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閑話*母視点
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「殿下、アイルちゃんは少し自分に自信のないところがありますの」
「そうだね。アイル程可愛く素敵な子は他に存在しないのに、そう言っても不審そうな眼をするんだ」
「それに、それに……妙に、こちらの反応を窺うんですの。アイルちゃんは自覚がないようなのですが、怯えていると言ってもいいですわ。それが何故なのか、思い当たる原因がわたくしにも旦那様にも、使用人たちにもありませんの…」
「……そう」
わたくしも周りも、アイルちゃんにはたくさん愛情を注いできたと自負しております。
ですがアイルちゃんは、少しでも気分を損ねたら嫌われるとでも思っているような様子があるのです。しかも、それを自覚していないようなのです。指摘して自覚させ困らせたくはなかったので、本人に聞くこともできませんでした。
誰にも思い当たる出来事などありません。アイルちゃんは生まれながらの天使です。常に誰かしらに見守られ、愛されて育ってきたのです。そんな天使に何かしようものなら、周りが見逃さず制裁を下していたでしょう。
「ですが殿下と一緒にいるアイルちゃんは、いつもより自然体というか…無意識に入っていた力が抜けている様子でしたわ」
「そうだと嬉しいな」
「ですから、不躾ながら、わたくしから言わせて下さい。……娘を、よろしくお願い致します」
王族であられる殿下にこのような事を頼める身ではないのはわかっているのですが。
できることなら、あの子が『愛されている』と自覚できる程、あの子を愛していただきたい。
「あなたたちの宝物は、僕が絶対に守ろう。約束する」
「ありがとうございます。しかしながら殿下、ひとつよろしいでしょうか」
「何かな」
「あの子は、あの子だけを心から愛する人に任せたいと思っておりますの。わたくしたちは地位や権力やお金が欲しいわけではありません。あの子が望む相手なら平民だっていいんです。ですから殿下と言えど、あの子を無下にしたり悲しませたり浮気でもしようものなら、例え殺されようとも殺しに行きますわ」
「マ、マリー⁉殿下に対してそのような…」
「レオ様は黙っていてくださいませ?」
「いやだがな…」
「アイルが傷つければ間違いなく領民が暴動を起こしますわ。先に宣言しておかなければ私兵を鍛えることも許されないでしょう?」
「先に言っておいても許されないよ⁉」
レオ様ったら、慌てちゃって。
これくらいで怯むようなら、最初からアイルちゃんを預けられませんでしょ?
「その点は大丈夫だよ。僕の世界は、アイルかアイル以外かで出来てるから」
「それはそれで時期国王としては大問題ですよ殿下!」
「まぁぁっ!愛ですわね、愛!素敵ですわ!」
殿下は自信に満ちた表情で約束して下さいました。
よかったわ。
殿下とアイルちゃんには特別な絆があるように感じますの。
だからきっと、殿下に一心に愛を向けられていれば、アイルちゃんにも、そしてきっと殿下にとっても、いい影響があると思います。
親にとっての幸せは、子供が幸せな人生を送ってくれること。
殿下、アイルちゃんのこと、お任せいたしますね。
「お母様。このクッキー味見して下さい」
「あらアイルちゃん。先に殿下に食べていただいた?」
「…ディー様に渡すものなので、先に渡したら意味ないです…」
まぁ、頬を染めちゃって、可愛いわ!
でもアイルちゃんったら、13年も一緒にいるのに、まだ殿下の執着心と独占欲がわかっていないのかしら。
アイルちゃんが作った手作りの料理を先に食べたりしたら、食べた分を取り返そうと胃を引っ張り出されちゃうわ?
