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86話 記憶共有
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家族との食事を終えた私は、部屋に戻りブランクと一対一で会話をする。
「調査報告なんだが、とりあえず記憶共有でいいか?」
「とりあえず待って。記憶共有って何?」
「俺の記憶を移植する」
「…………?」
普通は人の記憶なんて移植できないでしょ? 大体私にクリスティーン以外の記憶があったらおかしいでしょ。つまりそう言うことよ。
そんなことをいとも簡単に言うブランク。まあ、彼ならそれができても違和感はないのでしょうね。
私は深く深呼吸をしてそれを受け入れる準備をする。
「さあ、やって頂戴」
「ああ」
ブランクは一歩。また一歩と私に近づきます。私とブランクは私の方が背が低いので、あまり近づきすぎると、貴方の顔が見えてしまいますが、宜しいのでしょうか。ですが、あえてそれは口に出さず、彼の接近を許します。
「あんた姫だったな。不敬とか騒ぎだずなよ?」
「それ、今更じゃなくて?」
ブランクの顔があと少しで見えるその瞬間。彼は私を抱き寄せ、私の視界は彼の胸部。黒装束の為真っ暗闇に覆われます。そして額には生暖かくも柔らかい感触。
「何するのよ!!」
私は突き飛ばす様にブランクを押し返すと、彼はすんなりと離れてくださりました。
「不敬よ!!!!」
「今更なんだろ?」
「あああああああああああああああもおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああ」
ん? 何かわかりませんが、身に覚えのない記憶が私の中に入り込んできます。今日の放課後。私とジョアサン、ブランクの三人が別れた時です。やはり、この時にはウィルフリードの姿がありませんね。
そしてその記憶は私の方ではなく、ブランクの視点としてジョアサンと肩を並べて歩いていました。視界が少し高いじゃない。
『おい悪魔』
『なんだなりそこない』
なりそこない? どういう意味かしら。
『いつになったらクリスティーン姫から出ていくつもりだ?』
『条件が揃えばだな。無理やりは除霊できないぞ。見ての通り実体化もできるほどだ』
ブランクとジョアサンのお話が全然分かりませんが、早く暴動の調査を初めて下さらないかしら。二人が歩き続けると、平民食堂の中に入っていきます。誰一人としてブランクをよそ者と認知せずに、目立たない平凡な生徒と認識しているのでしょう。
クラスが違えば接点も少ない。国中から集められているから知らない人がいても違和感がない。やはりブランクで正解でしたね。他のみんなに頼めば、クラスメイトたちが気付くでしょう。
『あっちだ』
ジョアサンがそう言って歩き始める姿に、ブランクの体はついて行く。首が動かせないのって辛いわね。我慢我慢。
数名の生徒たちが一か所に集まって何かを話し合っています。ここは平民生徒の集まる食堂。貴族生徒にバレずに活動をするにはもってこいなのでしょう。それに今は放課後。つまりここに集まっている生徒たちは皆そのつもりでここにいるのでしょう。
てゆうか、ジョアサンはここにいて大丈夫なのかしら。確かに正式な貴族ではなく大司教の息子だから侯爵家相当の扱いですけど。その心配も杞憂に終わる。ジョアサンは彼らの仲間内にすんなりと入り込んで話し合いに参加し始めた。
そして誰もブランクを怪しまない。本当に潜り込むのね。しばらく彼らの話し合いを聞いていると主犯格の男子生徒はローラン・ディ・ブアディという男子生徒で、水色の髪にさらさらの髪質でちょっと男子のくせに羨ましいタイプでした。
てゆうか、良い生活してそうですけど、商家の息子とかでしょうか。暴動を起こすほど生活が苦しそうに見えませんね。となると考えられるのは学園での貴族生徒と平民生徒の差罰。それの撤廃でしょう。
彼らはジョアサンとブランクの前で大まかな作戦内容と結構日。誰が何をするのかを堂々としゃべってくれました。その中で主犯のローランが隠し玉も手に入れたと言っていましたが、その隠し玉は不明だそうです。
そして記憶の共有はここで終わりました。
「十分か?」
「共有の件は十分ですけど、共有の仕方はもう少し何とかしてください」
「いいだろ別に」
そう言ったブランクは黒い靄になって消え去ってしまいました。
