BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

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144話 プレゼント選び

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 我が国は大きな祝日が二つある。一つは建国祭。そしてもう一つは国王の生誕祭である。

 王家の生誕祭は一通り存在しますが、私達の生誕祭は王宮で一日中パーティをするくらいしかやりません。

 しかし、国王の生誕祭は別。国の端から端まで祝う盛大な行事です。

 ジェラールは気恥ずかしいからそこまでしなくていいと言っていましたが、文化がどうのこうの伝統がどうのこうの色々な方から強制されております。

 そんなジェラールの生誕祭目前。私はとあることで迷っていました。

 エリザベートとプレゼント被りしたらどうしよう。

 ジェラールのことですから、プレゼント被りくらい気にしないでしょう。

 そう、気にしているのはあくまで私だけだ。

 これがゲーム画面だったら、好感度を上げるためにしょうもないプレゼントを連打で渡していたのに。

 今日は学園もお休み。プレゼント選びをするなら今日でしょう。

「という訳で行きましょうブランク」

「全然理由がわからねーんだけど」

 私が名を呼ぶと、当然のようにそこに黒い靄が集まり、いつものように実態になるブランク。

「私が王宮から抜け出すのよ。貴方以外誰がサポートするのよ」

 現在、私は未だに行動するたびに一定の距離に騎士を配置しなければならない。

 更に言えば、王宮と学園以外の行動は禁止されています。その為、街にでて買い物が一切できなくなっているのです。

「また出ていくだけなんだな? まあ、いい。どうせワンダーオーブを手に入れる時以外は暇なんだし、付き合ってやるよ」

 私は髪の色を茶色くしてもらい、瞳の色を紺碧からグリーン系統の色にして貰いました。

「鏡見るか?」

「いらわないわ。貴方が完璧にやってくれたのでしょう?」

「…………まあ、そうだな」

 私達は足元の魔法陣に乗って街に転移します。ブランクのことを知っているスザンヌは、この光景に何も言いませんでした。

「じゃあスザンヌ。誰かが来たら適当に言い訳お願い」

「畏まりました」

 そう言った頃、魔法陣が光だし、青白い光に包まれ人目のない路地裏に移動しました。

 相変わらずブランクは、真っ黒の格好で顔を隠していますが、もう気にならなくなりました。

「あれ、美味しそうね」

「お前もう昼は食べていなかったか?」

 そう、私は身代わりが許されない家族との昼食だけは参加してました。

 だけど、街は街で食べたいものだらけ。串焼きといい、パンといい、私が普段食べている高級な美食とは違う。

 ここでしか食べられない味ばかりなのですから。

「食いに来ているんじゃねーんだぞ。それに夕食食えなくなっても知らないからな」

「そ、そうね」

 私は有名なブティックに足を運び、紳士向けの商品を眺めています。

「ブランクか?」

 そう呼ばれ、私達が振り向くと、そこにいたのは従兄のアレクシスでした。

「アレクシス?」

「え?」

 アレクシスは私を見て誰だお前と言った表情をしています。

「声でわからんか?」

「もしかしてクリスティーンひ「ここではクリスでお願い」

「はぁ、クリス…………さん」

「ええ、それで」

 どうやらアレクシスは普通に買い物に来ていたようです。しかし、公爵家の嫡男ですのに、護衛もつけずに歩き回るものなのですね。

「そうだわ。参考までに教えて頂戴。男の人ってどういうものを渡せば喜ぶのかしら?」

「え? 姫様が男性にプレゼントですか?」

 え? 私、そういうことしない人に見られていたのですか?

「そりゃお前が渡せば、あいつはなんでも喜ぶだろ」

 ブランクが横から口をはさみ、なぜかアレクシスの顔が青ざめていく。

「具合が悪いの?」

「あ、えっと…………ファッション関係でしたら、相手の私服で似合うものや、相手の好きな色を探すのはどうでしょうか?」

「うーん…………私服かぁ」

 ジェラールの私服ってジェラールが選んでいるのかしら。用意されたものをそのまま着ているイメージだわ。

 好きな色。多分だけど、あれよね。

「赤とか?」

「赤ですか?」

 アレクシスは何か考え始めます。私は赤いものを探しながら歩き回ることにしました。

「これは何かしら?」

 私は宝石が並ぶ棚を眺めながら、アレクシスに尋ねる。

「コーラルですね。深海の精霊が宿っていると言われている宝石です」

「ふーん」

 いいなぁこれ。なんか引き付けられる。

「幸運や長寿の象徴だな」

 ブランクが覗き込んできて、コーラルを見てそういいます。

 幸運に長寿ですか。いいですね。これにしましょうか。

 私はコーラルと露店で売られていた串焼きを食べて王宮に帰り、見事夕食は残してしまい、不審がられました。
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