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序章 どうやら異世界に行くようです。

私の人生

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「お先に失礼します」

同僚に声をかけ、席を立つ。


会社の玄関を出ると冷たい空気が頬をなでる。


ほぅ…


息を吐くと白い。

明日はクリスマスイブだというのに今年も予定はない。


30半ばにしてここ数年は独り身で寂しく過ごしているのだが、今年も変わらずである。


私の人生、不幸だとは思わないが幸せだとも思えず、ただただ目的もなくなんとなく過ごしているにすぎない。



…ダメだ。
思考が暗くなる。
美味しいものでも食べよう。


今年も1人でケーキでも食べようとお気に入りの洋菓子店に入り2つケーキを選ぶ。

断じて見栄ではない。
今日の分と明日の分。
25日は何もなし。


ただ好きなケーキを食べたいだけ。




そうして少しだけ浮上し、いい気分で自宅へと足を向けた。

あと横断歩道を1つ渡り角を曲がれば到着というところで突然足元が光った。



「え…?」




光ったと思った瞬間に強烈な眩暈に襲われ、私の意識は遠のいていった。
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