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123話 吐息は白く、影は薄れる
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学園側の都合により三か月余りが経過した頃、季節は冬に移り変わります。
この地域では雪を見ることはありませんが、日が沈む時間や、周囲の植物が枯れ始めることから、その季節を感じさせます。
学園のことは卒業生でもあるジェラールやエリザベートも気にしていますが、それよりも私を狙った誘拐の主犯格が未だに尻尾も掴めないことにいら立っています。
私は私で、ブランクを呼ぶタイミングもなく困り果てていることと、ワンダーオーブの回収が滞っていること以外は特に気にしてはいません。
そして息が白くなったある日。やっと顔を出したビルジニから、驚くことにジャンヌさんの話を聞くことができました。
「姫君、中々時間を作れなくて済まない」
「構わないわ。それより久しぶりね。元気そうで何よりだわ」
ビルジニは相変わらずの貴公子風の服装で、何故かほっとしました。スザンヌに紅茶を用意して貰い、部屋でお喋り。
今日の護衛はアンヌ先生で、普段のワンピースと違い、魔術師の格好としてよく見られる暗い色のローブを着ています。
中々宮殿から出して貰えない私にとっては同じもてなし方しかできなくて申し訳ないと思っていましたが、彼女とは久しぶりなので問題なし。
「今まで何していたのよ」
「ああ、それがね。姫君の力になれるとそそのかされ、しばらくジャンヌ君と共に行動していたのさ」
「え? ジャンヌ? てゆうか、そそのかされたって誰に?」
ビルジニとジャンヌが二人で行動して、それが私の為になるですって? 悪徳宗教か何か? 高い壺ならそこにも飾ってありますわよ。
ビルジニの容量も得ない説明に混乱しつつも、紅茶を口にして心を落ち着かせる。もやもやした感情が何かを訴えいるようでした。
「誰って…………彼は君の王宮の魔術師だとジャンヌ君から聞いたよ」
その瞬間、ビルジニの言う彼に該当する人間の顔が浮かんだ。正確には顔なんて見たことないんですけど。
「そう、あいつが貴女の前にも現れたのね」
「ああそうさ。でもおかしいよね。あんな魔術師魔法省にはいない」
「…………」
確かにビルジニの父親も魔法省で働く魔術師の一人。
錬金付与魔法はタグマウイ家固有の魔法であり、魔法省の重役が約束されている家系でもあります。
「それジャンヌさんには?」
「言っていないよ。彼を王宮の魔術師と紹介したのが、他でもない君からと聞いたからね。何か考えがあった上だと思ったからね」
「…………そうね、そう思って頂けると助かるわ」
いつもはすぐに遠ざけていたスザンヌも、何の話だろうと思いながらこちらを睨んでいます。
遠くにいるアンヌ先生は、なるべく会話を聞かない様にしてくれているため、あちらを気にする必要はないでしょう。
互いを見つめ合う時間が続く。こちらの出方を窺がっていると言うことでしょうか。彼女は人の良いジャンヌさんは違うし、中々感も鋭い。
「……ブランクは王宮に仕えている魔術師ではないわ。彼は…………」
…………あいつなんなの?
不法侵入者。これに尽きる。え? これビルジニにそのまま報告していい奴?
「彼は協力者よ。実力は、私達じゃ束になっても相手にならないわ。害がないことは確かなのと、私とは協力関係にある。あいつが私のためにと言ったのですから、何かしらのアクションを起こしたと思うのですが、何をしたのですか?」
ビルジニからブランクのことで追及される前にこちらから質問を投げかける。先にビルジニから上がった話題ですし、私の為にやったことというのも純粋に気になります。
「君をもう危ない目に合わせる必要がなくなったとだけ言っていたが、まだ僕も詳しくは聞けていないんだよね。彼と一緒にいるジャンヌさんなら何か知っているかもしれないね」
「ジャンヌさんがブランクと? なんで?」
「それは彼らに聞いてくれたまえ」
聞けるものなら、今すぐ聞きたいわよ。なんでジャンヌさんと彼が一緒に行動をしているの?
