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142話 ここにいるみんなだから
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いくつかの疑問はひとまず丸投げ。今日はワンダーオーブのことなど一切考えません。
学園も休みになり、友人たちを王宮に招いてお茶会を開くことにしました。
私は久しぶりにギスギスすることなく友人たちと集まれると思い、ウキウキした気分で準備を眺めます。
「お前ならこういう準備段階から手伝うと思っていたぞ」
何故か当然のように私の隣にいるブランクは無視。招いていないのですが、邪険に扱うのは悪いので一席用意してあげましょうか。
「まあ、本音を言うと手伝いたいわね。でも私って姫でしょ? みんな止めに入るのよ」
「姫に見えなければいいんだな?」
「え?」
ブランクが魔法陣を描くと、私は茶髪になり、身なりもスザンヌが着ているメイド服と同じもの。
スカートは姫の時と変わらない長さでくるぶしまで隠れていますが、内側がスカスカだ。これは歩きやすい。
「一瞬で人を着替えさせるのはいいけど、せめて一言あってもよかったんじゃない?」
「着替えさせたぞ?」
「それが遅いのよ!」
「良いから混ざってきたらどうだ?」
「言われなくてもそうするわよ!」
私が手伝いに加わったのに、誰一人疑問に思うことなく手を動かします。
しばらくして準備が整った頃、ブランクの所に戻り元の姿に戻して貰いました。
「いやぁいいわねああいう作業」
「よく姫のくせにあんなにてきぱき動けたものだ」
「…………あー、見慣れているのよ。それに私って優秀でしょ?」
可能な限り皆様には秘密をお話をしました。
ですが、未だに前世のお話と、この世界が前世の乙女ゲームの世界であることは伏せています。
しばらくして最初にやってきたのは王宮の敷地内に住んでいるリビオと、何故かリビオと一緒にやってきたカトリーヌさん。
「あら? 二人一緒とは珍しいわね」
「ああ、カリーナ嬢が魔法の勉強をしたいと言って。断る理由がなかったからお茶会まで一緒にいたんですよ」
「え、ええそうよ。いいじゃない別に! いいじゃない!!」
「誰も悪いとは言っていないわよ」
カトリーヌさんは顔を真っ赤にしながら頬を膨らませて私を睨む。かすかに浮かんだ涙は、羞恥心のせいでしょう。
私は彼女の片思いを知っているから、彼女がどういう理由で一緒にいたか知っている。
それに今更気付いたカトリーヌさんは真っ赤な顔になって急に恥ずかしくなってしまったようです。
しばらくしてビルジニとアレクシスがほぼ同時にやってきます。
「クリスティーン姫、どうぞ」「いいえ、姫君! こちらを受け取ってください!」
アレクシスは青い花束。ビルジニが黄色い花束を用意して私に差し出してきます。
私、花って詳しくないけど、変な花言葉の花とか意味が込められていたりとかしてないわよね?
「両方受け取っておくわ」
「それだけ花粉を出せば、虫にも好かれそうですね」
「あんたはやっぱり帰りなさい」
後ろからでしたが、声と言われた言葉ですぐにオリバーとわかる。私は首だけ振り返り、オリバーを睨みつけると、オリバーは満足げに笑う。
「手厳しい。それはそうと君の友をエスコートしてきましたよ」
「こ、こんにちはー」
オリバーの後ろから恐る恐る顔を出すジャンヌさん。
普通ならば、平民である彼女が、何の理由もなく入れる場所ではなく、顔をきょろきょろさせながら周囲の景色を眺めています。
「お、追い出されたりしませんよね?」
「しないわよ!」
彼女もすっかり前の弱気な姿に戻っています。
ちょっとだけ頼りないですが、なんだか少しだけ安心しますね。
ミゲルとジョアサンも遅れてやってきたら、皆でテーブルを囲んで楽しいお茶会。
のはずでしたが、誰がどこに座るか論争が勃発。
「当然クリスティーン姫の隣は公爵家の私ですよね?」
「いや、ここは乙女と漢で別れようではないか」
「だったらビルジニは男サイドでいいだろ?」
「クリスティーン姫は護衛対象と考え、守護魔法が得意な俺が隣に行きますよ」
「おやおや、だったら皇子である俺のこともちゃんと一緒に護って欲しいですね。姫の隣は貰いますよ?」
「なんだかわからないけど、クリスティーンの隣に座りたいわ。と、とと友達ですから!」
「それだと全員座る権利あるだろ銀髪」
私のウッキウキな気分は、眼前のウッキー共にぶち壊されます。
席はどこでも構いませんと言ったジョアサンとジャンヌさん。彼らは聖職者なのでは?
