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97話 期待そして疑惑
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夜、私が眠ろうと思ってベッドに向かって歩いている時、ベッドに腰を掛けている黒ずくめの男がいた。普通なら不審者を発見して声をあげるところですが、この黒ずくめは間違いなく私の知り合いだ。
「ブランク?」
「ああ、だいたい十日ぶりか?」
「ごめんなさい。貴方と言葉を交わせなかった日を数える趣味はないの」
「嫌われてなければ問題ねーよ」
そう言ったブランクはベッドから立ち上がります。そろそろレディとして扱ってもいいと思いますが、彼の中の私はいつまでも五歳児なのでしょう。まあ、いいわ。
しかし、このタイミングでなぜ現れたというのかしら。私が疑問を抱いていると、彼の方から話し始めました。
「次のワンダーオーブはいつ取りに行くつもりだ」
「ああ、もう少し待って頂戴。今回は貴方の協力も不要よ。多分ね」
「一つ目を難なく手にしたんだ。お前を信用しよう」
ブランクの呟きに対して、私はむしろ貴方の方が信用できないわ。そういい返したかった。しかし、彼と私では実力差がありすぎるし、万が一の時に頼れなくなるのは惜しい。
「それで他には本当に何もないの?」
「いや…………今日ここに来た娘がいるだろ?」
「カトリーヌさんのこと?」
ブランクが他人に興味を示すなんて珍しいわね。今までそんなリアクションしたことはなかったはずなのに。まさかカトリーヌさんのことが気になっているとか。でも、カトリーヌさんはリビオのことが好きでリビオは………………………………好きな人いるのかしら?
「何か気になったのかしら?」
「ちょっとな。まあ、あいつ本人は無関係の話だ」
「ふーん」
ブランクの考えることはわからない。そもそも彼は、過去に私を異質と呼んだが、彼こそ異質だろう。転生者である私ですら使えない存在しない魔法を平然と使い、ワンダーオーブの存在も既に知っていた。何事もなく王宮に現れ、私が他と違うと何らかの手段で見抜いた。
この男は何者で、なぜワンダーオーブを必要にしているのだろうか。彼が操る魔法の正体も彼の素顔も本当の名前も私は知らない。知っていることは、【藍】ではないワンダーオーブが欲しいことだけ。
「なんだ?」
「何よ?」
私が彼をまじまじと見ていたせいか、彼はその視線に気付き私に話しかけてきます。私はそれに気付かないフリをして言葉の意味を理解していないような発言を返しました。ブランクはしばらく無言のままでしたが、【藍】のワンダーオーブを眺めて呟きます。
「ワンダーオーブは全部で何個あるんだ?」
「そういうことは知らないのね。私が知っているのは七個よ」
ワンダーオーブは浄化魔法を使うための魔道具であると同時に、所持者の潜在能力を高めることができます。もっとも、どのように潜在能力が高まるかまではよく理解しておりませんが。
「貴方はワンダーオーブで取り戻したいもの? があるんでしたっけ? それがなんなのか教えてくれないのかしら? 信用してくれているなら、教えて欲しいわ」
「…………記憶だ」
そう言ったブランクは、黒い靄になってその場から消えてしまいました。これ以上は答えられないという意思表示なんだと、私は気付き彼を呼び止めることができませんでした。
「信頼してくれているっていうのは…………嘘じゃないのね」
窓の外を眺め、恒星の光を反射した衛星の灯りが目に映る。初めて彼とあったの…………あの衛星を眺めていた時ね。
――月…………確かこの世界の名前は…………
――衛星《レティシア》。夜の女神の名前だね。こんばんは美しい姫様
………………………………ッ!? よく考えればこの会話。絶対におかしい。
まだ貴方には聞かなければいけないことがたくさんありそうね、ブランク。
「ブランク?」
「ああ、だいたい十日ぶりか?」
「ごめんなさい。貴方と言葉を交わせなかった日を数える趣味はないの」
「嫌われてなければ問題ねーよ」
そう言ったブランクはベッドから立ち上がります。そろそろレディとして扱ってもいいと思いますが、彼の中の私はいつまでも五歳児なのでしょう。まあ、いいわ。
しかし、このタイミングでなぜ現れたというのかしら。私が疑問を抱いていると、彼の方から話し始めました。
「次のワンダーオーブはいつ取りに行くつもりだ」
「ああ、もう少し待って頂戴。今回は貴方の協力も不要よ。多分ね」
「一つ目を難なく手にしたんだ。お前を信用しよう」
ブランクの呟きに対して、私はむしろ貴方の方が信用できないわ。そういい返したかった。しかし、彼と私では実力差がありすぎるし、万が一の時に頼れなくなるのは惜しい。
「それで他には本当に何もないの?」
「いや…………今日ここに来た娘がいるだろ?」
「カトリーヌさんのこと?」
ブランクが他人に興味を示すなんて珍しいわね。今までそんなリアクションしたことはなかったはずなのに。まさかカトリーヌさんのことが気になっているとか。でも、カトリーヌさんはリビオのことが好きでリビオは………………………………好きな人いるのかしら?
「何か気になったのかしら?」
「ちょっとな。まあ、あいつ本人は無関係の話だ」
「ふーん」
ブランクの考えることはわからない。そもそも彼は、過去に私を異質と呼んだが、彼こそ異質だろう。転生者である私ですら使えない存在しない魔法を平然と使い、ワンダーオーブの存在も既に知っていた。何事もなく王宮に現れ、私が他と違うと何らかの手段で見抜いた。
この男は何者で、なぜワンダーオーブを必要にしているのだろうか。彼が操る魔法の正体も彼の素顔も本当の名前も私は知らない。知っていることは、【藍】ではないワンダーオーブが欲しいことだけ。
「なんだ?」
「何よ?」
私が彼をまじまじと見ていたせいか、彼はその視線に気付き私に話しかけてきます。私はそれに気付かないフリをして言葉の意味を理解していないような発言を返しました。ブランクはしばらく無言のままでしたが、【藍】のワンダーオーブを眺めて呟きます。
「ワンダーオーブは全部で何個あるんだ?」
「そういうことは知らないのね。私が知っているのは七個よ」
ワンダーオーブは浄化魔法を使うための魔道具であると同時に、所持者の潜在能力を高めることができます。もっとも、どのように潜在能力が高まるかまではよく理解しておりませんが。
「貴方はワンダーオーブで取り戻したいもの? があるんでしたっけ? それがなんなのか教えてくれないのかしら? 信用してくれているなら、教えて欲しいわ」
「…………記憶だ」
そう言ったブランクは、黒い靄になってその場から消えてしまいました。これ以上は答えられないという意思表示なんだと、私は気付き彼を呼び止めることができませんでした。
「信頼してくれているっていうのは…………嘘じゃないのね」
窓の外を眺め、恒星の光を反射した衛星の灯りが目に映る。初めて彼とあったの…………あの衛星を眺めていた時ね。
――月…………確かこの世界の名前は…………
――衛星《レティシア》。夜の女神の名前だね。こんばんは美しい姫様
………………………………ッ!? よく考えればこの会話。絶対におかしい。
まだ貴方には聞かなければいけないことがたくさんありそうね、ブランク。
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