神様の転生のお供に選ばれまして ~異世界転生したら溺愛されるなんて聞いてません~

ものぽりー

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(私の)家族紹介です。

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 私が家を離れた時は、まだ赤ちゃんだった弟のアンリ。
 今では7歳になりました。


 アンリは魔法も剣も勉強も手を抜かずに頑張るとってもいい子。それに何の弱点も見当たらないほどどの分野でも優秀なので、我が家の将来は安泰だとお父様も自慢げだ。
 あの子にそう言うと、「姉様は僕が何不自由なく養いますので安心してください。だから王宮を出て帰ってきて下さい。どこにもお嫁になんかいっちゃだめです。ずっとお家に居てください」って抱き着いて甘えてくるんだよ。その度に私は心臓をそのまま握りつぶされる勢いで鷲掴みにされる。うちの弟最高。天使。感涙で前が見えない。全米も泣いてしまうに違いない。
 私ももちろん抱きしめ返すんだけど、すぐに笑顔のディー様に引き剥がされる。
 実際には小姑付きじゃアンリのお嫁にくる子が可哀そうだし、家にいつまでも居座る役立たずな姉など不良債権でしかないから、今だけの夢の時間…。将来アンリにゴミを見る目で見られたら私きっと死ぬ。
 結婚して役に立つのは無理かもしれないけど、ちゃんと家を出て働いて独立するから安心してほしい。…と、前にお父様に言ったら全てに絶望した顔で号泣され、二度とそんなこと口にしないでくれ!と縋り付かれたので、他の人の前ではまだ言っていない。それに私の直感が、アンリとディー様には黙っていた方が良いと告げている。


 ディー様は今でもちゃんと約束を守ってくれていて、時間ができる度に私を家に連れて来てくれる。
 だからアンリはちゃんと私のことを忘れず…むしろ毎日会えないせいか姉べったりな子に育ったし、両親もそばに居るアンリだけを可愛がるような差別をすることなく、私のこともちゃんと変わらず可愛がってくれている。困ったことはないかといつも気にかけてくれるし、王宮で受けている講義で身に着けたマナーや魔法を披露すると、頑張っているねと褒められることも多々ある。
 家族関係が非常に良好でとても嬉しい。

 けど、気がかりなことが一つ。



「最近の殿下はとてもお忙しそうだと姉様からお聞きしました。まぁお疲れではないでしょうけど、姉様には1ヵ月ほどこちらで過ごしてもらうので、その間ゆっくり羽を伸ばして休んでいただくのがいいかと思います」
「気遣いありがとう。でも僕はアイルがそばに居てくれないと全く休まらないんだ。だから金輪際気にしなくて大丈夫だよ」
「殿下は大丈夫でも、姉様には一人の時間が必要だと思うんです。姉様の為を思うのであれば、1ヵ月……いえ10年ほど帰省させていただければと思います」
「遺憾なことに、時々アイルだけが僕の両親に呼び出されたり、僕が公務で離れなくてはいけない場合もある。あとは僕が絶対に危険がないと判断した時に限りアイルの希望で少し離れることもある。だからアイルが一人の時間は今でもあるんだよ」
「それだけでは全く足りません。殿下のご両親とはつまり陛下達ではありませんか。そんな年寄り…失礼、魔物の巣窟に放り込まれた姉様が休めると本気で思っているんですか?姉様が今必要としているのは僕とのお茶の時間と、僕とのお昼寝の時間と、僕とのぱじゃまぱーてぃーの時間です。つまり僕と過ごす時間です。空気読めないんですか?」
「僕以外とのパジャマパーティーなんて許せるはずないでしょ。たとえ家族だったとしても絶対許さないよ。そんな機会は全力で潰す。むしろ僕が許すと欠片でも思ってたの?教養だけじゃなくて相手の希望や考えを読みとる能力も身に着けないと貴族としてやっていけないよ?」
「………まだ話を続けるのであれば、とりあえず2人とも私の腕を解放してからにしてくれない?」



 この2人、全然仲良くならないのだ。
 


 私の帰省イコールディー様の来訪なので、アンリとディー様の関係はいわゆる『幼馴染』というやつだと思うのだが、幼馴染ってこんなに殺伐とした関係だっけ?というくらいいつでもる気に満ち溢れている。始終穏やかにとは言わない。そんな贅沢は言わないから、せめて普通の空気で過ごせないのか。
 あと必ず私を間に挟むのもやめてほしい。不穏な関係を続けたいのであれば私の居ないところでやってほしい。なぜ私が移動するとわざわざ着いてきて再び間に挟んで喧嘩するのか。解せぬ。


 以前ディー様に、『アンリとはいわゆる喧嘩ップルというやつなんですか?』と聞いたことがある。アレは親の目を誤魔化すため私を隠れ蓑にした二人のいちゃつきなんだ…!という天啓を得た日だったと思う。
 結果、ディー様がダークサイドに落ちた。その瞬間から2週間ほどの記憶がないのは何故だろう。怖くて詳細を確かめたことはないけど、「アイルがその『別方向どころか別次元に突き進んだ勘違いを完璧に抹消しない限り出られない部屋』で二人で過ごしていたんだよ」と妖しく微笑むディー様から聞いた瞬間に全てを忘れようと全身の鳥肌に誓った。イノチダイジニ。



 とにかく私も私の家族も元気です。
 元気があれば何でもできる。
 ディー様に立ち向かうことはできないけど、それ以外なら何でもできる。はず。



*話を進めようと目論んだ結果、説明回ばかりですみません…
 もうちょっと……もうちょっとだけ進めさせて……
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