最終的に馬上槍大会の成績順に座ることにして、話は丸く収まりました。
当然、不参加のブランクは最下位と判定し、一番遠い席に座って貰います。
なんだかんだで文句を言ったりしながらも、本気でケンカするわけでもない。
まるで前世の教室で仲が良いグループで放課後にファミレスに行った時のようなテンションで会話が続きます。
私は一人で何とかしようとしていた。ですが、もう少しみんなに頼っても良いのかな。
みんなとなら、何とかなるんじゃないかな。
学園も休みになり、友人たちを王宮に招いてお茶会を開くことにしました。
私は久しぶりにギスギスすることなく友人たちと集まれると思い、ウキウキした気分で準備を眺めます。
「お前ならこういう準備段階から手伝うと思っていたぞ」
何故か当然のように私の隣にいるブランクは無視。招いていないのですが、邪険に扱うのは悪いので一席用意してあげましょうか。
「まあ、本音を言うと手伝いたいわね。でも私って姫でしょ? みんな止めに入るのよ」
「姫に見えなければいいんだな?」
「え?」
ブランクが魔法陣を描くと、私は茶髪になり、身なりもスザンヌが着ているメイド服と同じもの。
スカートは姫の時と変わらない長さでくるぶしまで隠れていますが、内側がスカスカだ。これは歩きやすい。
「一瞬で人を着替えさせるのはいいけど、せめて一言あってもよかったんじゃない?」
「着替えさせたぞ?」
「それが遅いのよ!」
「良いから混ざってきたらどうだ?」
「言われなくてもそうするわよ!」
私が手伝いに加わったのに、誰一人疑問に思うことなく手を動かします。
しばらくして準備が整った頃、ブランクの所に戻り元の姿に戻して貰いました。
「いやぁいいわねああいう作業」
「よく姫のくせにあんなにてきぱき動けたものだ」
「…………あー、見慣れているのよ。それに私って優秀でしょ?」
可能な限り皆様には秘密をお話をしました。
ですが、未だに前世のお話と、この世界が前世の乙女ゲームの世界であることは伏せています。
しばらくして最初にやってきたのは王宮の敷地内に住んでいるリビオと、何故かリビオと一緒にやってきたカトリーヌさん。
「あら? 二人一緒とは珍しいわね」
「ああ、カリーナ嬢が魔法の勉強をしたいと言って。断る理由がなかったからお茶会まで一緒にいたんですよ」
「え、ええそうよ。いいじゃない別に! いいじゃない!!」
「誰も悪いとは言っていないわよ」
カトリーヌさんは顔を真っ赤にしながら頬を膨らませて私を睨む。かすかに浮かんだ涙は、羞恥心のせいでしょう。
私は彼女の片思いを知っているから、彼女がどういう理由で一緒にいたか知っている。
それに今更気付いたカトリーヌさんは真っ赤な顔になって急に恥ずかしくなってしまったようです。
しばらくしてビルジニとアレクシスがほぼ同時にやってきます。
「クリスティーン姫、どうぞ」「いいえ、姫君! こちらを受け取ってください!」
アレクシスは青い花束。ビルジニが黄色い花束を用意して私に差し出してきます。
私、花って詳しくないけど、変な花言葉の花とか意味が込められていたりとかしてないわよね?
「両方受け取っておくわ」
「それだけ花粉を出せば、虫にも好かれそうですね」
「あんたはやっぱり帰りなさい」
後ろからでしたが、声と言われた言葉ですぐにオリバーとわかる。私は首だけ振り返り、オリバーを睨みつけると、オリバーは満足げに笑う。
「手厳しい。それはそうと君の友をエスコートしてきましたよ」
「こ、こんにちはー」
オリバーの後ろから恐る恐る顔を出すジャンヌさん。
普通ならば、平民である彼女が、何の理由もなく入れる場所ではなく、顔をきょろきょろさせながら周囲の景色を眺めています。
「お、追い出されたりしませんよね?」
「しないわよ!」
彼女もすっかり前の弱気な姿に戻っています。
ちょっとだけ頼りないですが、なんだか少しだけ安心しますね。
ミゲルとジョアサンも遅れてやってきたら、皆でテーブルを囲んで楽しいお茶会。
のはずでしたが、誰がどこに座るか論争が勃発。
「当然クリスティーン姫の隣は公爵家の私ですよね?」
「いや、ここは乙女と漢で別れようではないか」
「だったらビルジニは男サイドでいいだろ?」
「クリスティーン姫は護衛対象と考え、守護魔法が得意な俺が隣に行きますよ」
「おやおや、だったら皇子である俺のこともちゃんと一緒に護って欲しいですね。姫の隣は貰いますよ?」
「なんだかわからないけど、クリスティーンの隣に座りたいわ。と、とと友達ですから!」
「それだと全員座る権利あるだろ銀髪」
私のウッキウキな気分は、眼前のウッキー共にぶち壊されます。
席はどこでも構いませんと言ったジョアサンとジャンヌさん。彼らは聖職者なのでは?
最終的に馬上槍大会の成績順に座ることにして、話は丸く収まりました。
当然、不参加のブランクは最下位と判定し、一番遠い席に座って貰います。
なんだかんだで文句を言ったりしながらも、本気でケンカするわけでもない。
まるで前世の教室で仲が良いグループで放課後にファミレスに行った時のようなテンションで会話が続きます。
私は一人で何とかしようとしていた。ですが、もう少しみんなに頼っても良いのかな。
みんなとなら、何とかなるんじゃないかな。
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