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10話 元メインヒーローはちょろい
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父親であるジェラールと約束をした二日後。果たして本当にジェラールは私を連れてエリザベートのところに向かうのだろうか。
本当に向かうのだろうか?
だめだ。全然想像できない。この世界はヒロインがジェラールと結婚できなかったバッドエンド。悪役令嬢エリザベートとの結婚はただ婚約者だったからそのまま成り行きに任せで結婚したということまでは想像できる。
だけど二人が夫婦らしいことをするだなんて想像もできない。なぜなら二人が私の前に揃って現れたのも、私が前世の記憶を思い出したあの日一度きりなのだから。もしかしたら私生活はご一緒していることが多いとか。もしかして私がのけもの?
つまり、それほどまでに二人の仲は良好とはいえないのだ。メイドであるセシルに今日二人と逢うという話をした時に、私の戯言だと思われたほどだ。
そして私の部屋に父、ジェラールが迎えにやってきた。セシルは私の時の対応とは違い静かに頭を下げ、敬意を示している。まって私も王族だよセシル。
まあ、少し前までセシルには甘えてばかりでどちらかというと手のかかる妹みたいな感じだったんでしょうね。正直、今くらいの距離間の方が気楽でいいですけどね。
「クリスティーン、行くぞ」
「はい、お父様」
ジェラールが私に手を伸ばしてきたので、私はそれに捕まると、一気に身体を持ち上げられ、私はジェラールに抱っこされた。五歳児になってパパからの抱っこの実績を獲得か。幸せ家族計画は遠いな。
てゆうか、一昨日は腕を引っ張り回すだけの犬の散歩状態だったのに随分と心を開いてもらったものだ。普通、娘に対して心を開くのに五年もかかる?
しかしさすがは乙女ゲーム本編のキャラクター。人格形成から人間が作りましたってくらい偏っている。きっとゲーム本編に関係ないところまで設定がないから、乙女ゲームの世界の設定を超える成長はほとんどないのだろう。
ジェラールに人間味のある表情を与えたのは唯一ヒロインのみ。ただ理由さえわかっていればきっと他の人でも対応できるはず。そして理由を知っているのは私だけだ。だから私が行動するしかない。
「お父様、お母様はクリスとお話してくれますでしょうか?」
私はあくまで不安そうに娘らしくジェラールに話しかける。ジェラールはそれが嬉しかったのだろうか。私を愛おしそうに抱きしめると、頭をゆっくりと撫でる。
「お前が心配することではない。エリザベートはあれでも王妃として求められてここにいるのだ。きっと忙しくお前に構う余裕もないことが多いだろう。五歳になる娘にここまで寂しい思いをさせていたのだな」
お父様、チョロすぎる。確かにジェラールは、設定の割にはメインヒーローである為か一番攻略難易度が低かったけどさ。割と簡単に折れたものだ。
だけど、まだ表情が冷たい。大事な娘という認識はある程度なのだろうか。でもまだまだこれからだ。とにかく今はエリザベートと三人で家族の時間を取る。できるかわからないけど、こんな冷え切った家庭、例え王族でも御免である。
しばらくして豪華な扉の前にたどり着きます。私とお母さまの部屋遠すぎませんか?
私は中世貴族に詳しくないけど、家族間で部屋がこんなにも遠いものなのでしょうか。途中明らかに建物と建物を繋ぐ廊下まで歩きましたが、もしかして一人に宮殿が一つとかなの?
「どうしたクリスティーン」
「どうしてクリスの部屋からこんなに遠い場所に行かないとお母様に会えないのですか?」
「それはだな…………いや、部屋は俺が決めたことでもないが、俺が幼い頃も、両親とはほとんど会えなかったものだ」
なるほど、つまりジェラールとエリザベートは、私に完全に無関心だったわけではなく、この世界の王族ではこれが普通なのですね。だからと言って、はいそうですかで家族間の親睦を深めることは諦めませんけどね。
「基本的にここは俺とエリザベートの住む宮殿でお前が住んでいるのは跡取り候補ではない姫が住む宮殿だ」
私だけ仲間外れかい。歩いて行ける距離なことに違いはありませんけど、私だけ仲間外れかい。私は抗議の念を込めてぎゅっとジェラールの服を握る。
しかし、形だけでもちゃんと夫婦として同じ宮殿で生活していたのですね。もっと冷え切った関係を想像していましたので、もしかしたらエリザベートも私のことを娘として可愛がってくれるのかもしれません。
まあ、相手はあの元悪役令嬢。あまり期待しないでおきましょうか。
そしてとジェラールがノックをすると、扉の向こうからエリザベートの声が聞こえた。
本当に向かうのだろうか?
