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25 陸
「陸~!」
「コンちゃん!」
ふくふくになった陸が駆け寄ってきた。
う~ん、可愛い…
服もちゃんとセーターにジャンパー、季節感もあってるしサイズも合っている。でも、陸には似合ってないな~という古着を着ている
箱アルの設定と同じように、お花畑な母親は倫理観ぶっ飛びの男と再婚した。それによって、衣食住の衣と食が欠けていた陸の生活も一変、児相案件ではなくなった。でも、私個人の見解ではまだまだネグレクト案件だ。
「陸にはグリーンとかの方が似合うよ?」
「え~、じゃぁ今度一緒に選んでよ」
お金渡しゃ何とかなるのは、もう少し大人になってからだっつーの。αでも子供は子供なんだよ。
「おう、目指し帽被ってて良ければね」
それはちょっと…と陸が笑う。以前より明るく笑うようになったし、私に対して少しわがままを言うようにもなってきた。良い変化だ。
しかし…寒いな。
防犯カメラ対策とはいえ、真冬の河原の橋の下での勉強会は中々キツイものがある。
「はい」
陸が熱々のハーブティーを紙コップにいれて渡してくれた。手を温めてね、そんな気遣いが伝わってくる。
「コンちゃん。やっぱり図書館とかで……」
おずおずと陸が言う
「駄目に決まってんでしょが!い~い?京極に見つかったらどうなると思ってんのよ!寒さなんて押しくら饅頭でもすりゃ吹っ飛ぶわよ!」
押しくら饅頭……陸がポっと頬を赤らめた。
あ、あらら…そうか。陸ももう小6。少しづつそういうのも考えちゃうお年頃かぁ。
とはいえ、
「100年早い」
デコピンすると、頬をぶ~と膨らませた。
……あの子もそういうお年頃になったんだろうな。
いや、あの子は陸よりもませていた。
『待って!君だろう!?』
そう叫んだのだから、運命というものが何なのかを理解していた。
あの子も今頃は陸のように、誰かに赤らめているのだろうか。………私ではない誰かに、心奪われてるのだろうか。
陸が私の袖口を引っ張った。
「コンちゃん……」
不安そうな顔。
私が今、陸ではない人を思い浮かべている事を察したのだろう。
心が離れる≒捨てられる
陸はそう思っている。
内心で舌打ちした。
上位αと親しくなって家に帰らなくなった兄。妻がいなければネグレクトする父…あのクソ肉親どもが。陸にトラウマを植え付けやがって!
陸には友達が増えた。当たり前だ。こんなにもイイコだ。絆されるコが続出するに決まっている。
それでも、陸に惹かれて来たコ全てがずっと側にいるわけではない。
友達なんて、人間関係なんてそういうものだ。
友達の一人が離れた事に、陸は過度に取り乱した。それを諭すのは骨が折れた。
人間関係は利害関係で成り立っているのだ。別にそれは分かりやすい有形のものだけじゃない。プライドだのなんだのといった自分の心地良さ、無形の利害だって発生するのだ。
貴方が悪いんじゃない、去っていった人より今側にいる人を見なさいと。
自分が悪いというなら、陸の側にいる私はなんなのか。
悪い貴方が好きな変人だというのか、陸が自分を卑下する事は私の価値も落としていると分かっているのか
そう言い続けた。
納得はしていないのだろう、けれど、私を貶めると言われればもう何も言えない。
だから、陸は私の袖をきゅっと掴む。それ位しか出来ない。
私が以前のように二人で出歩かなくなったことも不安の原因だろう。
いつ去ってしまうのか、ずっと怯えていた
「嫌われた?」「俺と一緒にいるのが恥ずかしい?」そう悩んで凹んでいた。「コンちゃんも去ってしまうの?」と
陸はまだまだ自己肯定感が低い。
だから、伝えた。
貴方が悪いんじゃない。
ただ、ここが箱アルの世界で、将来陸が京極と言う最凶な輩の番になって、陸の友達は陸から離れざる得ない事になるから、見つからないようにしたいんだと、そう伝えた。
………信じてはくれてないようだけど。
でも、私のその意見は尊重をしてくれていて、会う場所が図書館から橋の下に変わっても文句は言わないでくれている。
陸の手を握り返して言う
「そんな、不安そうな顔、しなさんな」
安堵したまだまだ子供の手を見ながら、想いはやっぱりあの子へとつながる。
