54 / 228
54話 魔力測定
しおりを挟む
クラスメイト達と仲良くなれるかどうかドキドキしていましたが、今はそれどころではありません。
初顔合わせから入学式を終え、教室に戻って十分の休憩時間。私の周りにはドッと押し寄せるクラスメイト達。
「ちょっ!? 皆様、同時に話されても聞き取れませんわ!」
みんな、姫である私と会話をしたいはずなのに、なぜか一番重要な私の声が届きません。何故集まった!
スザンヌが防壁を作ろうにも一方向が限度。これどうすればいいのよ。
「守護魔法、泡沫」
突然、私とスザンヌを包み込むように、泡状の結界が形成されました。泡の結界は柔らかく、外側に触れた相手をゆっくり押し出します。
その結界は一定まで膨れ上がった所で、パチンッと音を鳴らして弾けました。
「皆様、落ち着いてください。姫様が困っていますよ?」
「ミゲル」
どうやら先ほどの結界もミゲルの守護魔法のようです。固い防壁を作る以外のこともできたのですね。
今度、一人でいる時に使ってみようかしら。
周囲の生徒たちはやっと自分たちの興奮気味な様子で私に集まってきたことが、私の迷惑になっていたことに気付き、一人ずつ話しかけて貰えるようにしました。
一部の男子生徒はミゲルに対して、一人だけかっこつけやがってと文句を言ったり、逆に一部の女子生徒はミゲルをかっこいいと囁いていた。
そりゃあ、乙女ゲームの攻略対象かつ騎士の息子ですから、かっこつけるのも上手だし、当然かっこいいわよね。
…………ミゲルに彼女ができる前に【橙】のワンダーオーブを回収しないと、もしミゲルに彼女ができた後に私と二人で行動しているところを彼女さんに目撃されたら申し訳ないわね。他の皆様もそうよね。
どちらにせよ先に卒業するアレクシスからよね。【青】のワンダーオーブを最初の目標にしましょう。
そして後は彼女が作れそうな順番でミゲル、ジョアサン、リビオ。ビルジニは女の子同士だし最後でいいかしら。
その間に【紫】のワンダーオーブも考えておきましょうか。
でもまずはこの学園生活に慣れることよね。私が数人のクラスメイトと話しつつ、ちらりと幼馴染でもあるミゲルの方に視線を向ける。
いつの間にか、騎士に憧れる男子生徒や、一部の女子生徒がミゲルの方に集中していました。
女子たちはそれこそ恋をしていたのだと思います。恋か…………私もするのかな。
しばらくしてアンヌ先生が教室に戻ってきました。全員で教室の外に向かいます。どこに行くのでしょうか。
その後もしばらく廊下を歩き続けますと、野球場が二個くらいすっぽり入りそうなほど広いグランドがありました。
そこには他のクラスの生徒たちも集められています。
「はぁい。皆さんこんにちはぁ。Aクラス担任のアンヌ・ド・モローですぅ。これから皆さんには魔力量の測定をして頂きますぅ!」
先生の声は、何も使っていないのに、大きな音としてグランド全体に響き渡ります。
あれは波動魔法拡声器。…………日本人が考えたゲームの世界のせいか、ゲームに出てこない魔法の名前ですら不思議なネーミングしているわね。
「質問です! 何故グランドでやる必要があるのですか?」
一部の生徒がアンヌ先生に質問をすると、アンヌ先生はにこりと笑う。
「まれにぃ。一部の生徒は魔力が強すぎてぇ、教室を破壊しちゃうからですぅ!」
ちょっと危険すぎません?
その後の先生の説明を要約すると、どうやら魔力測定には、本人の内蔵しているすべての魔力を一度放出し、それをまた本人に戻すことで測定をするそうです。
もしかして数値でわかるのかと思い、私も質問をすると、測定機に向かって全ての魔力を放出し、放出した際に測定機についた針の動きで魔力量がわかるそうです。多分、握力測定と似たような感じですね。力が入ると針が動いてメモリを読む。多分そう!
名簿順の為、最初は私から。ちょっとドキドキするなぁ。ジェラールとエリザベートのハイブリッドだし、いきなり優秀な成績叩きだしちゃうんだろうな。測定器は両腕に腕輪をはめて、腕輪が測定器に有線で繋がっているみたいです。そこまで準備ができたら、あとは測定器を操作する側が魔力を抜き取って返却するそうです。
「宜しいですかぁ? …………城壁」
「はい! …………え? 城壁?」
この時、どうして私は考えなかったのでしょうか。王家と公爵家の血筋である自分が、稀のケースである可能性を。先生が私を見た瞬間に迷わず自分に結界を張ったことを。
測定器と先生の間には分厚い城壁が形成されました。先生は波動魔法と守護魔法が使えるみたいですね。そんなことより…………つまりそういうことね。
測定器は私の目の前で大爆発を起こす。当然、目の前にいた私は思いっきり後方に吹き飛ばされることになりますが、そこはさすがだと思いました。爆破に襲われる直前、私の真横で控えていたスザンヌが付与魔法で私を無敵化しました。
他のクラスメイト達もAクラスは守護魔法に適性を持つ生徒が在籍しているおかげで多重防壁が形成されて難を逃れました。
「えーっとぉ、クリスティーンさんはぁ…………測定不能ねぇ」
「えぇ…………」
魔力測定器はよく爆発するそうですが、時空魔法の使い手がさっさと直してしまいました。私も今度から物を壊したら時間戻そっと。
初顔合わせから入学式を終え、教室に戻って十分の休憩時間。私の周りにはドッと押し寄せるクラスメイト達。
「ちょっ!? 皆様、同時に話されても聞き取れませんわ!」
みんな、姫である私と会話をしたいはずなのに、なぜか一番重要な私の声が届きません。何故集まった!