だめだ。全然想像できない。この世界はヒロインがジェラールと結婚できなかったバッドエンド。悪役令嬢エリザベートとの結婚はただ婚約者だったからそのまま成り行きに任せで結婚したということまでは想像できる。
だけど二人が夫婦らしいことをするだなんて想像もできない。なぜなら二人が私の前に揃って現れたのも、私が前世の記憶を思い出したあの日一度きりなのだから。もしかしたら私生活はご一緒していることが多いとか。もしかして私がのけもの?
つまり、それほどまでに二人の仲は良好とはいえないのだ。メイドであるセシルに今日二人と逢うという話をした時に、私の戯言だと思われたほどだ。
そして私の部屋に父、ジェラールが迎えにやってきた。セシルは私の時の対応とは違い静かに頭を下げ、敬意を示している。まって私も王族だよセシル。
まあ、少し前までセシルには甘えてばかりでどちらかというと手のかかる妹みたいな感じだったんでしょうね。正直、今くらいの距離間の方が気楽でいいですけどね。
「クリスティーン、行くぞ」
「はい、お父様」
ジェラールが私に手を伸ばしてきたので、私はそれに捕まると、一気に身体を持ち上げられ、私はジェラールに抱っこされた。五歳児になってパパからの抱っこの実績を獲得か。幸せ家族計画は遠いな。
てゆうか、一昨日は腕を引っ張り回すだけの犬の散歩状態だったのに随分と心を開いてもらったものだ。普通、娘に対して心を開くのに五年もかかる?
しかしさすがは乙女ゲーム本編のキャラクター。人格形成から人間が作りましたってくらい偏っている。きっとゲーム本編に関係ないところまで設定がないから、乙女ゲームの世界の設定を超える成長はほとんどないのだろう。
ジェラールに人間味のある表情を与えたのは唯一ヒロインのみ。ただ理由さえわかっていればきっと他の人でも対応できるはず。そして理由を知っているのは私だけだ。だから私が行動するしかない。
「お父様、お母様はクリスとお話してくれますでしょうか?」
私はあくまで不安そうに娘らしくジェラールに話しかける。ジェラールはそれが嬉しかったのだろうか。私を愛おしそうに抱きしめると、頭をゆっくりと撫でる。
「お前が心配することではない。エリザベートはあれでも王妃として求められてここにいるのだ。きっと忙しくお前に構う余裕もないことが多いだろう。五歳になる娘にここまで寂しい思いをさせていたのだな」
お父様、チョロすぎる。確かにジェラールは、設定の割にはメインヒーローである為か一番攻略難易度が低かったけどさ。割と簡単に折れたものだ。
だけど、まだ表情が冷たい。大事な娘という認識はある程度なのだろうか。でもまだまだこれからだ。とにかく今はエリザベートと三人で家族の時間を取る。できるかわからないけど、こんな冷え切った家庭、例え王族でも御免である。
しばらくして豪華な扉の前にたどり着きます。私とお母さまの部屋遠すぎませんか?
私は中世貴族に詳しくないけど、家族間で部屋がこんなにも遠いものなのでしょうか。途中明らかに建物と建物を繋ぐ廊下まで歩きましたが、もしかして一人に宮殿が一つとかなの?
「どうしたクリスティーン」
「どうしてクリスの部屋からこんなに遠い場所に行かないとお母様に会えないのですか?」
「それはだな…………いや、部屋は俺が決めたことでもないが、俺が幼い頃も、両親とはほとんど会えなかったものだ」
なるほど、つまりジェラールとエリザベートは、私に完全に無関心だったわけではなく、この世界の王族ではこれが普通なのですね。だからと言って、はいそうですかで家族間の親睦を深めることは諦めませんけどね。
「基本的にここは俺とエリザベートの住む宮殿でお前が住んでいるのは跡取り候補ではない姫が住む宮殿だ」
私だけ仲間外れかい。歩いて行ける距離なことに違いはありませんけど、私だけ仲間外れかい。私は抗議の念を込めてぎゅっとジェラールの服を握る。
しかし、形だけでもちゃんと夫婦として同じ宮殿で生活していたのですね。もっと冷え切った関係を想像していましたので、もしかしたらエリザベートも私のことを娘として可愛がってくれるのかもしれません。
まあ、相手はあの元悪役令嬢。あまり期待しないでおきましょうか。
そしてとジェラールがノックをすると、扉の向こうからエリザベートの声が聞こえた。
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