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71話 悪役令嬢のメッキ
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入学して約一か月。いつも通りジャンヌさんと一緒に授業を受けている最中、今日の授業はグランドに出てお互いの波動を押し合う魔力コントロールの時間だ。
私もなんとかジャンヌさん相当の波動を彼女に飛ばす。そんなことをしている中で、ジャンヌさんが私に声をかけてきました。
「姫様姫様! 最近、姫様とジョアサン君がよくご一緒しているような気がしますが、そう言うことなのですか?」
「ばっ!? 違わわよそういう訳じゃないわ!!」
ちょっとジャンヌさんなんてこと言うのよ。いくら他の生徒たちとある程度距離が離れているからと言っても、左右の生徒からは聞こえてもおかしくない距離。私は一瞬コントロールが狂ってしまい、私の波動が一方的に押し勝ってしまいました。
「きゃっ!」
「ジャンヌさん!!」
私の波動魔法で押し出されたジャンヌさんは、しりもちをついてしまいます。私は慌ててジャンヌさんに駆け寄り手を貸そうとしました。そんな時、周囲からは聞こえる言葉。
「あーあ、やっぱり平民じゃ姫様の相手なんて無理よ」「うわぁあんなに手加減して貰っていたのに、押し負けてやんの」「早くやめてくれないかな」
間違いなくジャンヌさんを蔑む言葉。ここしばらく彼女には普通に接しすぎていたから、あの時の私の言動が演技だってバレた? いえ、そんなことはありません。実際誰も私に声をかけようとしないのですから。ではなぜ?
平民と貴族の軋轢。まるでミカエルルートの時を思い出すほどの勢いだ。まってよ。まだジョアサンは噴水に宿る神に認められていないのよ。もし本当に暴動が起きれば【藍】のワンダーオーブなしにどうやって乗り切れっていうのよ。
大丈夫よね、大丈夫。だってここはもうジェラールルートバッドエンドの世界よ。こんなところまでゲームのシナリオが絡んでくるはずないじゃない。
でも、もしヒロインの選択が違うというたった小さな出来事だけで起きた事件だというのならば、ゲーム後の少し先の未来で同じようなことが起きてもおかしくないのではないでしょうか。
私の差し伸べた手を握ろうかためらっているジャンヌさんに気付く。ここでもし起こしてあげれば、私は悪役になりきれない。やっぱり姫様の温情だったんだ。平民に優しくする姫様は優しい。それに比べて平民は図々しい。なんてことになったら、私のせいで彼女が傷つくのではないだろうか。
もう一度思い出す。私が決心した瞬間。彼女の言葉。「叩かれ慣れていますので」その言葉は私にとって呪縛だったのかもしれない。
私の差し伸べた手が震えていることに気付いたジャンヌは思いっきり私の手を掴んで立ちあがった。
「ありがとうございます姫様。私にもいつもお優しいですよね!」
周囲にバレた。いや、バレかけていたものが確信に変わったんだ。私がジャンヌをいじめているという刷り込みが消えてしまったなら、当然貴族生徒たちは、姫と平民が組んだことに嫉妬する。それも、私が庇う目的で悪い人間のフリをしていたことまでバレたとなれば、彼女はなぜ優遇されているのかと思われるかもしれない。
軽率だった。初めから悪役なんてやるのではなく、ゆっくり周囲の貴族生徒から差別意識をなくすように諭すべきだったんだ。
なにより、私は、自分が守ろうと決めたジャンヌに、本当は姫様は優しい方だと周囲に伝えた。彼女はきっとチャンスを伺っていた。なぜなら、周囲の言葉が聞こえているというのに、彼女は笑顔のままだったから。
私はそんな彼女の笑顔をみて、やっぱり彼女は護ろう。私なりのやり方で。
「ジャンヌ、起き上がったならもういいわね。その手を離しなさい」
「はい姫様!!」
私が命令をしても笑顔で受け答えするジャンヌさん。ちょっといい子過ぎて辛い。この子は裏切れないな。でもつらく当たるのはやめない。少なくとも私が命令する立場である限り、貴族生徒からの僻みは緩和されるはずだから。
それに……私はチラリと周囲を見渡すと、ミゲルとカトリーヌさんの二人と視線がぶつかる。二人なら私の真意に気付いている。本来の私を知っているミゲルと、勘も鋭く私相手でも臆することなく意見するカトリーヌさん。
