでなくフィンも相当驚いたようで目を見開いていた。
ディフェウスは目の前にいる淡い色をした髪に整った容姿、宝石のような青い目に華奢なやせた体をした少年に目を奪われていた。
店主に挨拶を促された少年は少しの戸惑いの表情を見せた
「初めまして。ニクスと申します。」
すると王子は
少し目を細め、
「彼は不法入国者だな?ラウスの少年など我々の耳にはいっていない」
とわずかにトーンの落ちた冷静な声で店主に問う
「申し訳ございません。彼は少し前ガレヴァーユ王国からの輸入船の荷物の中に紛れていたところを仲間が発見したところかなり衰弱していたようなので少しの間かくまっておりました。そして、動けるまでに回復したところで不法入国でしたので国に送り返そうとしたところ激しい抵抗の末、過呼吸までおこし倒れてしまったのでなにか事情があるのではと本日お越しいただく予定であったあなた様方に確認しようと思っておりました。」
と店主はその時の様子とともに私たちに話をする中、彼がわずかに震えながら立っていることに気が付いた。
普段なら自分から話しかけるなどしないが、
その時すでに私は彼にとらわれていたのかもしれない。
「君はどうして荷物の中になど隠れていたんだい?」
いつもよりも穏やかな声を出す自分に王子でさえも驚いていた。
しかしニクスという少年は口を開こうとしなかった。
頑なに事情を話そうとせず何も聞き出せなかった。王子は不法入国ではあったが害のない人間と判断しこの国に滞在することを許可したところで我々はかえることとなった。
「彼はガレヴァーユ王国出身とみて間違いないだろう」
「そうだな、ガレヴァーユは貧富の差が激しいと聞く。ひどく痩せていたし飢えに耐え切れずに逃げてきたのかもしれない。」
「そうかもしれないな。私はとりあえず城に帰って申請をしてくるよ。」
「わかった。じゃあ私は騎士団へ帰るとしよう。」
そう言って私たちは城についたところで別れた。
この時の私たちは彼の抱えている事情がそんな簡単なものではないということを知る由もなかった。
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三日後、ニクスのことが気になっていたディフェウスは仕事の合間に宝石店を訪ねていた。
「おや、ディフェウスさん。いらっしゃいませ。珍しいですね、あなたが宝石を見に来るなんて。」
「いや、宝石を見に来たわけではない。ニクスはいるか?」
「はい。上におります。」
そう聞くとディフェウスは店の奥へと足を向けた。
扉を開けると上へと続く階段があり音を殺して上がっていく。
二階にたどり着くとそこには本を広げたまま机の上で眠っているニクスの姿があった。
こうしてみてみると肌は焼けておらず雪のように白く、まつげも長い。美しいとは彼のことを表すのだろうと納得させられる。
観察していると彼の瞼がわずかに震え青い瞳に光が差した。
まだぼんやりとして焦点が合っていない目に私が映り込んだとたん彼の目が大きく見開いて
「申し訳ございません!」
とすぐに椅子からおり震える体で頭を床に擦り付けなんども謝り始めた。
その様子から自分ではない何かに恐怖を抱いているようにみえたディフェウスはわけもわからずいそいで少年を起こした。
「大丈夫だ。私はそなたに危害は加えない。怖がらなくていい。」
とディフェウスはまた柄にもなく落ち着かせ始めた。
少年は初めはうつろな目で私を見ていたがだんだん視界がはっきりしてくると落ち着きを取り戻し始めた。
「えっ…ディフェウスさん……?」
「あぁ、そうだ。よく覚えていたな。だいじょうぶか」
「はい…取り乱してしまいすみません」
「いや。問題ない。だがどうして取り乱したりしたんだ?そのことを私にはなしてはくれないか」
怯えさせないようできるだけ優しい声で問うがやはりニクスは手を震わせ口を閉ざしてしまった。
「話したらどうだい?ニクス」
と店主のカイルが気が付けば後ろに立っていた。
「昨日は私には泣きながらだが話してくれたじゃないか。この人は私も信頼している人だから話しても大丈夫だと思うよ。」
「カイルはニクスの事情をきいたのか?」
「はい。昨日少しだけではありますが話をしてくれました。ですが…」
とカイルが言葉を詰まらせる
「私ごときがどうにかできるお話ではありません」
それはどういうことだろうか。私には話してくれないのだろうかと心配になる。
下におりますとカイルは階段を下りて行った。
少しの静寂に包まれるなかディフェウスは口を開いた。
「そういえば、自己紹介をしていなかったね。私は第一騎士団の騎士団長を務めているディフェウス・マジェルだ。」
するとニクスは急に顔を上げ
「あなたが……。」とつぶやくと、なぜか安心した表情をディフェウスに向けたのだ。
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