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80話 諦めないものと欲しいものと今は手が出せないもの
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放課後、ジャンヌさんには先に図書館に行ってもらい、私はカトリーヌさんと二人でどこか二人きりになれる場所に向かうことにしました。
横顔を見れば見るほど、彼女の顔はエリザベートに似ているように見える。むしろその紅い瞳はエリザベートのものそのものと疑うほどだ。
もしや私達は意外と親戚関係だったりするのだろうか。エリザベートの実家もカトリーヌさんの実家も公爵家ですし、あり得ないこともないですよね。紅い眼は遺伝なのね。
「何かしら?」
「いいえ、貴女の瞳って綺麗な赤なのね」
「…………? それが何か?」
「母も同じ目なのよ」
「エリザベート王妃殿下が?」
「あったことないの?」
「遠目で見たことならあるわ。瞳の色までわかる距離まで近づいたことないもの」
なるほど、確かに瞳の色なんてある程度近づかないとわからないものよね。カトリーヌさんも自分の瞳の色とエリザベートの瞳の色が一緒だとは思っていなかったみたいですが、それ以上は彼女も考えることはありませんでした。
「貴女って普通に話してくれるのね」
「公爵令嬢ごときが姫を無視できる訳ないでしょ?」
「……貴女って割と最初のころから私に反発的でしたし、もう少し好きにしても今更としか思いまいませんよ?」
「え? 私がですか? 姫様の勘違いでは?」
えー? 挑発してきたり、ライバル意識バリバリで絡んで来たりしたあれ無自覚なんですか? まあ、もうそんなことなんて関係ないんですけどね。
階段を登り切り、教室のある南棟の校舎の屋上に私とカトリーヌさん二人が向かいある。
「誰もいませんね」
「ではここで宜しいかしら? 話して頂戴。カトリーヌさん、私が負けた時の貴方のお願いを」
私がそういうと、カトリーヌさんはどこか遠くを見つめる。言い出しにくいことなのでしょうか。私もジャンヌさんを待たせている以上、そこまで時間を取りたくないんですけど。
「私、一目ぼれでしたの」
「…………?」
「入学式の日、貴女はリビオ様と二人で登校されていましたよね?」
…………あー、全てが繋がりましたわ。つまりカトリーヌさんが私に対抗意識を持っていたのは、入学式の日にリビオと登校してしまったせいなのね。
「つまりカトリーヌさんはリビオに一目ぼれして、私に嫉妬しているのね」
「…………まあ、そう捕らえても問題ありませんわ」
「私とリビオの間に恋愛関係なんて…………」
ないのか? 少なくとも私にはない。でもリビオは? まあ、当人の気持ちの問題ですし私が深く突っ込むことではありませんよね。
「リビオ様は姫様のことをお慕いしています。ですから私が勝った時は金輪際、リビオ様と関わらないでくださりますか?」
「え? …………え?」
それはマズイ。私はまだ【緑】のワンダーオーブを手に入れていない。それにリビオが私のことを好きですって? 何かの勘違いとかではなくて?
これもし負けることを想定したら、レポート期間中に【緑】のワンダーオーブを手に入れる必要がありますよね? …………いえ、そんな簡単な話じゃないですよ。
カトリーヌさんの気持ちはわからないこともありません。幼馴染の姫様がいる男に一目ぼれなんてしてしまったからこそ、私に勝って自信が欲しいんだ。私だってあの人に恋をしていいって。なんだ、かなり乙女じゃん。
別に恋する資格なんて誰でも平等にあるべきですが、彼女は自信が欲しいのね。
本当はこんなばかばかしい勝負なんて受けたくないのだけれど、彼女は私に明かすつもりのない恋心まで明かした以上、私も正々堂々と受けて、正面からぶつかってあげるべきよね。
「ではこちらが勝った場合の条件も受けて頂きますよね?」
「…………構わないわ」
でもね、カトリーヌさん。私は【緑】のワンダーオーブも、友人と過ごす時間も諦められないのよね!!
「私が勝ったら、貴女の一番の親友は私。私の末席の友人は貴女。どう?」
「はぁ!? なによその差。そこは互いに大親友にしてよ」
「私は負けたら友人を失うのに、なんで貴女が勝って姫である私の一番の親友にしなければいけないのですか?」
「…………まあ、いいわ。勝つのは私。その条件でも関係ない」
カトリーヌさんはさっさと屋上から出ていってしまう。私はその背中を眺めながらふと思った。
リビオが私のことを好きね。あまり考えたことなんてありませんでしたが、幼馴染として九年も過ごしたのですから、そういう風に思う人が現れてもおかしくはないのよね。どうしましょう。急に告白なんてされてしまったら、なんて答えれば?
