BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

文字の大きさ
81 / 228

79話 同性の友達が欲しい

しおりを挟む
 その日の昼食もやはりオリバーが現れることはありませんでした。私はいつも通り食事が終わり次第アレクシスやビルジニのいるテーブルか、ミゲルやリビオのいるテーブルに向かいます。

 今日は伯爵子爵男爵のテーブルの方に行こうかしら。

 ミゲルとリビオの姿を探すと、二人は良くも悪くも騎士団長の息子と魔法省大臣の息子であるためよく目立っています。間違いなく伯爵家の中でもツートップなのでしょう。

 いえ、ぶっちゃけ緑髪のミゲルと黒髪のリビオはどう見ても目立つ。西洋を舞台にしたゲームの世界なのですから当然ですね。黒髪はともかく、わけのわからん髪色の方は、ほとんどがゲーム登場人物関連の血縁の方だけです。

「ミゲル、リビオ!」

 私が二人を呼ぶと、二人はすぐに私の方に顔を向け、起立し、頭を下げます。学園内で姫様扱いをやめてほしいところですが、今はこの権力にすがることで、ジャンヌを護ったという事実がある以上、やめさせる訳には行きませんよね。

 周囲の生徒たちの反応はそれぞれ。定期的にくる私を珍しがる生徒はもういないですが、それでも私が近づいて喜ぶ生徒。私が怖くて目を合わせない生徒。私の思惑通り噂を信じ、睨みつけてくる生徒もいます。その他にも、ミゲルやリビオに気があり、独り占めをしていることが不満だという生徒からも睨まれています。

 本当に姫で助かったわ。こんな人数から恨みを買う人生なんて耐えられないもの。もし私がクリスティーンとして産まれてこなかったのなら、王国崩壊も救おうだなんてかんがえずに逃げていたでしょうね。

「クリスティーン姫、どうかされましたか?」

「何でもないわミゲル。さあ、行きましょう? リビオも付いて来て」

 私は二人を誘ってどこかゆっくりできる場所を探すために歩いていると、私の目の前に、カトリーヌさんがわざわざ現れた。

「御機嫌よう。何か御用でしょうか?」

「姫殿下、今回の魔力スポットのレポート。貴女より成績が良ければ一つお願いを聞いてほしいのだけど」

「願い次第ね」

 ここで二つ返事で了承なんてしてはいけない。負けるのが怖いから。そもそも、私とジャンヌさんのペアは決して成績優秀のパートナーではない。それに対してカトリーヌさんとそのパートナーのペアはクラス内成績一位。なぜ一位側からそんな要求を受けなければいけないのだろうか。

「こ、ここでは言えないわ!」

「……わかりました。あとで貴女の方から私のところに来てください。私自ら時間を割く理由はありませんので」

 彼女の為にわざわざ時間を作る必要はない。ここで言えない要求となると、私以外に聞かせられないってことかしら。国家機密? それとも、ミゲルやリビオだからダメ? まあ、いいわ。

 入学初日からやけに私にライバル意識を向けていた原因がわかりそうですし、相手になってあげる。

 でも、レポート作成開始までに来てよね? 終わってから来られても、やる気に影響が出そうですし。

 私はそう考えながら、再びミゲルとリビオを連れて歩き始めました。たどり着いた先はたまに利用するカフェテリアの丸いテーブル。そのテーブルを三人で囲み、特に変わることない話をして時間を過ごす。

 二人と会話をしていて少しだけ不満なことがあります。私って一緒にお昼休みを過ごす人ってミゲルにリビオ、アレクシスとビルジニでほとんど男の子なのよね。

 こうしていつも同じメンバーと話していて思うのは、同性の友達ももっと作ればよかったなと思うことでした。ワンダーオーブを手に入れることに意識しすぎて、私にはまともな同性の友達がいない。

 ビルジニ? 彼女はそのまともというカテゴリから除外しても良いですよね? 後はジャンヌさんも友人のつもりで接して欲しいのですが、あれでは従者。従者以外の何者でもありませんわ。命令してやっとちょっとだけ親し気になってくれますが、時間がたつと完全に上下関係のある会話に戻ります。

 とにかく同性の友達が欲しい。…………そうだわ、利用できることがあるじゃない。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

処理中です...