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16話 母を怒らせてしまいました?
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ある朝、私が目覚めると、そこには母エリザベートがいた。一瞬、夢か何かかと思いもう一度眠り直す。しばらくしてもう一度目を開けるとやはりそこにはエリザベートがいたのだ。
いつも通りの長い金髪に深紅の瞳。綺麗な顔立ちに釣り目の女性。いつもと違うところと言えば深紅のドレスではなく、白い落ち着いた服であることだ。それでも上質なものであることはよくわかる。彼女は私のベッドのすぐ近くで椅子に座り、書物に目を通していた。
「おはようございますお母様」
無視する訳にもいかず、声をかけると、深紅の瞳は私を捉えた。書物を近くにあるテーブルに置いて私に声をかける。
「遅い目覚めねクリスティーン。少し付き合って貰いたいことがあります。いいわよね?」
「はっはい」
そう言われ、セシルたちがすぐに現れ、私の着替えをすませます。どうやらエリザベートのすぐ近くに控えていて、私が起きたらすぐに着替えられるように準備していたようです。私が起きるまで待っていてくださったのですね。
あとはエリザベートがどういう目的で私の元に現れたか。一体彼女は何故ここにいるのでしょうか。私は水色のドレスを着せられる。それを見たエリザベートは、満足そうに私を抱きかかえた。
もしや前みたいに親族の元に連れていかれるパターンでしょうか。少しわくわくしながらエリザベートに抱きかかえられた私は彼女の服をぎゅっと握りしめると、エリザベートは小さな声で呟いた。
「シワになりそうね」
私は聞こえなかったことにした。もう少し娘のことを愛おしく思って欲しい。好感度不足か。いっそもっと強く握ってやろうか。そんなことを考えながら抱えられていると、彼女はそっと立ち止まる。
「ここは?」
周囲を見渡すと、綺麗な廊下に目の前にあるのは大きな扉。だけど、この前の応接室ではない。彼女がどういう目的で私をここに連れてきたのか何もわからなかった。
扉を通ると、中には何もない部屋。窓から光が入る程度で、ここで何かをするとは到底思えない。それに誰かを招いている様子もない。はて?
「貴女、この前時空魔法を使ったそうですね」
「はい、その……見様見真似でなんとか」
どうやら私がこの間の魔術師の子供たちを呼んだお茶会で時空魔法を使ったことが理由で呼び出されたらしい。
「時よ従え……恥ずかしい話だけど、学生時代の私が使っていた口上よ。誰から聞いたの?」
うそ、あれだけ学生時代魔法を使う時は時よ従えって言っていたのに、学生時代の間だけだったの? てゆうか、時空魔法って時よ従えって言わないと出ないと思っていました。なんて言い訳をすればいいのだろうか。そもそも時空魔法が扱えるかどうかすら不明なのに、使い方を知っているかのように行使したことが問題だったのかもしれない。
でもあの時、もし私が遅延を使っていなかったら、もしかしたらけが人が出たかもしれない。だったら、今責められているのも仕方ないかな。
もっとも、今は責められているというよりは、エリザベートは学生時代の黒歴史がどこから流出したかを聞きたがっているとわかると、元悪役令嬢だろうが母親だろうが可愛く見える。そもそも、今のエリザベートはおそらく二十代前半くらいだろう。元アラサーの感覚でいえばまだ若いのだ。
「誰から? えっと?」
さてなんて答えるのが正解だろうか。さすがに乙女ゲームですなんて言えない。言ってしまえば、国中からオトメゲームさんが招集されてしまう。いや、そんな名前の人いないよね。いないよね?
「その……頭に思いついた言葉なんです。でも嬉しいです。敬愛するお母様と同じ口上だったなんて」
私がそういってエリザベートに微笑むと、彼女は俯いて肩をプルプルと震わせていた。どうやらお母様大好きアピールは失敗したらしい。
その後はすぐに抱きかかえられ自室に戻されましたが、その間エリザベートは終始無言を貫いていました。耳まで真っ赤になるほど怒っているというのに、叱咤されることなく私は安堵しました。
いつも通りの長い金髪に深紅の瞳。綺麗な顔立ちに釣り目の女性。いつもと違うところと言えば深紅のドレスではなく、白い落ち着いた服であることだ。それでも上質なものであることはよくわかる。彼女は私のベッドのすぐ近くで椅子に座り、書物に目を通していた。
「おはようございますお母様」
無視する訳にもいかず、声をかけると、深紅の瞳は私を捉えた。書物を近くにあるテーブルに置いて私に声をかける。
「遅い目覚めねクリスティーン。少し付き合って貰いたいことがあります。いいわよね?」
「はっはい」
そう言われ、セシルたちがすぐに現れ、私の着替えをすませます。どうやらエリザベートのすぐ近くに控えていて、私が起きたらすぐに着替えられるように準備していたようです。私が起きるまで待っていてくださったのですね。
あとはエリザベートがどういう目的で私の元に現れたか。一体彼女は何故ここにいるのでしょうか。私は水色のドレスを着せられる。それを見たエリザベートは、満足そうに私を抱きかかえた。
もしや前みたいに親族の元に連れていかれるパターンでしょうか。少しわくわくしながらエリザベートに抱きかかえられた私は彼女の服をぎゅっと握りしめると、エリザベートは小さな声で呟いた。
「シワになりそうね」
私は聞こえなかったことにした。もう少し娘のことを愛おしく思って欲しい。好感度不足か。いっそもっと強く握ってやろうか。そんなことを考えながら抱えられていると、彼女はそっと立ち止まる。
「ここは?」
周囲を見渡すと、綺麗な廊下に目の前にあるのは大きな扉。だけど、この前の応接室ではない。彼女がどういう目的で私をここに連れてきたのか何もわからなかった。
扉を通ると、中には何もない部屋。窓から光が入る程度で、ここで何かをするとは到底思えない。それに誰かを招いている様子もない。はて?
「貴女、この前時空魔法を使ったそうですね」
「はい、その……見様見真似でなんとか」
どうやら私がこの間の魔術師の子供たちを呼んだお茶会で時空魔法を使ったことが理由で呼び出されたらしい。
「時よ従え……恥ずかしい話だけど、学生時代の私が使っていた口上よ。誰から聞いたの?」
うそ、あれだけ学生時代魔法を使う時は時よ従えって言っていたのに、学生時代の間だけだったの? てゆうか、時空魔法って時よ従えって言わないと出ないと思っていました。なんて言い訳をすればいいのだろうか。そもそも時空魔法が扱えるかどうかすら不明なのに、使い方を知っているかのように行使したことが問題だったのかもしれない。
でもあの時、もし私が遅延を使っていなかったら、もしかしたらけが人が出たかもしれない。だったら、今責められているのも仕方ないかな。
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