今頃、どうしているのだろうか…私の運命
「コンちゃん!」
ふくふくになった陸が駆け寄ってきた。
う~ん、可愛い…
服もちゃんとセーターにジャンパー、季節感もあってるしサイズも合っている。でも、陸には似合ってないな~という古着を着ている
箱アルの設定と同じように、お花畑な母親は倫理観ぶっ飛びの男と再婚した。それによって、衣食住の衣と食が欠けていた陸の生活も一変、児相案件ではなくなった。でも、私個人の見解ではまだまだネグレクト案件だ。
「陸にはグリーンとかの方が似合うよ?」
「え~、じゃぁ今度一緒に選んでよ」
お金渡しゃ何とかなるのは、もう少し大人になってからだっつーの。αでも子供は子供なんだよ。
「おう、目指し帽被ってて良ければね」
それはちょっと…と陸が笑う。以前より明るく笑うようになったし、私に対して少しわがままを言うようにもなってきた。良い変化だ。
しかし…寒いな。
防犯カメラ対策とはいえ、真冬の河原の橋の下での勉強会は中々キツイものがある。
「はい」
陸が熱々のハーブティーを紙コップにいれて渡してくれた。手を温めてね、そんな気遣いが伝わってくる。
「コンちゃん。やっぱり図書館とかで……」
おずおずと陸が言う
「駄目に決まってんでしょが!い~い?京極に見つかったらどうなると思ってんのよ!寒さなんて押しくら饅頭でもすりゃ吹っ飛ぶわよ!」
押しくら饅頭……陸がポっと頬を赤らめた。
あ、あらら…そうか。陸ももう小6。少しづつそういうのも考えちゃうお年頃かぁ。
とはいえ、
「100年早い」
デコピンすると、頬をぶ~と膨らませた。
……あの子もそういうお年頃になったんだろうな。
いや、あの子は陸よりもませていた。
『待って!君だろう!?』
そう叫んだのだから、運命というものが何なのかを理解していた。
あの子も今頃は陸のように、誰かに赤らめているのだろうか。………私ではない誰かに、心奪われてるのだろうか。
陸が私の袖口を引っ張った。
「コンちゃん……」
不安そうな顔。
私が今、陸ではない人を思い浮かべている事を察したのだろう。
心が離れる≒捨てられる
陸はそう思っている。
内心で舌打ちした。
上位αと親しくなって家に帰らなくなった兄。妻がいなければネグレクトする父…あのクソ肉親どもが。陸にトラウマを植え付けやがって!
陸には友達が増えた。当たり前だ。こんなにもイイコだ。絆されるコが続出するに決まっている。
それでも、陸に惹かれて来たコ全てがずっと側にいるわけではない。
友達なんて、人間関係なんてそういうものだ。
友達の一人が離れた事に、陸は過度に取り乱した。それを諭すのは骨が折れた。
人間関係は利害関係で成り立っているのだ。別にそれは分かりやすい有形のものだけじゃない。プライドだのなんだのといった自分の心地良さ、無形の利害だって発生するのだ。
貴方が悪いんじゃない、去っていった人より今側にいる人を見なさいと。
自分が悪いというなら、陸の側にいる私はなんなのか。
悪い貴方が好きな変人だというのか、陸が自分を卑下する事は私の価値も落としていると分かっているのか
そう言い続けた。
納得はしていないのだろう、けれど、私を貶めると言われればもう何も言えない。
だから、陸は私の袖をきゅっと掴む。それ位しか出来ない。
私が以前のように二人で出歩かなくなったことも不安の原因だろう。
いつ去ってしまうのか、ずっと怯えていた
「嫌われた?」「俺と一緒にいるのが恥ずかしい?」そう悩んで凹んでいた。「コンちゃんも去ってしまうの?」と
陸はまだまだ自己肯定感が低い。
だから、伝えた。
貴方が悪いんじゃない。
ただ、ここが箱アルの世界で、将来陸が京極と言う最凶な輩の番になって、陸の友達は陸から離れざる得ない事になるから、見つからないようにしたいんだと、そう伝えた。
………信じてはくれてないようだけど。
でも、私のその意見は尊重をしてくれていて、会う場所が図書館から橋の下に変わっても文句は言わないでくれている。
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「そんな、不安そうな顔、しなさんな」
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