148 / 228
144話 プレゼント選び
しおりを挟む
我が国は大きな祝日が二つある。一つは建国祭。そしてもう一つは国王の生誕祭である。
王家の生誕祭は一通り存在しますが、私達の生誕祭は王宮で一日中パーティをするくらいしかやりません。
しかし、国王の生誕祭は別。国の端から端まで祝う盛大な行事です。
ジェラールは気恥ずかしいからそこまでしなくていいと言っていましたが、文化がどうのこうの伝統がどうのこうの色々な方から強制されております。
そんなジェラールの生誕祭目前。私はとあることで迷っていました。
エリザベートとプレゼント被りしたらどうしよう。
ジェラールのことですから、プレゼント被りくらい気にしないでしょう。
そう、気にしているのはあくまで私だけだ。
これがゲーム画面だったら、好感度を上げるためにしょうもないプレゼントを連打で渡していたのに。
今日は学園もお休み。プレゼント選びをするなら今日でしょう。
「という訳で行きましょうブランク」
「全然理由がわからねーんだけど」
私が名を呼ぶと、当然のようにそこに黒い靄が集まり、いつものように実態になるブランク。
「私が王宮から抜け出すのよ。貴方以外誰がサポートするのよ」
現在、私は未だに行動するたびに一定の距離に騎士を配置しなければならない。
更に言えば、王宮と学園以外の行動は禁止されています。その為、街にでて買い物が一切できなくなっているのです。
「また出ていくだけなんだな? まあ、いい。どうせワンダーオーブを手に入れる時以外は暇なんだし、付き合ってやるよ」
私は髪の色を茶色くしてもらい、瞳の色を紺碧からグリーン系統の色にして貰いました。
「鏡見るか?」
「いらわないわ。貴方が完璧にやってくれたのでしょう?」
「…………まあ、そうだな」
私達は足元の魔法陣に乗って街に転移します。ブランクのことを知っているスザンヌは、この光景に何も言いませんでした。
「じゃあスザンヌ。誰かが来たら適当に言い訳お願い」
「畏まりました」
そう言った頃、魔法陣が光だし、青白い光に包まれ人目のない路地裏に移動しました。
相変わらずブランクは、真っ黒の格好で顔を隠していますが、もう気にならなくなりました。
「あれ、美味しそうね」
「お前もう昼は食べていなかったか?」
そう、私は身代わりが許されない家族との昼食だけは参加してました。
だけど、街は街で食べたいものだらけ。串焼きといい、パンといい、私が普段食べている高級な美食とは違う。
ここでしか食べられない味ばかりなのですから。
「食いに来ているんじゃねーんだぞ。それに夕食食えなくなっても知らないからな」
「そ、そうね」
私は有名なブティックに足を運び、紳士向けの商品を眺めています。
「ブランクか?」
そう呼ばれ、私達が振り向くと、そこにいたのは従兄のアレクシスでした。
「アレクシス?」
「え?」
アレクシスは私を見て誰だお前と言った表情をしています。
「声でわからんか?」
「もしかしてクリスティーンひ「ここではクリスでお願い」
「はぁ、クリス…………さん」
「ええ、それで」
どうやらアレクシスは普通に買い物に来ていたようです。しかし、公爵家の嫡男ですのに、護衛もつけずに歩き回るものなのですね。
「そうだわ。参考までに教えて頂戴。男の人ってどういうものを渡せば喜ぶのかしら?」
「え? 姫様が男性にプレゼントですか?」
え? 私、そういうことしない人に見られていたのですか?
