BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

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143話 エリザベートは尋ねたい

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 クラス替えから数日。

 新しいクラスメイト達が一定のグループに集まるようになり、クラス内の雰囲気も良くなってきました。

 私は基本的にカトリーヌさんとオリバーの三人でいることが多いです。

 クラス替えにつきタッグ制度は廃止。ジャンヌさんとの接点が減ってしまい、寂しく思いますが、仕方ありませんね。

「クリスティーン? ちょっといいかしら?」

「お母様?」

 私を呼ぶ声に振り返ると、教室の入り口付近にはエリザベートがいて、私のことを呼んでいます。

 私はカトリーヌさん達に一声かけてから、すぐさま母の元に向かいます。

「付いて来なさい」

 言われた通りに母について行く。私が呼ぶまでもなく、すっと後ろにスザンヌがついてきていた。

 しばらくエリザベートの後ろについて歩くと、各教員に与えられた部屋のうちの一つ。エリザベートの教員室の前にやってきました。

 何か学園のことでお話でもあるのでしょうか。

 私達が扉の前につくと、内側から扉が開きます。

「お待ちしておりました」

 中から出てきたのは茶髪の成人女性のメイド。セシルだ。

「いいのよ。あなた達は外していて貰えるかしら」

「畏まりました。行くわよスザンヌ」「はい、お姉様」

 セシルはスザンヌを連れて部屋の外で待機している。

 柔らかそうなイスと豪華なテーブル。

 テーブルの上には白いティーセット。丁度よく用意されていた紅茶が湯気を上げている。

「座りなさい」

「はい」

 エリザベートが紅茶に口をつけるのを見て、私もそれに続く。

 数秒ほどの沈黙。私から尋ねるべきでしょうか。

「あの? 本日はどのような御用件でしょうか?」

 これ、娘が母に尋ねる言葉? でも、王妃ですし、教師ですし、もうわかりません。

「もうすぐよね?」

「…………お母様、主語をお願いします」

「その…………」

 お母様は何かを言おうとして、一度紅茶を口に含みます。一息ついたところでため息を吐き、観念したのか喋り始めました。

「ジェラールの誕生祭よ」

「…………ええ、まあ」

 だからなんだというのか。そんなもの毎年繰り返している行事ですし、今更彼女は何を気にして私を呼び出したのでしょうか。

「あなたはその、毎年私やジェラールにジルの誕生祭になると、個人でやっていることがあるでしょう? アレよアレ」

「????」

「誕生日プレセントよ」

「あー、私が勝手に渡しているものですね。それが何か?」

 私が聞き返すと、エリザベートは顔を紅くしながらそっぽを向きます。

 あー、そういうことですね。

「今年は…………私も渡そうと思うのだけど…………何が良いかしら?」

 多分なんでも喜びます。

 今のジェラールは、完全に攻略済みの家族大好きお父さんモードですからね。

 なんなら、黒焦げのバースデーケーキでも絶対に喜びます。ジェラールは勧められない限り、甘いものは食べないでしょうけど。

 それにしても十四の娘がいる夫婦にしては、進歩が遅すぎませんか?

 まだ新婚さんなんですか?

 次は妹が良いです。

「そうですね。お母さまはお父様の好きなものって何だと思いますか?」

「それはクリスティーンでしょ? あとはジル?」

 うーん…………百点!! そりゃあ、ジルは好きなものから外せませんよね。

「あとはお母様ですね!!!」

「え? あー、どうかしら?」

 まだ自覚がないのですね。普通、普通好かれていたらわかるでしょ!!!!!!

 私なら絶対にわかるわ。自信あるもの!

 エリザベートの鈍感っぷりに驚きつつも、そろそろ真面目にプレゼントを考えます。

 今年は執務に使える羽根ペンにしようかと思っていましたが、これをエリザベートに譲ってしまおうかしら。

「日常的に使えるものなどはどうでしょうか?」

「日常って朝と食事と夜…………そうね。考えてみるわ。ありがとう。もういいわよ」

「いえ、せっかくですから一緒に帰りたいです」

 私はエリザベートの業務が終わるのを待ちながら、スザンヌやセシルに勉強を見て貰いました。

 そっか、もうジェラールの誕生祭なんだ。てことはもうすぐ学園生活が始まって一年か。

   ワンダーオーブは四つ。残るワンダーオーブは三つですね。順調にことが進みすぎると、帰って不安ですね。

 せめてジェラールの誕生祭には何もなければよいのですが。
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