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65話 一瞬で安心するんだけどなぁ
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手で直接眉間にしわを作っていましたら、ふと男の人の声。
「嬢ちゃんたち今の空気わかってる?」
「さすがにちょっと手を出すか空気読んだぜ」
「もういいか?」
私達を捕まえに来た男の人達は少しだけ困惑していました。そこで迷うならそのまま王都に返して欲しいです。
「逃げましょうリア!」
「いえ、持ちこたえましょう」
足を怪我しながらも、男の人達を決して私に近づけない様にするリア。
他の男たちも徐々にこちらに集まってきます。合計三名。二名は馬車近辺で待機でしょうか。
少しずつにじり寄ってきます。リアが近くにあった太めの枝を握り、けん制しますがほぼ無力。
一人の男が持っていた鉈でぶった切られます。
「鉈!?」
「へへへ? あんたみたいな少し強い女相手にするんだ。脅しじゃ通用しねーと思って馬車から持ってきたのよ。綺麗な状態で売り飛ばすのは護られている弱そうなほうだけでいいよな」
まずい。この人たちは鉈でリアを傷つけようとしている。これは脅しなんかじゃない。大人しく投降すべき?
いえ、二人して売られることになれば、ここで鉈で斬られるよりもひどい目に合うかもしれない。
何か、なんでもいい。誰か、誰でも良い。どうか、リアを助けてください。
他の二人もナイフを取り出し、いつでも斬りかかれる。そう言った雰囲気を醸し出していました。
「素直にゆうこと聞くっていうなら、痛い想いをしないで済むぜ?」
「はぁはぁ。そっちの青髪の女には自分たちの立場をわからせる必要がありそうだな」
にじり寄ってくる男たち。下卑た笑いに、ゾクリと感じ顔から血の気が引いていきます。
そんな時、何かの光が反射したようなものが、こちらに向かってチカッチカッと合図を送るようにしていることに気付きました。
これは一体何の光なのでしょうか。
「これは!?」
リアは光が何なのか理解したようです。そして不意に私に向かって叫びます。
「お嬢様、伏せてください」
リアに言われ、自分で伏せるより先に、リアに背中を押されて地面に倒されると、私達を取り囲んでいた男たちの叫び声。
「うわああああああ!?」「投石だ!!!」「退くぞ!! ウゴッふ」
鈍い音と、男から出た奇声。それからドサッと何かが倒れる音。
今、周囲で何が起きたかなんて、見ていない私にもわかります。とにかくリアに言われた通り伏せ続けます。
土の匂いと暗闇それからリアの温もりだけが、聞こえてくる怖い音から私を護ってくださります。
打撃や斬撃の音。襲われている男たちの悲鳴。
今、何かが私達を襲ってきた男たちに襲い掛かっていることがわかります。きっと味方だろうと思いますが、それでも怖い。助けて助けて助けてギル。
「マリー!!!!」
私はその声を聞いた途端、先ほどまでの恐怖心がスポーンとどこか遠くへ飛んでいきました。その声はずっと聴きたかった声。ずっと待っていた声。
「ギル!!!!」
「マリー!!!!!」
リアが私を抑える手を離す。私は声を方を向くと、まだ暗闇ではっきりと見えませんが、そこにいるのがギルであると確信しました。
「怖かった怖ったよギル」
私がギルに飛びつくと、ギルはいつものように抱きしめてきます。ギルの匂い。間違いない。この声、この匂いこの温もりはギル以外考えられない。
私は急に安心して眠りについてしまいました。本当にギルだ。ギル…………ギル。
その後、私は近くにある村の宿で目覚めることになりました。目が覚めたら、そこにはギルがいなく、急に不安になりましたが、部屋の片隅で眠るリアを見つけ、彼女が無事で安心しました。
「嬢ちゃんたち今の空気わかってる?」
「さすがにちょっと手を出すか空気読んだぜ」
「もういいか?」
私達を捕まえに来た男の人達は少しだけ困惑していました。そこで迷うならそのまま王都に返して欲しいです。
「逃げましょうリア!」
「いえ、持ちこたえましょう」
足を怪我しながらも、男の人達を決して私に近づけない様にするリア。
他の男たちも徐々にこちらに集まってきます。合計三名。二名は馬車近辺で待機でしょうか。
少しずつにじり寄ってきます。リアが近くにあった太めの枝を握り、けん制しますがほぼ無力。
一人の男が持っていた鉈でぶった切られます。
「鉈!?」
「へへへ? あんたみたいな少し強い女相手にするんだ。脅しじゃ通用しねーと思って馬車から持ってきたのよ。綺麗な状態で売り飛ばすのは護られている弱そうなほうだけでいいよな」
まずい。この人たちは鉈でリアを傷つけようとしている。これは脅しなんかじゃない。大人しく投降すべき?
いえ、二人して売られることになれば、ここで鉈で斬られるよりもひどい目に合うかもしれない。
何か、なんでもいい。誰か、誰でも良い。どうか、リアを助けてください。
他の二人もナイフを取り出し、いつでも斬りかかれる。そう言った雰囲気を醸し出していました。
「素直にゆうこと聞くっていうなら、痛い想いをしないで済むぜ?」
「はぁはぁ。そっちの青髪の女には自分たちの立場をわからせる必要がありそうだな」
にじり寄ってくる男たち。下卑た笑いに、ゾクリと感じ顔から血の気が引いていきます。
そんな時、何かの光が反射したようなものが、こちらに向かってチカッチカッと合図を送るようにしていることに気付きました。
これは一体何の光なのでしょうか。
「これは!?」
リアは光が何なのか理解したようです。そして不意に私に向かって叫びます。
「お嬢様、伏せてください」
リアに言われ、自分で伏せるより先に、リアに背中を押されて地面に倒されると、私達を取り囲んでいた男たちの叫び声。
「うわああああああ!?」「投石だ!!!」「退くぞ!! ウゴッふ」
鈍い音と、男から出た奇声。それからドサッと何かが倒れる音。
今、周囲で何が起きたかなんて、見ていない私にもわかります。とにかくリアに言われた通り伏せ続けます。
土の匂いと暗闇それからリアの温もりだけが、聞こえてくる怖い音から私を護ってくださります。
打撃や斬撃の音。襲われている男たちの悲鳴。
今、何かが私達を襲ってきた男たちに襲い掛かっていることがわかります。きっと味方だろうと思いますが、それでも怖い。助けて助けて助けてギル。
「マリー!!!!」
私はその声を聞いた途端、先ほどまでの恐怖心がスポーンとどこか遠くへ飛んでいきました。その声はずっと聴きたかった声。ずっと待っていた声。
「ギル!!!!」
「マリー!!!!!」
リアが私を抑える手を離す。私は声を方を向くと、まだ暗闇ではっきりと見えませんが、そこにいるのがギルであると確信しました。
「怖かった怖ったよギル」
私がギルに飛びつくと、ギルはいつものように抱きしめてきます。ギルの匂い。間違いない。この声、この匂いこの温もりはギル以外考えられない。
私は急に安心して眠りについてしまいました。本当にギルだ。ギル…………ギル。
その後、私は近くにある村の宿で目覚めることになりました。目が覚めたら、そこにはギルがいなく、急に不安になりましたが、部屋の片隅で眠るリアを見つけ、彼女が無事で安心しました。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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