スザンヌが防壁を作ろうにも一方向が限度。これどうすればいいのよ。
「守護魔法、泡沫」
突然、私とスザンヌを包み込むように、泡状の結界が形成されました。泡の結界は柔らかく、外側に触れた相手をゆっくり押し出します。
その結界は一定まで膨れ上がった所で、パチンッと音を鳴らして弾けました。
「皆様、落ち着いてください。姫様が困っていますよ?」
「ミゲル」
どうやら先ほどの結界もミゲルの守護魔法のようです。固い防壁を作る以外のこともできたのですね。
今度、一人でいる時に使ってみようかしら。
周囲の生徒たちはやっと自分たちの興奮気味な様子で私に集まってきたことが、私の迷惑になっていたことに気付き、一人ずつ話しかけて貰えるようにしました。
一部の男子生徒はミゲルに対して、一人だけかっこつけやがってと文句を言ったり、逆に一部の女子生徒はミゲルをかっこいいと囁いていた。
そりゃあ、乙女ゲームの攻略対象かつ騎士の息子ですから、かっこつけるのも上手だし、当然かっこいいわよね。
…………ミゲルに彼女ができる前に【橙】のワンダーオーブを回収しないと、もしミゲルに彼女ができた後に私と二人で行動しているところを彼女さんに目撃されたら申し訳ないわね。他の皆様もそうよね。
どちらにせよ先に卒業するアレクシスからよね。【青】のワンダーオーブを最初の目標にしましょう。
そして後は彼女が作れそうな順番でミゲル、ジョアサン、リビオ。ビルジニは女の子同士だし最後でいいかしら。
その間に【紫】のワンダーオーブも考えておきましょうか。
でもまずはこの学園生活に慣れることよね。私が数人のクラスメイトと話しつつ、ちらりと幼馴染でもあるミゲルの方に視線を向ける。
いつの間にか、騎士に憧れる男子生徒や、一部の女子生徒がミゲルの方に集中していました。
女子たちはそれこそ恋をしていたのだと思います。恋か…………私もするのかな。
しばらくしてアンヌ先生が教室に戻ってきました。全員で教室の外に向かいます。どこに行くのでしょうか。
その後もしばらく廊下を歩き続けますと、野球場が二個くらいすっぽり入りそうなほど広いグランドがありました。
そこには他のクラスの生徒たちも集められています。
「はぁい。皆さんこんにちはぁ。Aクラス担任のアンヌ・ド・モローですぅ。これから皆さんには魔力量の測定をして頂きますぅ!」
先生の声は、何も使っていないのに、大きな音としてグランド全体に響き渡ります。
あれは波動魔法拡声器。…………日本人が考えたゲームの世界のせいか、ゲームに出てこない魔法の名前ですら不思議なネーミングしているわね。
「質問です! 何故グランドでやる必要があるのですか?」
一部の生徒がアンヌ先生に質問をすると、アンヌ先生はにこりと笑う。
「まれにぃ。一部の生徒は魔力が強すぎてぇ、教室を破壊しちゃうからですぅ!」
ちょっと危険すぎません?
その後の先生の説明を要約すると、どうやら魔力測定には、本人の内蔵しているすべての魔力を一度放出し、それをまた本人に戻すことで測定をするそうです。
もしかして数値でわかるのかと思い、私も質問をすると、測定機に向かって全ての魔力を放出し、放出した際に測定機についた針の動きで魔力量がわかるそうです。多分、握力測定と似たような感じですね。力が入ると針が動いてメモリを読む。多分そう!
名簿順の為、最初は私から。ちょっとドキドキするなぁ。ジェラールとエリザベートのハイブリッドだし、いきなり優秀な成績叩きだしちゃうんだろうな。測定器は両腕に腕輪をはめて、腕輪が測定器に有線で繋がっているみたいです。そこまで準備ができたら、あとは測定器を操作する側が魔力を抜き取って返却するそうです。
「宜しいですかぁ? …………城壁」
「はい! …………え? 城壁?」
この時、どうして私は考えなかったのでしょうか。王家と公爵家の血筋である自分が、稀のケースである可能性を。先生が私を見た瞬間に迷わず自分に結界を張ったことを。
測定器と先生の間には分厚い城壁が形成されました。先生は波動魔法と守護魔法が使えるみたいですね。そんなことより…………つまりそういうことね。
測定器は私の目の前で大爆発を起こす。当然、目の前にいた私は思いっきり後方に吹き飛ばされることになりますが、そこはさすがだと思いました。爆破に襲われる直前、私の真横で控えていたスザンヌが付与魔法で私を無敵化しました。
他のクラスメイト達もAクラスは守護魔法に適性を持つ生徒が在籍しているおかげで多重防壁が形成されて難を逃れました。
「えーっとぉ、クリスティーンさんはぁ…………測定不能ねぇ」
「えぇ…………」
魔力測定器はよく爆発するそうですが、時空魔法の使い手がさっさと直してしまいました。私も今度から物を壊したら時間戻そっと。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる