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104話 読めないわからない知りたい
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班決めは無事に終わり、ジャンヌさんからジョアサンのオーケーの返事を頂きました。何故か班長に担ぎ上げられた私は、アンヌ先生に班員の名簿を提出していました。
名簿を受け取るアンヌ先生はさすが姫様。一番ですね、と笑って言った。さすがって何? 権力で集めた訳じゃないわよ? 多分。
「はぁーいぃ。クリスティーンさんの班は豪華ですねぇ」
「…………教師なんですから生徒を豪華かどうかで判断しないでください」
確かにメンバーは隣国の皇子から公爵令嬢と侯爵令嬢。魔法省の大臣の息子に騎士団長の息子。それから大司教の息子までいる。あとは姫の私と平民のジャンヌさんね。
アンヌ先生は受け取った名簿に問題なしと判断して魔力を込めた人差し指で名簿の書かれた用紙を叩いた。するとそこに人差し指で触れた面積より、少しだけ大きい赤い丸が、ジワリと浮き出てきた。
この世界では一般的に承認の証として、書類に自らの魔力を込める。しかし、それは何度見ても忌まわしきハンコ文化でしかなかった。あんまり押した記憶なんてないんですけどね。
「あ、そうそう。魔力遠征ですがぁ~。危険な場所に行くこともある為、同意書を班員に配ってきてくださいねぇ~。まあ、私がいる以上、危険な目には合わせはしませんけどねぇ~」
そう言われ、私は八枚の用紙を受け取り、アンヌ先生は楽し気にどこかに出かけてしまいました。危険って何? そんなのきいていないんですけど。
人選は大丈夫かしら。ミゲルもリビオもジョアサンもオリバーも優秀。男性陣は問題なしよね。カトリーヌさんやビルジニだってすごい魔法使いですし…………ジャンヌさん!?
「いえ、むしろ私達の班だからこそ、彼女を護れると思いましょう。そう、むしろこうするべきだった。違いないわ」
私は何かを言い聞かせるようにぶつぶつと呟いた。隣にいたスザンヌは涼しい顔でしたが、あれは絶対内心笑っています。
クラスメイトであるミゲル、ジャンヌさん、カトリーヌさんは当然講義が終わり次第捕まえて書かせました。オリバーに至っては予め同意書の存在を知っていたかのように放課後すぐに教室に現れたから助かりましたわ。
そして午後の授業を受けた私たちは、その日会えた人間にだけ同意書を書いてもらい、会えなかった人は明日に回すことにして帰宅することにしました。
帰る途中にジョアサンを発見し、馬車に拉致して同意書を書かせ、そして帰宅後すぐに王宮にある離れにて、リビオに同意書を書いてもらいました。割と順調に七枚の記入済みの同意書を手に入れます。
「あとは…………ビルジニだけね」
ビルジニには明日書いてもらってアンヌ先生に提出すればオッケーね。
そして私が自室に入ると、いつものように黒い靄が人型を象り始める。この現象はあれね。あのバカの登場ね。なんだか久しぶりかもね。最後にあったのはカトリーヌさんが王宮に来た日だったかしら。
「よお! 久しぶりだな姫さん」
「本当に久しぶり。今までどこに行っていたのよ」
普段でしたらジョアサンが逃げ出すくらい私に付きまとっているくせに。
「お? いなくなってたことに気付いたのか?」
「…………ワンダーオーブを手に入れたのにしばらく現れなかったじゃない」
「なるほど二つ目も手に入れていたか」
私は鞄からワンダーオーブの入った小瓶を取り出すと、ブランクはそれを受け取る。二つ目のワンダーオーブを手にしたブランクはしばらくそれを見つめてすぐに小瓶に戻してしまった。
そして小瓶は急に浮いたかと思えばゆっくりと私の手前まで飛んできた。私が小瓶を掴むと、小瓶の浮く力がなくなったのか急に質量を感じるようになりました。
「本当に貴方はワンダーオーブが欲しいの? あれでもないこれでもないって」
「仕方ないだろ? 違うものは違う」
まあ、確かにワンダーオーブにはそれぞれ使える浄化魔法や、与えられる力が異なりますが、彼が言っていた記憶を取り戻すというものがいまいちピンときません。本当にそれはワンダーオーブでできるのでしょうか。それとも、禁書に書かれていた色の読めないワンダーオーブ…………まさかね。
ブランクはまだ靄になって消えようとしない。いつもならこんなに長居することなんてないのに珍しい。
「そういえば貴方って飲食はできるの?」
「あ? 昔建国祭を一緒に回っただろ」
そういえば、そんなこともあったわね。あれから何度か建国祭に出席することはありましたが、当然私は王族として用意された席に座り、ただ黙って式典を眺めていました。
建国祭を楽しいと思えたのは、後にも先にも五歳の時にお忍びで行ったあの時だけだったのかもしれないわね。
「何笑ってんだ?」
「あら? 私は今笑っていたのね。ごめんなさいそろそろ家族と食事の時間だから私は出ていくわ」