「そりゃお前が渡せば、あいつはなんでも喜ぶだろ」
ブランクが横から口をはさみ、なぜかアレクシスの顔が青ざめていく。
「具合が悪いの?」
「あ、えっと…………ファッション関係でしたら、相手の私服で似合うものや、相手の好きな色を探すのはどうでしょうか?」
「うーん…………私服かぁ」
ジェラールの私服ってジェラールが選んでいるのかしら。用意されたものをそのまま着ているイメージだわ。
好きな色。多分だけど、あれよね。
「赤とか?」
「赤ですか?」
アレクシスは何か考え始めます。私は赤いものを探しながら歩き回ることにしました。
「これは何かしら?」
私は宝石が並ぶ棚を眺めながら、アレクシスに尋ねる。
「コーラルですね。深海の精霊が宿っていると言われている宝石です」
「ふーん」
いいなぁこれ。なんか引き付けられる。
「幸運や長寿の象徴だな」
ブランクが覗き込んできて、コーラルを見てそういいます。
幸運に長寿ですか。いいですね。これにしましょうか。
私はコーラルと露店で売られていた串焼きを食べて王宮に帰り、見事夕食は残してしまい、不審がられました。
王家の生誕祭は一通り存在しますが、私達の生誕祭は王宮で一日中パーティをするくらいしかやりません。
しかし、国王の生誕祭は別。国の端から端まで祝う盛大な行事です。
ジェラールは気恥ずかしいからそこまでしなくていいと言っていましたが、文化がどうのこうの伝統がどうのこうの色々な方から強制されております。
そんなジェラールの生誕祭目前。私はとあることで迷っていました。
エリザベートとプレゼント被りしたらどうしよう。
ジェラールのことですから、プレゼント被りくらい気にしないでしょう。
そう、気にしているのはあくまで私だけだ。
これがゲーム画面だったら、好感度を上げるためにしょうもないプレゼントを連打で渡していたのに。
今日は学園もお休み。プレゼント選びをするなら今日でしょう。
「という訳で行きましょうブランク」
「全然理由がわからねーんだけど」
私が名を呼ぶと、当然のようにそこに黒い靄が集まり、いつものように実態になるブランク。
「私が王宮から抜け出すのよ。貴方以外誰がサポートするのよ」
現在、私は未だに行動するたびに一定の距離に騎士を配置しなければならない。
更に言えば、王宮と学園以外の行動は禁止されています。その為、街にでて買い物が一切できなくなっているのです。
「また出ていくだけなんだな? まあ、いい。どうせワンダーオーブを手に入れる時以外は暇なんだし、付き合ってやるよ」
私は髪の色を茶色くしてもらい、瞳の色を紺碧からグリーン系統の色にして貰いました。
「鏡見るか?」
「いらわないわ。貴方が完璧にやってくれたのでしょう?」
「…………まあ、そうだな」
私達は足元の魔法陣に乗って街に転移します。ブランクのことを知っているスザンヌは、この光景に何も言いませんでした。
「じゃあスザンヌ。誰かが来たら適当に言い訳お願い」
「畏まりました」
そう言った頃、魔法陣が光だし、青白い光に包まれ人目のない路地裏に移動しました。
相変わらずブランクは、真っ黒の格好で顔を隠していますが、もう気にならなくなりました。
「あれ、美味しそうね」
「お前もう昼は食べていなかったか?」
そう、私は身代わりが許されない家族との昼食だけは参加してました。
だけど、街は街で食べたいものだらけ。串焼きといい、パンといい、私が普段食べている高級な美食とは違う。
ここでしか食べられない味ばかりなのですから。
「食いに来ているんじゃねーんだぞ。それに夕食食えなくなっても知らないからな」
「そ、そうね」
私は有名なブティックに足を運び、紳士向けの商品を眺めています。
「ブランクか?」
そう呼ばれ、私達が振り向くと、そこにいたのは従兄のアレクシスでした。
「アレクシス?」
「え?」
アレクシスは私を見て誰だお前と言った表情をしています。
「声でわからんか?」
「もしかしてクリスティーンひ「ここではクリスでお願い」
「はぁ、クリス…………さん」
「ええ、それで」
どうやらアレクシスは普通に買い物に来ていたようです。しかし、公爵家の嫡男ですのに、護衛もつけずに歩き回るものなのですね。
「そうだわ。参考までに教えて頂戴。男の人ってどういうものを渡せば喜ぶのかしら?」
「え? 姫様が男性にプレゼントですか?」
え? 私、そういうことしない人に見られていたのですか?
「そりゃお前が渡せば、あいつはなんでも喜ぶだろ」
ブランクが横から口をはさみ、なぜかアレクシスの顔が青ざめていく。
「具合が悪いの?」
「あ、えっと…………ファッション関係でしたら、相手の私服で似合うものや、相手の好きな色を探すのはどうでしょうか?」
「うーん…………私服かぁ」
ジェラールの私服ってジェラールが選んでいるのかしら。用意されたものをそのまま着ているイメージだわ。
好きな色。多分だけど、あれよね。
「赤とか?」
「赤ですか?」
アレクシスは何か考え始めます。私は赤いものを探しながら歩き回ることにしました。
「これは何かしら?」
私は宝石が並ぶ棚を眺めながら、アレクシスに尋ねる。
「コーラルですね。深海の精霊が宿っていると言われている宝石です」
「ふーん」
いいなぁこれ。なんか引き付けられる。
「幸運や長寿の象徴だな」
ブランクが覗き込んできて、コーラルを見てそういいます。
幸運に長寿ですか。いいですね。これにしましょうか。
私はコーラルと露店で売られていた串焼きを食べて王宮に帰り、見事夕食は残してしまい、不審がられました。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる