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「騎士団ではたらかないか?」
その言葉にニクスは虚を突かれたように固まる。
「……騎士団ですか?」
「あぁ、そこで入団したばかりの者たちと書類整理といった雑用にはなるが働かないか?寮に一部屋余っているからそこに住めばいい。もちろん賃金も出そう。」
ニクスにとっては都合がよすぎる条件だった。ニクスにとってここは異国。単身わたってきた身として、住む場所も
なければお金も、服も食べ物も何もかもないのだ。このままカイルのお世話になっているのも気が引けてしまう。こんな状況であれば誰しもが食いつくだろう。しかし、ニクスにはそれはできなかった。
「それでは…騎士団の皆様に迷惑になります。」
「どういうことだ?」
「私は何の知識も技術もなければ戦うすべもなく、異国から不法に入国してきた者なのです。日々努力を積み重ね騎士団にお入りになられた皆様のお顔が立ちません。」
ディフェウスは騎士団のことを何よりも大切にしていた。彼らのことも考えたうえでの理由に好感を抱く。
「何も迷惑なことはない。事情を知った彼らなら受け入れてくれる。」
ディフェウスから見ても彼らは情け深く、仲間思いだ。
しかしニクスの表情はいっこうに晴れない。
おそらく一番の理由であろう言葉を口にする。
「僕はネフウス王の奴隷でした。こんなけがれた身を受け入れてくれるはずはありません。それに彼は僕のことを探しています。もしも居場所がばれて…騎士団の皆様に手が加えられるようなことがあれば……僕は耐えられません。」
「君は私たちをみくびっているのか?」
わずかにニクスの肩が上がる。
「私たちは日々の訓練を怠らずいつでも戦えるように準備している。国もまとめられていない王の手下など相手ではない。もしばれるようなことがあっても必ず守り抜こう。」
これは慰めではない、真実なのだ。
「彼らでなくとも私が守ってやる。」
少しだけ重い沈黙が流れる。
そこへ、カイルが戻ってきた。
「一息ついたらどうですか?」
そういって気づけばカイルがディフェウスが持ってきていたラックと紅茶をお盆にのせてきていた。
「ニクスはラックを食べたことはあるか?」
「…………いえ……。」
「食べてみるといい。町でも人気の焼き菓子だ。」
しかしニクスの手は膝から降りようとせず固まったままだ。
「私もディフェウスさまのご提案に賛成ですよ。ニクスのことを考えればこの国で一番安全なのは騎士団でしょう。こんなちっぽけな宝石店などもろくてしょうがない。襲われたらひとたまりもありませんよ。」
聞き方によってはここにいては困るという風に聞こえるかもしれないが、これはカイルの優しさなのだろう。
ニクスは前者ととったのかもしれない。顔をあげカイルのほうを見る。
「今すぐにきめなくてもいい。そうだな、また三日後にくる。その時返事を聞かせてもらえるか?」
まだ迷いがあるであろうニクスはわずかだがうなずいてくれた。
そういってディフェウスは席を立つ
「では、私はここで戻ろう。」
そう言い残し騎士団への帰途につく。
その言葉にニクスは虚を突かれたように固まる。
「……騎士団ですか?」
「あぁ、そこで入団したばかりの者たちと書類整理といった雑用にはなるが働かないか?寮に一部屋余っているからそこに住めばいい。もちろん賃金も出そう。」
ニクスにとっては都合がよすぎる条件だった。ニクスにとってここは異国。単身わたってきた身として、住む場所も
なければお金も、服も食べ物も何もかもないのだ。このままカイルのお世話になっているのも気が引けてしまう。こんな状況であれば誰しもが食いつくだろう。しかし、ニクスにはそれはできなかった。
「それでは…騎士団の皆様に迷惑になります。」
「どういうことだ?」
「私は何の知識も技術もなければ戦うすべもなく、異国から不法に入国してきた者なのです。日々努力を積み重ね騎士団にお入りになられた皆様のお顔が立ちません。」
ディフェウスは騎士団のことを何よりも大切にしていた。彼らのことも考えたうえでの理由に好感を抱く。
「何も迷惑なことはない。事情を知った彼らなら受け入れてくれる。」
ディフェウスから見ても彼らは情け深く、仲間思いだ。
しかしニクスの表情はいっこうに晴れない。
おそらく一番の理由であろう言葉を口にする。
「僕はネフウス王の奴隷でした。こんなけがれた身を受け入れてくれるはずはありません。それに彼は僕のことを探しています。もしも居場所がばれて…騎士団の皆様に手が加えられるようなことがあれば……僕は耐えられません。」
「君は私たちをみくびっているのか?」
わずかにニクスの肩が上がる。
「私たちは日々の訓練を怠らずいつでも戦えるように準備している。国もまとめられていない王の手下など相手ではない。もしばれるようなことがあっても必ず守り抜こう。」
これは慰めではない、真実なのだ。
「彼らでなくとも私が守ってやる。」
少しだけ重い沈黙が流れる。
そこへ、カイルが戻ってきた。
「一息ついたらどうですか?」
そういって気づけばカイルがディフェウスが持ってきていたラックと紅茶をお盆にのせてきていた。
「ニクスはラックを食べたことはあるか?」
「…………いえ……。」
「食べてみるといい。町でも人気の焼き菓子だ。」
しかしニクスの手は膝から降りようとせず固まったままだ。
「私もディフェウスさまのご提案に賛成ですよ。ニクスのことを考えればこの国で一番安全なのは騎士団でしょう。こんなちっぽけな宝石店などもろくてしょうがない。襲われたらひとたまりもありませんよ。」
聞き方によってはここにいては困るという風に聞こえるかもしれないが、これはカイルの優しさなのだろう。
ニクスは前者ととったのかもしれない。顔をあげカイルのほうを見る。
「今すぐにきめなくてもいい。そうだな、また三日後にくる。その時返事を聞かせてもらえるか?」
まだ迷いがあるであろうニクスはわずかだがうなずいてくれた。
そういってディフェウスは席を立つ
「では、私はここで戻ろう。」
そう言い残し騎士団への帰途につく。
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