もしかしたらミゲルやアレクシスもなんてことになっていたらどうしましょう。姫の浮気疑惑発覚とか、イケメンハーレムを作っていたとかそういう噂話嫌よ。
やっぱり地位のある女の友人って必要よね。
恋か。私が今はまだなんて思っていても、誰かの中ではもう始まっている物なのね。
横顔を見れば見るほど、彼女の顔はエリザベートに似ているように見える。むしろその紅い瞳はエリザベートのものそのものと疑うほどだ。
もしや私達は意外と親戚関係だったりするのだろうか。エリザベートの実家もカトリーヌさんの実家も公爵家ですし、あり得ないこともないですよね。紅い眼は遺伝なのね。
「何かしら?」
「いいえ、貴女の瞳って綺麗な赤なのね」
「…………? それが何か?」
「母も同じ目なのよ」
「エリザベート王妃殿下が?」
「あったことないの?」
「遠目で見たことならあるわ。瞳の色までわかる距離まで近づいたことないもの」
なるほど、確かに瞳の色なんてある程度近づかないとわからないものよね。カトリーヌさんも自分の瞳の色とエリザベートの瞳の色が一緒だとは思っていなかったみたいですが、それ以上は彼女も考えることはありませんでした。
「貴女って普通に話してくれるのね」
「公爵令嬢ごときが姫を無視できる訳ないでしょ?」
「……貴女って割と最初のころから私に反発的でしたし、もう少し好きにしても今更としか思いまいませんよ?」
「え? 私がですか? 姫様の勘違いでは?」
えー? 挑発してきたり、ライバル意識バリバリで絡んで来たりしたあれ無自覚なんですか? まあ、もうそんなことなんて関係ないんですけどね。
階段を登り切り、教室のある南棟の校舎の屋上に私とカトリーヌさん二人が向かいある。
「誰もいませんね」
「ではここで宜しいかしら? 話して頂戴。カトリーヌさん、私が負けた時の貴方のお願いを」
私がそういうと、カトリーヌさんはどこか遠くを見つめる。言い出しにくいことなのでしょうか。私もジャンヌさんを待たせている以上、そこまで時間を取りたくないんですけど。
「私、一目ぼれでしたの」
「…………?」
「入学式の日、貴女はリビオ様と二人で登校されていましたよね?」
…………あー、全てが繋がりましたわ。つまりカトリーヌさんが私に対抗意識を持っていたのは、入学式の日にリビオと登校してしまったせいなのね。
「つまりカトリーヌさんはリビオに一目ぼれして、私に嫉妬しているのね」
「…………まあ、そう捕らえても問題ありませんわ」
「私とリビオの間に恋愛関係なんて…………」
ないのか? 少なくとも私にはない。でもリビオは? まあ、当人の気持ちの問題ですし私が深く突っ込むことではありませんよね。
「リビオ様は姫様のことをお慕いしています。ですから私が勝った時は金輪際、リビオ様と関わらないでくださりますか?」
「え? …………え?」
それはマズイ。私はまだ【緑】のワンダーオーブを手に入れていない。それにリビオが私のことを好きですって? 何かの勘違いとかではなくて?
これもし負けることを想定したら、レポート期間中に【緑】のワンダーオーブを手に入れる必要がありますよね? …………いえ、そんな簡単な話じゃないですよ。
カトリーヌさんの気持ちはわからないこともありません。幼馴染の姫様がいる男に一目ぼれなんてしてしまったからこそ、私に勝って自信が欲しいんだ。私だってあの人に恋をしていいって。なんだ、かなり乙女じゃん。
別に恋する資格なんて誰でも平等にあるべきですが、彼女は自信が欲しいのね。
本当はこんなばかばかしい勝負なんて受けたくないのだけれど、彼女は私に明かすつもりのない恋心まで明かした以上、私も正々堂々と受けて、正面からぶつかってあげるべきよね。
「ではこちらが勝った場合の条件も受けて頂きますよね?」
「…………構わないわ」
でもね、カトリーヌさん。私は【緑】のワンダーオーブも、友人と過ごす時間も諦められないのよね!!
「私が勝ったら、貴女の一番の親友は私。私の末席の友人は貴女。どう?」
「はぁ!? なによその差。そこは互いに大親友にしてよ」
「私は負けたら友人を失うのに、なんで貴女が勝って姫である私の一番の親友にしなければいけないのですか?」
「…………まあ、いいわ。勝つのは私。その条件でも関係ない」
カトリーヌさんはさっさと屋上から出ていってしまう。私はその背中を眺めながらふと思った。
リビオが私のことを好きね。あまり考えたことなんてありませんでしたが、幼馴染として九年も過ごしたのですから、そういう風に思う人が現れてもおかしくはないのよね。どうしましょう。急に告白なんてされてしまったら、なんて答えれば?
もしかしたらミゲルやアレクシスもなんてことになっていたらどうしましょう。姫の浮気疑惑発覚とか、イケメンハーレムを作っていたとかそういう噂話嫌よ。
やっぱり地位のある女の友人って必要よね。
恋か。私が今はまだなんて思っていても、誰かの中ではもう始まっている物なのね。
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