ミゲルなら事情を説明すればいいし、カトリーヌさんは私が彼女にとって間違った行いをしなければ黙ってサポートしてくれる。ここ一か月の彼女の行動を見ていればわかる。彼女から見て私が理想通りならば、彼女は誰にも気づかれずに私を支えてくれる。本当の意味での臣下だ。逆に言えば、彼女にとって気に入らない姫になったならば、その時は覚悟する必要があるでしょう。
これはヒロインの暴走を止めるとか関係なしに、【藍】のワンダーオーブは入手すべきね。
私もなんとかジャンヌさん相当の波動を彼女に飛ばす。そんなことをしている中で、ジャンヌさんが私に声をかけてきました。
「姫様姫様! 最近、姫様とジョアサン君がよくご一緒しているような気がしますが、そう言うことなのですか?」
「ばっ!? 違わわよそういう訳じゃないわ!!」
ちょっとジャンヌさんなんてこと言うのよ。いくら他の生徒たちとある程度距離が離れているからと言っても、左右の生徒からは聞こえてもおかしくない距離。私は一瞬コントロールが狂ってしまい、私の波動が一方的に押し勝ってしまいました。
「きゃっ!」
「ジャンヌさん!!」
私の波動魔法で押し出されたジャンヌさんは、しりもちをついてしまいます。私は慌ててジャンヌさんに駆け寄り手を貸そうとしました。そんな時、周囲からは聞こえる言葉。
「あーあ、やっぱり平民じゃ姫様の相手なんて無理よ」「うわぁあんなに手加減して貰っていたのに、押し負けてやんの」「早くやめてくれないかな」
間違いなくジャンヌさんを蔑む言葉。ここしばらく彼女には普通に接しすぎていたから、あの時の私の言動が演技だってバレた? いえ、そんなことはありません。実際誰も私に声をかけようとしないのですから。ではなぜ?
平民と貴族の軋轢。まるでミカエルルートの時を思い出すほどの勢いだ。まってよ。まだジョアサンは噴水に宿る神に認められていないのよ。もし本当に暴動が起きれば【藍】のワンダーオーブなしにどうやって乗り切れっていうのよ。
大丈夫よね、大丈夫。だってここはもうジェラールルートバッドエンドの世界よ。こんなところまでゲームのシナリオが絡んでくるはずないじゃない。
でも、もしヒロインの選択が違うというたった小さな出来事だけで起きた事件だというのならば、ゲーム後の少し先の未来で同じようなことが起きてもおかしくないのではないでしょうか。
私の差し伸べた手を握ろうかためらっているジャンヌさんに気付く。ここでもし起こしてあげれば、私は悪役になりきれない。やっぱり姫様の温情だったんだ。平民に優しくする姫様は優しい。それに比べて平民は図々しい。なんてことになったら、私のせいで彼女が傷つくのではないだろうか。
もう一度思い出す。私が決心した瞬間。彼女の言葉。「叩かれ慣れていますので」その言葉は私にとって呪縛だったのかもしれない。
私の差し伸べた手が震えていることに気付いたジャンヌは思いっきり私の手を掴んで立ちあがった。
「ありがとうございます姫様。私にもいつもお優しいですよね!」
周囲にバレた。いや、バレかけていたものが確信に変わったんだ。私がジャンヌをいじめているという刷り込みが消えてしまったなら、当然貴族生徒たちは、姫と平民が組んだことに嫉妬する。それも、私が庇う目的で悪い人間のフリをしていたことまでバレたとなれば、彼女はなぜ優遇されているのかと思われるかもしれない。
軽率だった。初めから悪役なんてやるのではなく、ゆっくり周囲の貴族生徒から差別意識をなくすように諭すべきだったんだ。
なにより、私は、自分が守ろうと決めたジャンヌに、本当は姫様は優しい方だと周囲に伝えた。彼女はきっとチャンスを伺っていた。なぜなら、周囲の言葉が聞こえているというのに、彼女は笑顔のままだったから。
私はそんな彼女の笑顔をみて、やっぱり彼女は護ろう。私なりのやり方で。
「ジャンヌ、起き上がったならもういいわね。その手を離しなさい」
「はい姫様!!」
私が命令をしても笑顔で受け答えするジャンヌさん。ちょっといい子過ぎて辛い。この子は裏切れないな。でもつらく当たるのはやめない。少なくとも私が命令する立場である限り、貴族生徒からの僻みは緩和されるはずだから。
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これはヒロインの暴走を止めるとか関係なしに、【藍】のワンダーオーブは入手すべきね。
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