それにもう危ない目に合わせないってどういうことなのよ。まるでこれまでのことにはあいつが仕組んだみたいじゃない。
「なんだかわかりませんが、私は一度ジャンヌさんのところに行く必要がありそうですね。彼女は今どちらに?」
「王都の外れに住んでいるが、通学が不便だから寮生活もしていてね。彼女はなぜか休校期間にも関わらず寮で生活しているようだよ」
休校中でも学園内に行けるのね。寮だけかしら。でも、【黄】のワンダーオーブを入手する場所の目星はあの寮近辺。
「スザンヌ、私の外出許可をもらってきて頂戴」
「畏まりました」
スザンヌはすぐに退室し、私はビルジニと共に学園に向かうことにしました。
なんだかわかりませんが、協力者の私に内緒で動こうだなんて、ブランクの奴ひっぱたいてあげる。
この地域では雪を見ることはありませんが、日が沈む時間や、周囲の植物が枯れ始めることから、その季節を感じさせます。
学園のことは卒業生でもあるジェラールやエリザベートも気にしていますが、それよりも私を狙った誘拐の主犯格が未だに尻尾も掴めないことにいら立っています。
私は私で、ブランクを呼ぶタイミングもなく困り果てていることと、ワンダーオーブの回収が滞っていること以外は特に気にしてはいません。
そして息が白くなったある日。やっと顔を出したビルジニから、驚くことにジャンヌさんの話を聞くことができました。
「姫君、中々時間を作れなくて済まない」
「構わないわ。それより久しぶりね。元気そうで何よりだわ」
ビルジニは相変わらずの貴公子風の服装で、何故かほっとしました。スザンヌに紅茶を用意して貰い、部屋でお喋り。
今日の護衛はアンヌ先生で、普段のワンピースと違い、魔術師の格好としてよく見られる暗い色のローブを着ています。
中々宮殿から出して貰えない私にとっては同じもてなし方しかできなくて申し訳ないと思っていましたが、彼女とは久しぶりなので問題なし。
「今まで何していたのよ」
「ああ、それがね。姫君の力になれるとそそのかされ、しばらくジャンヌ君と共に行動していたのさ」
「え? ジャンヌ? てゆうか、そそのかされたって誰に?」
ビルジニとジャンヌが二人で行動して、それが私の為になるですって? 悪徳宗教か何か? 高い壺ならそこにも飾ってありますわよ。
ビルジニの容量も得ない説明に混乱しつつも、紅茶を口にして心を落ち着かせる。もやもやした感情が何かを訴えいるようでした。
「誰って…………彼は君の王宮の魔術師だとジャンヌ君から聞いたよ」
その瞬間、ビルジニの言う彼に該当する人間の顔が浮かんだ。正確には顔なんて見たことないんですけど。
「そう、あいつが貴女の前にも現れたのね」
「ああそうさ。でもおかしいよね。あんな魔術師魔法省にはいない」
「…………」
確かにビルジニの父親も魔法省で働く魔術師の一人。
錬金付与魔法はタグマウイ家固有の魔法であり、魔法省の重役が約束されている家系でもあります。
「それジャンヌさんには?」
「言っていないよ。彼を王宮の魔術師と紹介したのが、他でもない君からと聞いたからね。何か考えがあった上だと思ったからね」
「…………そうね、そう思って頂けると助かるわ」
いつもはすぐに遠ざけていたスザンヌも、何の話だろうと思いながらこちらを睨んでいます。
遠くにいるアンヌ先生は、なるべく会話を聞かない様にしてくれているため、あちらを気にする必要はないでしょう。
互いを見つめ合う時間が続く。こちらの出方を窺がっていると言うことでしょうか。彼女は人の良いジャンヌさんは違うし、中々感も鋭い。
「……ブランクは王宮に仕えている魔術師ではないわ。彼は…………」
…………あいつなんなの?
不法侵入者。これに尽きる。え? これビルジニにそのまま報告していい奴?
「彼は協力者よ。実力は、私達じゃ束になっても相手にならないわ。害がないことは確かなのと、私とは協力関係にある。あいつが私のためにと言ったのですから、何かしらのアクションを起こしたと思うのですが、何をしたのですか?」
ビルジニからブランクのことで追及される前にこちらから質問を投げかける。先にビルジニから上がった話題ですし、私の為にやったことというのも純粋に気になります。
「君をもう危ない目に合わせる必要がなくなったとだけ言っていたが、まだ僕も詳しくは聞けていないんだよね。彼と一緒にいるジャンヌさんなら何か知っているかもしれないね」
「ジャンヌさんがブランクと? なんで?」
「それは彼らに聞いてくれたまえ」
聞けるものなら、今すぐ聞きたいわよ。なんでジャンヌさんと彼が一緒に行動をしているの?
それにもう危ない目に合わせないってどういうことなのよ。まるでこれまでのことにはあいつが仕組んだみたいじゃない。
「なんだかわかりませんが、私は一度ジャンヌさんのところに行く必要がありそうですね。彼女は今どちらに?」
「王都の外れに住んでいるが、通学が不便だから寮生活もしていてね。彼女はなぜか休校期間にも関わらず寮で生活しているようだよ」
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