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閑話*もふもふ。
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そんな簡単に言われても。
私、名付けってしたことないから、ホントにセンスないんだって…。
「うーん……」
「思いつかなければ『フェンリル』とか『犬』でいいんじゃないかな」
「それはなまえじゃないでしゅ」
じーっとフェンリルを見つめる。もふもふ。ふわふわ。かわいい。すき。
じーっとフェンリルを見つめる。なんか見覚えがある。
じーっとフェンリルを見つめる。…もうあれにしか見えない。
「……もろ」
「モロ?」
「だまりぇこじょう!」
「…ごめんね…」
「あ、ちがいましゅ、つい」
お前にほにゃらを救えるか!と合わせて、つい言いたくなるんだよね。例の滅びの言葉といい、もはや日本人の脊髄反射だよね。
「このこにょなまえは、もろ、にしましゅ。きっとぼせいあふりぇる、すてきないぬがみさまになりましゅ」
「この子オスだけど」
「…………え」
なんという悲劇。
「……かんがえなおしましゅ」
「アイル、この子もう自分の名前は『モロ』だと思ってるから手遅れだよ。従魔契約完了してる」
「…………え」
「きゃん!」
私とフェンリルの体が発光してる。私が『モロ』と名付け、フェンリルがそれを受け入れたことで、従魔契約が成り立ったんだそう。……なんという悲劇。
「本人が喜んでるからいいんじゃないかな」
「もろ……くっ、わたしがふがいにゃいばかりに…っ」
モロご本人は私に体を摺り寄せ、尻尾を振って喜んでいる。まぁ、もしかしたらオスだけど母性が目覚める未来が待ってるかもしれないし、諦めよう。今はジェンダーフリーの世の中だよね。
「もろ、よろしくでしゅ」
『よろしく、アイル!』
「…………え」
「従魔契約が完了すると、念話ができるようになるよ」
ディー様、大事な説明がさっきからちょっと遅いです。
とにかく、私にもふもふの友達ができました。
ちなみにその後、ちょっと気になったことが。
「そういえば、しんわでふぇんりりゅは『かみごろし』っていわりぇてましぇんでした?」
「そうだね。北欧神話の世界における終末の日では最高神オーディンと対峙して彼を飲み込んだとされているね」
「えっ」
中身最高神なあなたの今の名前オーディン様なんですけど、フェンリルなんて飼っていいんですか。なんか悪いこと起こりませんか⁉
「大丈夫だよ。もし飲み込もうと口を開けたら、………わかってるよね?」
「きゅんきゅんっ!くぅーんっ」
ディー様に威圧されたモロは、すかさずへそ天で尻尾を足の間に巻き込んだ状態になった。
……あの、従魔契約結んだの、本当に私とモロで間違いないんでしょうか…?
私、名付けってしたことないから、ホントにセンスないんだって…。
「うーん……」
「思いつかなければ『フェンリル』とか『犬』でいいんじゃないかな」
「それはなまえじゃないでしゅ」
じーっとフェンリルを見つめる。もふもふ。ふわふわ。かわいい。すき。
じーっとフェンリルを見つめる。なんか見覚えがある。
じーっとフェンリルを見つめる。…もうあれにしか見えない。
「……もろ」
「モロ?」
「だまりぇこじょう!」
「…ごめんね…」
「あ、ちがいましゅ、つい」
お前にほにゃらを救えるか!と合わせて、つい言いたくなるんだよね。例の滅びの言葉といい、もはや日本人の脊髄反射だよね。
「このこにょなまえは、もろ、にしましゅ。きっとぼせいあふりぇる、すてきないぬがみさまになりましゅ」
「この子オスだけど」
「…………え」
なんという悲劇。
「……かんがえなおしましゅ」
「アイル、この子もう自分の名前は『モロ』だと思ってるから手遅れだよ。従魔契約完了してる」
「…………え」
「きゃん!」
私とフェンリルの体が発光してる。私が『モロ』と名付け、フェンリルがそれを受け入れたことで、従魔契約が成り立ったんだそう。……なんという悲劇。
「本人が喜んでるからいいんじゃないかな」
「もろ……くっ、わたしがふがいにゃいばかりに…っ」
モロご本人は私に体を摺り寄せ、尻尾を振って喜んでいる。まぁ、もしかしたらオスだけど母性が目覚める未来が待ってるかもしれないし、諦めよう。今はジェンダーフリーの世の中だよね。
「もろ、よろしくでしゅ」
『よろしく、アイル!』
「…………え」
「従魔契約が完了すると、念話ができるようになるよ」
ディー様、大事な説明がさっきからちょっと遅いです。
とにかく、私にもふもふの友達ができました。
ちなみにその後、ちょっと気になったことが。
「そういえば、しんわでふぇんりりゅは『かみごろし』っていわりぇてましぇんでした?」
「そうだね。北欧神話の世界における終末の日では最高神オーディンと対峙して彼を飲み込んだとされているね」
「えっ」
中身最高神なあなたの今の名前オーディン様なんですけど、フェンリルなんて飼っていいんですか。なんか悪いこと起こりませんか⁉
「大丈夫だよ。もし飲み込もうと口を開けたら、………わかってるよね?」
「きゅんきゅんっ!くぅーんっ」
ディー様に威圧されたモロは、すかさずへそ天で尻尾を足の間に巻き込んだ状態になった。
……あの、従魔契約結んだの、本当に私とモロで間違いないんでしょうか…?
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