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泣く子にはお菓子を与える主義です。
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暴徒化したご令嬢の集団に近づくなど、崖から紐なしバンジーと同義である。むしろもっと惨たらしい末路を迎えそうな気がする。
自殺願望はないため手持ち無沙汰になり、友人もいない私はとりあえず周囲を見渡してみた。
男の子はディー様に群がる女の子に恐怖し、ドン引きしてる。
クジャク集団に埋もれていたらしい大人しい感じの女の子たちも、怖くて隅で震えているよう。
中には泣き出した小さい子もいる。
…一瞬でカオス。
とりあえず、
「だいじょーぶ?」
人見知りのボッチ万歳とはいえ、恐怖体験に泣く推定4歳の少年は憐れで放っておけなかったので。
泣きだしてしまった男の子に声をかけてみた。
「こわかったでしゅね」
「こ…こわくなんて、ない。ちょ…ちょっと…びっくり、したんだ…!」
うんうん、わかってるよ少年。
「わたし、あいるでしゅ。2しゃいでしゅ」
「…ぼくは、れおなるどだ。5さいだ」
泣いていたのが恥ずかしいのか、レオナルド君は顔を赤くしてそっぽ向きながらも、ちゃんと名乗り返してくれた。微笑ましさは文句なしの満点だ。
うん、さすが貴族だよね。ちゃんと教育受けてる。
「れおにゃるどさま、おかしたべにいきましょー」
「…れおんでいい。おかしはそっちじゃない、あっちだ」
「れおんさま、あいがとーございまし」
「さまもいらない。れおん」
「んー…れおんくん?」
「まぁ…それでいい。ぼくはあいるってよぶ」
「あい」
子供のあやし方など知らないけど、甘いもの食べさせておけばきっとご機嫌になるはず。
私はなる。
…あ、だからお父様やリサが、「お菓子を貰っても知らない人についていかないように」って何度も注意してきたのか…。
そんなことしないよ!って思ってたけど、信用ゼロだったの納得。やりそうだわ。わかりみ。
「れおんくん、これ、おいしーよ」
「じゃあつぎはそれにする。こっちもおいしいぞ」
「ありあとー」
レオン君と一緒に、おやつタイム。
さすが王宮。どれもウマウマ。私好み。
そして子供が食べることを考えてか、全てがミニサイズという心配りよ。
これを作ったパティシエを呼んでくれたまえ。お礼が言いたい。
実際に呼ばれたら、きっと頭真っ白になって黙り込むけど。
至福―。って感じで甘味をむさぼりつつ、意外といける口のレオン君と一緒に3つ目のお菓子に取りかかる。
レオン君の頬はすでに乾いていて、やはり子供にはお菓子が絶対正義。
そのレオン君を泣かせた元凶のドレス団子が時々視界の端に映るけど、団子を崩すことなく移動してる様子。
つまり中心にいるはずのディー様が少し移動するのに合わせて動いてるのか。見事な集団行動。鉄壁が過ぎる。
お茶会が終わるまであのままだね、きっと。
ディー様の分まで私がお菓子を食べておくので、尊い犠牲となっていただこう。
平和大事。
「…あいるは、おいしそうにたべるな」
「おいしいでしゅから」
私は、美味しいものは美味しくいただく主義だ。
表情筋が基本サボってるので、真顔で目だけ鋭く光らせた猛禽類のように見えるかもしれないが。
「おんなのこは、おちゃかいでもあまりおかしをたべようとしないし、たべてもひとくちだけなんだ」
「そうなんでしゅか?もったいないおばけがでましゅね」
「もったいないおばけってなんだ?」
「もったいないことをしたにんげんをふくろだたきにして、ゆるしをこうしゅがたをたのしむおばけでしゅ」
「こわいな」
想像したのか、レオン君はまた泣きそうな顔になった。
自殺願望はないため手持ち無沙汰になり、友人もいない私はとりあえず周囲を見渡してみた。
男の子はディー様に群がる女の子に恐怖し、ドン引きしてる。
クジャク集団に埋もれていたらしい大人しい感じの女の子たちも、怖くて隅で震えているよう。
中には泣き出した小さい子もいる。
…一瞬でカオス。
とりあえず、
「だいじょーぶ?」
人見知りのボッチ万歳とはいえ、恐怖体験に泣く推定4歳の少年は憐れで放っておけなかったので。
泣きだしてしまった男の子に声をかけてみた。
「こわかったでしゅね」
「こ…こわくなんて、ない。ちょ…ちょっと…びっくり、したんだ…!」
うんうん、わかってるよ少年。
「わたし、あいるでしゅ。2しゃいでしゅ」
「…ぼくは、れおなるどだ。5さいだ」
泣いていたのが恥ずかしいのか、レオナルド君は顔を赤くしてそっぽ向きながらも、ちゃんと名乗り返してくれた。微笑ましさは文句なしの満点だ。
うん、さすが貴族だよね。ちゃんと教育受けてる。
「れおにゃるどさま、おかしたべにいきましょー」
「…れおんでいい。おかしはそっちじゃない、あっちだ」
「れおんさま、あいがとーございまし」
「さまもいらない。れおん」
「んー…れおんくん?」
「まぁ…それでいい。ぼくはあいるってよぶ」
「あい」
子供のあやし方など知らないけど、甘いもの食べさせておけばきっとご機嫌になるはず。
私はなる。
…あ、だからお父様やリサが、「お菓子を貰っても知らない人についていかないように」って何度も注意してきたのか…。
そんなことしないよ!って思ってたけど、信用ゼロだったの納得。やりそうだわ。わかりみ。
「れおんくん、これ、おいしーよ」
「じゃあつぎはそれにする。こっちもおいしいぞ」
「ありあとー」
レオン君と一緒に、おやつタイム。
さすが王宮。どれもウマウマ。私好み。
そして子供が食べることを考えてか、全てがミニサイズという心配りよ。
これを作ったパティシエを呼んでくれたまえ。お礼が言いたい。
実際に呼ばれたら、きっと頭真っ白になって黙り込むけど。
至福―。って感じで甘味をむさぼりつつ、意外といける口のレオン君と一緒に3つ目のお菓子に取りかかる。
レオン君の頬はすでに乾いていて、やはり子供にはお菓子が絶対正義。
そのレオン君を泣かせた元凶のドレス団子が時々視界の端に映るけど、団子を崩すことなく移動してる様子。
つまり中心にいるはずのディー様が少し移動するのに合わせて動いてるのか。見事な集団行動。鉄壁が過ぎる。
お茶会が終わるまであのままだね、きっと。
ディー様の分まで私がお菓子を食べておくので、尊い犠牲となっていただこう。
平和大事。
「…あいるは、おいしそうにたべるな」
「おいしいでしゅから」
私は、美味しいものは美味しくいただく主義だ。
表情筋が基本サボってるので、真顔で目だけ鋭く光らせた猛禽類のように見えるかもしれないが。
「おんなのこは、おちゃかいでもあまりおかしをたべようとしないし、たべてもひとくちだけなんだ」
「そうなんでしゅか?もったいないおばけがでましゅね」
「もったいないおばけってなんだ?」
「もったいないことをしたにんげんをふくろだたきにして、ゆるしをこうしゅがたをたのしむおばけでしゅ」
「こわいな」
想像したのか、レオン君はまた泣きそうな顔になった。
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