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じゃぱねっとてんてい。
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天帝さんは、なぜ提案を断わられたのかわかりません、と心底不思議そうにきょとんとしていた。
いやなぜわからないのか、こっちのほうが不思議です。
「あれって、仲間と一緒に一狩り行こうぜ!なゲームでしたよね」
「そうだよ、モンスターをハントするゲームだよ?」
「天帝さん。私生前、ごく一般的な運動神経しかもたない、ごく一般的な思考の女子大生だったんです」
「うん。ちょっと天然で、ちょっと人に話しかけられるのが恥ずかしくて苦手で、将来の夢は猫に囲まれた生活な動物好きの、口が時々悪いけど真面目で素直でかわいい鈍感な警戒心の強い小動物属性の女子大生だったね?」
「なんで私の将来の夢知ってるんですか⁉」
急に私のひそかな野望までつらつらと語られて、頬が熱くなる。
納得いかない内容も混ざってたけど…、でもなんで知ってるの⁈
「僕だって、ただ名前が『オトモ・アイル』と同じだからっていう理由だけで君を選んだんじゃないよ。君が君だから、一緒に過ごしたら楽しいし癒されるだろうなと思って選んだんだ」
まさかのストーカー疑惑に慌てふためき、段ボールの陰に必死で隠れる私をじーっと眺めながら、そんな口説き文句のようなことを恥ずかしげもなく口にしちゃう天帝さんは、もう本当にちょっと黙っててほしいという私の望みこそを知るべきだと思う。
「動物好きだった君なら、モンスターに囲まれた生活に喜んでついてきてくれると思ったんだけど…嫌だった…?」
「動物は大好きですが、あんな世界に転生したらすぐに食べられてお終いです!私が好きなのは、安全にもふもふできる癒しの存在であって、モンスターに囲まれたスリリングな生活ではありません。狩らねば喰われる前提のモンスターに囲まれて喜ぶという考えがズレてます」
「そっかぁ…」
しょんもりする天帝さんは、お母さんに叱られた2歳児のような素直さだ。
あなたの方が私なんかよりよっぽど素直ですよ!ホント薄汚れた大人でごめんなさいね!
でも言っておくが、私は平凡そのものだ。
自分でいうのもなんだが、ゾンビ映画なら最初に感染死亡する役だろうし、推理ものなら最初の犠牲者役がぴったりな、そんなポジションが似合う存在だ。
つまり記念すべき初のハントで、開始直後に初心者向けモンスターに食べられて人生終了な未来しか見えない。
誰が好き好んでそんな世界に転生したいと思うのか?
断固拒否の姿勢を崩さない私に対し、リンゴ箱の上で膝を抱えて落ち込んでいた天帝さんは、急に『ひらめいたっ!』とばかりの輝かしい笑顔で顔を上げた。
「じゃあ、魔獣はいるけど基本関わらなくていい世界にするよ!そこでとりあえず魔法と剣とモンスターに慣れてもらって、その世界で死んだあとにモンスターハントの世界に一緒に転生しよう!」
「なんで生まれ変わる前から次死んだときのこと考えなきゃいけないんですか⁈ しかも『基本関わらない』って言いながら、絶対かかわりに行く気ですよね⁉」
「これでもダメ? じゃあ今なら、ペットに大人しい性格のもふもふもつけるよ!」
「そっ…れでも、イヤです!私は平凡でいいので平穏な人生を送りたいんです!」
「なら、さらに今から30分以内限定で、身を守れるような魔法の力もつけちゃうよ!」
「どこの通販番組ですか」
必死に私を頷かせようと提案を重ねる天帝さんは、なんでそんなにという程必死だ。
もふもふペットにはちょっと…いや結構こころ動かされたけど、落ち着け自分。
もふもふを安全に飼う権利は、万人に平等に与えられた権利だ。
こんなところでDEAD or DEADを条件に選択しなくても、お金と責任感さえあれば十分叶う夢だ。冷静になれ自分。
頭を振り回して煩悩をとばし、深呼吸して心を静めた私に焦ったのか。
何か探すように、迷うように視線をさまよわせていた神様は、そっと私を窺うように見ながら、小さな声で提案をしてきた。
「今なら……きみに、家族をあげるよ。君の家族ごと、僕が守るから……だめ?」
家族。
「…おとうさんと、おかあさん……?」
「うん。だめ?」
それは、生前の私がほんとうに欲しいものだった。
それが得られないから、かわりの温かさを求めていた。
「ほんとう…?」
「うん、僕が愛瑠の大切なもの全部まとめて守ってあげる」
天帝さんは、目を見開き思考の鈍くなっている私にそっと近づき、ゆっくり優しく頭を撫でてくれた。
ああ、きっと、本当ならこの提案はする気はなかったんだろうな、と思う。
だって、瞳が心配そうに揺れてる。
それでも口にした理由はわからないけど。
こんな風に撫でてもらいたいというのも、ずっと隠してた私の願望だと知っていたのかな。
「……じゃぁ、しょうがないから一緒に転生してあげます…」
「ありがとう、愛瑠」
天帝さんはほっとしたように笑って、
不貞腐れたように目を逸らしながら言う私を、段ボールの陰から引っ張り出して抱きしめた。
なんか、すっっっごく負けた気分……必要ない高額商品を勢いで買っちゃった時みたいな……
「って、なにどさくさに紛れてくっついてるんですかっ!!」
「んー、もうちょっと…」
必死に胸元を押し返すのに、気にせず人の頭に頬を摺り寄せてくる天帝さん。
悔しいが力では全く歯が立たないらしい。
もう何度目かの赤面を見られないように、鎖骨あたりに頭をぐりぐり押し付ける。