「アイルちゃん。作った分は全て殿下にお渡ししましょう。その方が絶対に、確実に平和よ」
「平和?でも美味しくなかったら、」
「アイルちゃんが自分のために作ったという事実だけで喜んで下さるわ。殿下のためにお作りしたものを他の誰かが先に食べたりしたら、きっと拗ねてしまうわよ?」
「う…」
さらに頬を赤くする娘は、誰が見ても完全に恋する乙女だわ。
残念ながら、本人にまだその自覚はないのだけれど。
とても嬉しそうな殿下に抱きしめられて照れる娘に、かつての怯えは見られない。
幸せそうなあなたが見られて、わたくしもとても幸せよ。
どうかこの先も、ずっと幸せにね。
「そうだね。アイル程可愛く素敵な子は他に存在しないのに、そう言っても不審そうな眼をするんだ」
「それに、それに……妙に、こちらの反応を窺うんですの。アイルちゃんは自覚がないようなのですが、怯えていると言ってもいいですわ。それが何故なのか、思い当たる原因がわたくしにも旦那様にも、使用人たちにもありませんの…」
「……そう」
わたくしも周りも、アイルちゃんにはたくさん愛情を注いできたと自負しております。
ですがアイルちゃんは、少しでも気分を損ねたら嫌われるとでも思っているような様子があるのです。しかも、それを自覚していないようなのです。指摘して自覚させ困らせたくはなかったので、本人に聞くこともできませんでした。
誰にも思い当たる出来事などありません。アイルちゃんは生まれながらの天使です。常に誰かしらに見守られ、愛されて育ってきたのです。そんな天使に何かしようものなら、周りが見逃さず制裁を下していたでしょう。
「ですが殿下と一緒にいるアイルちゃんは、いつもより自然体というか…無意識に入っていた力が抜けている様子でしたわ」
「そうだと嬉しいな」
「ですから、不躾ながら、わたくしから言わせて下さい。……娘を、よろしくお願い致します」
王族であられる殿下にこのような事を頼める身ではないのはわかっているのですが。
できることなら、あの子が『愛されている』と自覚できる程、あの子を愛していただきたい。
「あなたたちの宝物は、僕が絶対に守ろう。約束する」
「ありがとうございます。しかしながら殿下、ひとつよろしいでしょうか」
「何かな」
「あの子は、あの子だけを心から愛する人に任せたいと思っておりますの。わたくしたちは地位や権力やお金が欲しいわけではありません。あの子が望む相手なら平民だっていいんです。ですから殿下と言えど、あの子を無下にしたり悲しませたり浮気でもしようものなら、例え殺されようとも殺しに行きますわ」
「マ、マリー⁉殿下に対してそのような…」
「レオ様は黙っていてくださいませ?」
「いやだがな…」
「アイルが傷つければ間違いなく領民が暴動を起こしますわ。先に宣言しておかなければ私兵を鍛えることも許されないでしょう?」
「先に言っておいても許されないよ⁉」
レオ様ったら、慌てちゃって。
これくらいで怯むようなら、最初からアイルちゃんを預けられませんでしょ?
「その点は大丈夫だよ。僕の世界は、アイルかアイル以外かで出来てるから」
「それはそれで時期国王としては大問題ですよ殿下!」
「まぁぁっ!愛ですわね、愛!素敵ですわ!」
殿下は自信に満ちた表情で約束して下さいました。
よかったわ。
殿下とアイルちゃんには特別な絆があるように感じますの。
だからきっと、殿下に一心に愛を向けられていれば、アイルちゃんにも、そしてきっと殿下にとっても、いい影響があると思います。
親にとっての幸せは、子供が幸せな人生を送ってくれること。
殿下、アイルちゃんのこと、お任せいたしますね。
「お母様。このクッキー味見して下さい」
「あらアイルちゃん。先に殿下に食べていただいた?」
「…ディー様に渡すものなので、先に渡したら意味ないです…」
まぁ、頬を染めちゃって、可愛いわ!
でもアイルちゃんったら、13年も一緒にいるのに、まだ殿下の執着心と独占欲がわかっていないのかしら。
アイルちゃんが作った手作りの料理を先に食べたりしたら、食べた分を取り返そうと胃を引っ張り出されちゃうわ?
「アイルちゃん。作った分は全て殿下にお渡ししましょう。その方が絶対に、確実に平和よ」
「平和?でも美味しくなかったら、」
「アイルちゃんが自分のために作ったという事実だけで喜んで下さるわ。殿下のためにお作りしたものを他の誰かが先に食べたりしたら、きっと拗ねてしまうわよ?」
「う…」
さらに頬を赤くする娘は、誰が見ても完全に恋する乙女だわ。
残念ながら、本人にまだその自覚はないのだけれど。
とても嬉しそうな殿下に抱きしめられて照れる娘に、かつての怯えは見られない。
幸せそうなあなたが見られて、わたくしもとても幸せよ。
どうかこの先も、ずっと幸せにね。
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