私はその場に腰が砕けたように座り込みます。
まさか、こんな男に額ですが、口づけを許すことになるとは思いませんでした。
「調査報告なんだが、とりあえず記憶共有でいいか?」
「とりあえず待って。記憶共有って何?」
「俺の記憶を移植する」
「…………?」
普通は人の記憶なんて移植できないでしょ? 大体私にクリスティーン以外の記憶があったらおかしいでしょ。つまりそう言うことよ。
そんなことをいとも簡単に言うブランク。まあ、彼ならそれができても違和感はないのでしょうね。
私は深く深呼吸をしてそれを受け入れる準備をする。
「さあ、やって頂戴」
「ああ」
ブランクは一歩。また一歩と私に近づきます。私とブランクは私の方が背が低いので、あまり近づきすぎると、貴方の顔が見えてしまいますが、宜しいのでしょうか。ですが、あえてそれは口に出さず、彼の接近を許します。
「あんた姫だったな。不敬とか騒ぎだずなよ?」
「それ、今更じゃなくて?」
ブランクの顔があと少しで見えるその瞬間。彼は私を抱き寄せ、私の視界は彼の胸部。黒装束の為真っ暗闇に覆われます。そして額には生暖かくも柔らかい感触。
「何するのよ!!」
私は突き飛ばす様にブランクを押し返すと、彼はすんなりと離れてくださりました。
「不敬よ!!!!」
「今更なんだろ?」
「あああああああああああああああもおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああ」
ん? 何かわかりませんが、身に覚えのない記憶が私の中に入り込んできます。今日の放課後。私とジョアサン、ブランクの三人が別れた時です。やはり、この時にはウィルフリードの姿がありませんね。
そしてその記憶は私の方ではなく、ブランクの視点としてジョアサンと肩を並べて歩いていました。視界が少し高いじゃない。
『おい悪魔』
『なんだなりそこない』
なりそこない? どういう意味かしら。
『いつになったらクリスティーン姫から出ていくつもりだ?』
『条件が揃えばだな。無理やりは除霊できないぞ。見ての通り実体化もできるほどだ』
ブランクとジョアサンのお話が全然分かりませんが、早く暴動の調査を初めて下さらないかしら。二人が歩き続けると、平民食堂の中に入っていきます。誰一人としてブランクをよそ者と認知せずに、目立たない平凡な生徒と認識しているのでしょう。
クラスが違えば接点も少ない。国中から集められているから知らない人がいても違和感がない。やはりブランクで正解でしたね。他のみんなに頼めば、クラスメイトたちが気付くでしょう。
『あっちだ』
ジョアサンがそう言って歩き始める姿に、ブランクの体はついて行く。首が動かせないのって辛いわね。我慢我慢。
数名の生徒たちが一か所に集まって何かを話し合っています。ここは平民生徒の集まる食堂。貴族生徒にバレずに活動をするにはもってこいなのでしょう。それに今は放課後。つまりここに集まっている生徒たちは皆そのつもりでここにいるのでしょう。
てゆうか、ジョアサンはここにいて大丈夫なのかしら。確かに正式な貴族ではなく大司教の息子だから侯爵家相当の扱いですけど。その心配も杞憂に終わる。ジョアサンは彼らの仲間内にすんなりと入り込んで話し合いに参加し始めた。
そして誰もブランクを怪しまない。本当に潜り込むのね。しばらく彼らの話し合いを聞いていると主犯格の男子生徒はローラン・ディ・ブアディという男子生徒で、水色の髪にさらさらの髪質でちょっと男子のくせに羨ましいタイプでした。
てゆうか、良い生活してそうですけど、商家の息子とかでしょうか。暴動を起こすほど生活が苦しそうに見えませんね。となると考えられるのは学園での貴族生徒と平民生徒の差罰。それの撤廃でしょう。
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そして記憶の共有はここで終わりました。
「十分か?」
「共有の件は十分ですけど、共有の仕方はもう少し何とかしてください」
「いいだろ別に」
そう言ったブランクは黒い靄になって消え去ってしまいました。
私はその場に腰が砕けたように座り込みます。
まさか、こんな男に額ですが、口づけを許すことになるとは思いませんでした。
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