「ちょ、愛瑠痛い、痛いよ!?」
「はなして、くださいー!!」
このあと離してもらえるまで、天帝さんの鎖骨を粉砕骨折させるのも辞さない覚悟で攻撃した。
いやなぜわからないのか、こっちのほうが不思議です。
「あれって、仲間と一緒に一狩り行こうぜ!なゲームでしたよね」
「そうだよ、モンスターをハントするゲームだよ?」
「天帝さん。私生前、ごく一般的な運動神経しかもたない、ごく一般的な思考の女子大生だったんです」
「うん。ちょっと天然で、ちょっと人に話しかけられるのが恥ずかしくて苦手で、将来の夢は猫に囲まれた生活な動物好きの、口が時々悪いけど真面目で素直でかわいい鈍感な警戒心の強い小動物属性の女子大生だったね?」
「なんで私の将来の夢知ってるんですか⁉」
急に私のひそかな野望までつらつらと語られて、頬が熱くなる。
納得いかない内容も混ざってたけど…、でもなんで知ってるの⁈
「僕だって、ただ名前が『オトモ・アイル』と同じだからっていう理由だけで君を選んだんじゃないよ。君が君だから、一緒に過ごしたら楽しいし癒されるだろうなと思って選んだんだ」
まさかのストーカー疑惑に慌てふためき、段ボールの陰に必死で隠れる私をじーっと眺めながら、そんな口説き文句のようなことを恥ずかしげもなく口にしちゃう天帝さんは、もう本当にちょっと黙っててほしいという私の望みこそを知るべきだと思う。
「動物好きだった君なら、モンスターに囲まれた生活に喜んでついてきてくれると思ったんだけど…嫌だった…?」
「動物は大好きですが、あんな世界に転生したらすぐに食べられてお終いです!私が好きなのは、安全にもふもふできる癒しの存在であって、モンスターに囲まれたスリリングな生活ではありません。狩らねば喰われる前提のモンスターに囲まれて喜ぶという考えがズレてます」
「そっかぁ…」
しょんもりする天帝さんは、お母さんに叱られた2歳児のような素直さだ。
あなたの方が私なんかよりよっぽど素直ですよ!ホント薄汚れた大人でごめんなさいね!
でも言っておくが、私は平凡そのものだ。
自分でいうのもなんだが、ゾンビ映画なら最初に感染死亡する役だろうし、推理ものなら最初の犠牲者役がぴったりな、そんなポジションが似合う存在だ。
つまり記念すべき初のハントで、開始直後に初心者向けモンスターに食べられて人生終了な未来しか見えない。
誰が好き好んでそんな世界に転生したいと思うのか?
断固拒否の姿勢を崩さない私に対し、リンゴ箱の上で膝を抱えて落ち込んでいた天帝さんは、急に『ひらめいたっ!』とばかりの輝かしい笑顔で顔を上げた。
「じゃあ、魔獣はいるけど基本関わらなくていい世界にするよ!そこでとりあえず魔法と剣とモンスターに慣れてもらって、その世界で死んだあとにモンスターハントの世界に一緒に転生しよう!」
「なんで生まれ変わる前から次死んだときのこと考えなきゃいけないんですか⁈ しかも『基本関わらない』って言いながら、絶対かかわりに行く気ですよね⁉」
「これでもダメ? じゃあ今なら、ペットに大人しい性格のもふもふもつけるよ!」
「そっ…れでも、イヤです!私は平凡でいいので平穏な人生を送りたいんです!」
「なら、さらに今から30分以内限定で、身を守れるような魔法の力もつけちゃうよ!」
「どこの通販番組ですか」
必死に私を頷かせようと提案を重ねる天帝さんは、なんでそんなにという程必死だ。
もふもふペットにはちょっと…いや結構こころ動かされたけど、落ち着け自分。
もふもふを安全に飼う権利は、万人に平等に与えられた権利だ。
こんなところでDEAD or DEADを条件に選択しなくても、お金と責任感さえあれば十分叶う夢だ。冷静になれ自分。
頭を振り回して煩悩をとばし、深呼吸して心を静めた私に焦ったのか。
何か探すように、迷うように視線をさまよわせていた神様は、そっと私を窺うように見ながら、小さな声で提案をしてきた。
「今なら……きみに、家族をあげるよ。君の家族ごと、僕が守るから……だめ?」
家族。
「…おとうさんと、おかあさん……?」
「うん。だめ?」
それは、生前の私がほんとうに欲しいものだった。
それが得られないから、かわりの温かさを求めていた。
「ほんとう…?」
「うん、僕が愛瑠の大切なもの全部まとめて守ってあげる」
天帝さんは、目を見開き思考の鈍くなっている私にそっと近づき、ゆっくり優しく頭を撫でてくれた。
ああ、きっと、本当ならこの提案はする気はなかったんだろうな、と思う。
だって、瞳が心配そうに揺れてる。
それでも口にした理由はわからないけど。
こんな風に撫でてもらいたいというのも、ずっと隠してた私の願望だと知っていたのかな。
「……じゃぁ、しょうがないから一緒に転生してあげます…」
「ありがとう、愛瑠」
天帝さんはほっとしたように笑って、
不貞腐れたように目を逸らしながら言う私を、段ボールの陰から引っ張り出して抱きしめた。
なんか、すっっっごく負けた気分……必要ない高額商品を勢いで買っちゃった時みたいな……
「って、なにどさくさに紛れてくっついてるんですかっ!!」
「んー、もうちょっと…」
必死に胸元を押し返すのに、気にせず人の頭に頬を摺り寄せてくる天帝さん。
悔しいが力では全く歯が立たないらしい。
もう何度目かの赤面を見られないように、鎖骨あたりに頭をぐりぐり押し付ける。
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