「おう、俺は眠るわ」
彼が靄になって消えるのを待ち、それを確認してから私は部屋を出た。
名簿を受け取るアンヌ先生はさすが姫様。一番ですね、と笑って言った。さすがって何? 権力で集めた訳じゃないわよ? 多分。
「はぁーいぃ。クリスティーンさんの班は豪華ですねぇ」
「…………教師なんですから生徒を豪華かどうかで判断しないでください」
確かにメンバーは隣国の皇子から公爵令嬢と侯爵令嬢。魔法省の大臣の息子に騎士団長の息子。それから大司教の息子までいる。あとは姫の私と平民のジャンヌさんね。
アンヌ先生は受け取った名簿に問題なしと判断して魔力を込めた人差し指で名簿の書かれた用紙を叩いた。するとそこに人差し指で触れた面積より、少しだけ大きい赤い丸が、ジワリと浮き出てきた。
この世界では一般的に承認の証として、書類に自らの魔力を込める。しかし、それは何度見ても忌まわしきハンコ文化でしかなかった。あんまり押した記憶なんてないんですけどね。
「あ、そうそう。魔力遠征ですがぁ~。危険な場所に行くこともある為、同意書を班員に配ってきてくださいねぇ~。まあ、私がいる以上、危険な目には合わせはしませんけどねぇ~」
そう言われ、私は八枚の用紙を受け取り、アンヌ先生は楽し気にどこかに出かけてしまいました。危険って何? そんなのきいていないんですけど。
人選は大丈夫かしら。ミゲルもリビオもジョアサンもオリバーも優秀。男性陣は問題なしよね。カトリーヌさんやビルジニだってすごい魔法使いですし…………ジャンヌさん!?
「いえ、むしろ私達の班だからこそ、彼女を護れると思いましょう。そう、むしろこうするべきだった。違いないわ」
私は何かを言い聞かせるようにぶつぶつと呟いた。隣にいたスザンヌは涼しい顔でしたが、あれは絶対内心笑っています。
クラスメイトであるミゲル、ジャンヌさん、カトリーヌさんは当然講義が終わり次第捕まえて書かせました。オリバーに至っては予め同意書の存在を知っていたかのように放課後すぐに教室に現れたから助かりましたわ。
そして午後の授業を受けた私たちは、その日会えた人間にだけ同意書を書いてもらい、会えなかった人は明日に回すことにして帰宅することにしました。
帰る途中にジョアサンを発見し、馬車に拉致して同意書を書かせ、そして帰宅後すぐに王宮にある離れにて、リビオに同意書を書いてもらいました。割と順調に七枚の記入済みの同意書を手に入れます。
「あとは…………ビルジニだけね」
ビルジニには明日書いてもらってアンヌ先生に提出すればオッケーね。
そして私が自室に入ると、いつものように黒い靄が人型を象り始める。この現象はあれね。あのバカの登場ね。なんだか久しぶりかもね。最後にあったのはカトリーヌさんが王宮に来た日だったかしら。
「よお! 久しぶりだな姫さん」
「本当に久しぶり。今までどこに行っていたのよ」
普段でしたらジョアサンが逃げ出すくらい私に付きまとっているくせに。
「お? いなくなってたことに気付いたのか?」
「…………ワンダーオーブを手に入れたのにしばらく現れなかったじゃない」
「なるほど二つ目も手に入れていたか」
私は鞄からワンダーオーブの入った小瓶を取り出すと、ブランクはそれを受け取る。二つ目のワンダーオーブを手にしたブランクはしばらくそれを見つめてすぐに小瓶に戻してしまった。
そして小瓶は急に浮いたかと思えばゆっくりと私の手前まで飛んできた。私が小瓶を掴むと、小瓶の浮く力がなくなったのか急に質量を感じるようになりました。
「本当に貴方はワンダーオーブが欲しいの? あれでもないこれでもないって」
「仕方ないだろ? 違うものは違う」
まあ、確かにワンダーオーブにはそれぞれ使える浄化魔法や、与えられる力が異なりますが、彼が言っていた記憶を取り戻すというものがいまいちピンときません。本当にそれはワンダーオーブでできるのでしょうか。それとも、禁書に書かれていた色の読めないワンダーオーブ…………まさかね。
ブランクはまだ靄になって消えようとしない。いつもならこんなに長居することなんてないのに珍しい。
「そういえば貴方って飲食はできるの?」
「あ? 昔建国祭を一緒に回っただろ」
そういえば、そんなこともあったわね。あれから何度か建国祭に出席することはありましたが、当然私は王族として用意された席に座り、ただ黙って式典を眺めていました。
建国祭を楽しいと思えたのは、後にも先にも五歳の時にお忍びで行ったあの時だけだったのかもしれないわね。
「何笑ってんだ?」
「あら? 私は今笑っていたのね。ごめんなさいそろそろ家族と食事の時間だから私は出ていくわ」
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彼が靄になって消えるのを待ち、それを確認してから私は部屋を出た。
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