神様の転生のお供に選ばれまして ~異世界転生したら溺愛されるなんて聞いてません~

ものぽりー

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神様のお願いとは。

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 天帝さんがそばにいてはいつまでも落ち着かないため、私の心が落ち着くまで天帝さんを廊下に立たせて(首根っこ掴んで追い出しましたがなにか?)顔の熱が引いたところでドアを開ける。


 天帝さんは廊下に座り込んで、壁にもたれかかりながら枝毛を探していた。
 女子高生か。
 そんな輝くキューティクルで枝毛なんか見つからないだろうに、まさに暇つぶしですね。



「天帝さん、お待たせしました」
「うん、待った」


 嫌味か。

 というか周りが汚すぎてなかなか落ち着かなかったのも一因だから、あなたのせいです。
 口をとがらせるのやめなさい、あざと可愛いから。






「それで、結局私に頼みたいことってなんですか?」

 この部屋の掃除よりも優先される頼み事なんて、この世に存在しないような気がするんだけど…。



「うん。愛瑠にはね、僕の転生のお供としてついてきてほしいんだ」
「…………おとも…?」


 というか神様も転生するんだ…。



「神って忙しいし、休みもないんだけどね。そろそろ休暇とらないと僕は精神的に死にそうなんだ」
「休みあるんですか無いんですか」
「死にそうな場合は緊急休暇というのが与えられるんだよ」





 立ち話もなんだからと座るよう促されたのは、また何故天界に…と思うミカン箱。
 ちなみに部屋の中には座る場所など確保できそうになかったので、廊下に段ボールを引っ張り出してきた。
 中身は、読み終わったけどお気に入りの話があって捨てられない週刊マンガ雑誌らしい。

 …単行本持ってるなら捨てていいじゃん…だからここは汚部屋なんだよ…。


 一応椅子を要求したものの、腐海の奥で眠りについてるらしいので、仕方なく段ボール箱に腰を下ろす。
 天帝さんも目の前にリンゴの箱を引っ張り出してきて腰を下ろす。

 見た目が究極のイケメンなだけに、廊下でリンゴ箱に座って長い足を組む光景は最高にシュールだった。



「あのね、神には基本寿命はないんだ」
「長生きなんですね」
「でも『退屈は人を殺せる』って言うように、神も退屈が原因で、脳が本当に腐って溶けて死ぬんだよ」
「いきなりグロい事実暴露しないでくださいよ。心の準備させてください」
「毎日仕事漬けだと、カラダは忙しいけど、脳は単調な作業に退屈を覚えるからね。案外すぐ死ぬんだ」
「そんな日本人以上の社畜ぶりなら、まぁ死にたくなりますよね」
「でも僕は天帝だ。簡単に死んでは周囲が困るからね。『楽しみ』として、いろいろ与えられたんだけど。たまたまマンガやゲームが一番合っていたんだ」
「あなた小学生みたいなお手軽な人(?)なんですね」
「これでも結構長く生きてるから、その年月の分、マンガもゲームも溜まる一方だったんだ」


 そこからは日本のマンガの面白さやアニメ文化の素晴らしさを1時間ほど語られた。
 今まさに、私の脳が溶けて死にそうだ。
 少なくとも確実に目は死んでいたと思う。







「というわけで、僕も死なないように必死で、その結果がこの部屋なんだ」

 語りつくして満足したとばかりに輝かしい笑顔で、神様はこの汚部屋に至った経緯についてそう締めくくった。
 死なないように必死だったというより、本当にただの趣味だろうと思った私は悪くない。


「ここにあるものは今まで僕を生かしてくれたけど、それでもやっぱり飽きはくる。最近は本格的にマズいと側近たちが思ったようでね。緊急休暇を提案してきたんだ」


 緊急休暇とは、重役につく神様だけに与えられる延命措置らしい。
 心行くまで楽しんで、心をリフレッシュさせて………って、ただのバカンスだね。
 

「休暇の期間は100年程。そこで何をしようか悩みに悩んでいる最中に、偶然君を見つけたんだ」
「はぁ…そうですか…」

 天帝さんはニコニコととても嬉しそうな様子で手を広げた。
 たいへん無邪気で可愛らしい…。
 けど、なんとなく悪い予感…?




「僕がいま一番ハマっているゲーム。『モンスターハンティング』にでてくる頼もしくも愛らしい、『オトモ・アイル』と同じ名前を持つ君と転生して、一緒に狩りに出たらそれはもう面白いだろうなと!」
「だが断る」


 全力の笑顔で拒否した。





*もちろんモデルはあのゲームです
 
 
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