神様の転生のお供に選ばれまして ~異世界転生したら溺愛されるなんて聞いてません~

ものぽりー

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(他人の)家族紹介です。そのに。

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 そんなわけでエイデン殿下とはあまり話したことがない。
 エイデン殿下が近づくとディー様が私を保護しにかかるので、結果的にあまり交流がなかったのだ。
 別に話すくらいいいのでは?と思うんだけど、そう言ったらディー様の目からハイライトが消えたので、二度と口にするものかと布団の中で蓑虫になりながら誓った。



 対してディー様の妹姫のシャーロット様は、なぜか私に大層懐いてくれている。
 シャーロット様はディー様の威嚇にもめげずに……というか多分全く響いていない強ハートで、私のことを「アイルねぇさま」と呼び、後ろをついて回るのだ。可愛い。すごく可愛い。でも時々ディー様とヒソヒソ何かを話している時は、腹に一物抱えた顔をしてる。ちょっとこわい。この2人は間違いなく血の繋がった兄妹だ。

 そんなシャーロット様がまだ后妃様のお腹にいる頃、3度目の妊娠だが今回が一番つらい…と頻繁に体調を崩されていた后妃様の元に、お見舞いとしてよく伺っていた。シャーロット様は胎児のときから大層アグレッシブな方で、羊水の中を暴れまわって落ち着きのかけらもなかったらしいのだが、何故か私が后妃様のお腹に触れると途端に大人しくなるそう。少しの時間でもわたくしに安穏を…という濃いクマで目の下を縁取った后妃様の懇願により、安定剤よろしく呼び出されていた。

 姫様が産まれてすぐ。部外者だというのにディー様が当り前のように私を連れて行くので、一緒にお顔を見せていただいた。小さくて髪の毛ぷあぷあで可愛かった。アンリが産まれた時のことを思い出した。
 陛下から触ってもいいとお許しを頂けたので、ちょっと小さな手のひらを突いてみたら、ものすごい速さで指が折られそうな程握りしめられた。失礼だが、まるで食虫植物みたいだった…。
 そして握った後は振っても引いても指を離さない。陛下が全力で手を開かせようとしても1ミリも開かない。そこまでされているというのに非常に満足そうな天使の微笑みを浮かべ、スヤスヤと健やかに眠っているその異様さ。……ディー様コピーが産まれたのかと思った。少なくとも、私と両陛下の顔は引きつっていた。アレが増えるのか、と。
 でもディー様がシャーロット様の手に触れると、今までが嘘のようにパッと開いた。私の指は曲がってはいけない向きにしなっていたが、幸い鯖折りにはされていなかった。ディー様曰く、シャーロット様は肉体強化の魔法を使っていたそう。だからそれを解除した、と。

 …この国の姫様、目も満足に開かない内から肉体強化かぁ…。
 なよ竹のかぐや系ではなく、誘拐されても無問題モーマンタイなピーチ系のたくましいお姫様に育つことが確定した瞬間だった。

 とにかく生まれたばかりで既に肉体強化魔法を見事に使いこなしていたシャーロット様は、今も体を動かすことがとにかく得意だ。彼女が3歳の頃、ディー様が城の敷地内に建っている塔…罪を犯した王族を幽閉するためのものだと言っていたけど、窓からみる夕日が絶景だと護衛の人に聞いたんだと案内してくれたことがある。
 軽く30m以上の高さがあるであろう塔の天辺にある部屋の窓から外を見ていると、塔の外壁を命綱なし、僅かな煉瓦の隙間を利用してカサササ……と難なく登ってきたらしいシャーロット様がひょっこりと顔を出し「おさんぽしてたら、アイルねぇさまがみえました。わたくしともあそんでくださいませ!」と笑顔を見せた時は……王家に人間って生まれにくいのかな?ってマーサさんに聞いてしまった。不敬なので口にはしなかったが、あれはもはやヤモリだ。マーサさんは悩んだ末「…姿は人を保っております」と呟いていた。やっぱりマーサさんもギリギリだと思ってたようだ。とにかく姫様も規格外。

  
 そんな我が子たちを見て、時折遠い目をしている両陛下。そうだよね…我が子の内、2/3が人類の枠から飛び出しかけてるもんね…。エイデン様だけは普通の人類なのだが、慰めにはならないらしい。
 時々ディー様抜きで私だけを呼び出してはお茶をしながら、息子その①と娘についてと、ついでにお仕事や嫌いな貴族の人について一通り愚痴り、最後に「アイル嬢は癒し……早くうちの子に………孫に期待……でも原料がオーディンアレでは……」とブツブツ呟いてる。この時のお二人は魂が口から半分飛び出してるので、体を覆うように結界魔法でパッキングするようにしている。結界魔法に魂ポロリを防ぐ効果があるかは知らんけど。あと病んでる気がするので浄化もするようにしてる。効くかは知らんけど。


 ただ一つだけ言いたい。



 うちの国の将来、大丈夫かな……。



 
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