BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

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151話 夜会のエスコートは?

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 指名手配犯赤銅しゃくどうのロマンの逮捕からすぐに王都内は復旧作業になるのかなと思いました。

 しかし、さすがは魔法の世界。時空魔法で壊れたものは元通り。

 さすがに生命そのものを生き返らせることはできないみたいですが、壊れた建物なら一瞬でした。

「もしかしてこの後は何事もなかったのように夜会が始まるのかしら?」

「ええ、当然です姫様」

「いたのねスザンヌ」

 私達はいつの間にか現れたスザンヌと一緒に王宮で休憩をしていました。

 怪我はジョアサンの回復魔法で完全回復。

 適正が高いだけあって【緑】のワンダーオーブを持っていても、私の回復魔法はジョアサンの回復魔法には遠く及びませんでした。

「しかし妙ですね」

「何がよ?」

 オリバーは神妙な面構えで紅茶を口にし、手配書を眺めていました。

「いえ、赤銅のロマンはこれでも長い年月をかけて近隣諸国を騒がせた犯罪者。いくら【橙】のワンダーオーブの力があったとしても、あっさりしすぎている。と、思っただけです」

 オリバーの言うことは一理ある。

 そもそも、ロマンあれは間違いなく科学知識のある人間の発想。

 ブラン王国と同様の宗教を国教としているロポポロ公国出身の人間であれば、一定以上の加速アクセルは神の反逆として燃え尽きると認識していたはず。

 実際は摩擦熱ですけどね。

 あるいは、多くの国が国教としているルクレシア教が偽りだと知っていると言うことでしょうか。

「オリバー皇子、その辺りの事情は、彼が尋問されてはっきりするでしょう。私達が気にすることではありません」

 アレクシスがそういうと、オリバーも「だと良いのですけどね」と言って私に一度だけ視線を向けてから、明後日の方向に視線を向けます。

 何か言いたいことでもあるというの?

「ところで夜会に億劫な王国の姫は不参加でもするのかい?」

「それは無理よ。お父様とお母様に迷惑をかけるわ」

「ほう、ではエスコートは決めているのかい?」

 オリバーの問いにジャンヌさんとスザンヌを除いた全員がガタっと動き出した。

 なんでそんなに食いつきが良いのよ。私の結婚相手なんてどうでもいいじゃない。

 それともみんなもう未来さきを見越して国内情勢を把握しようとしているのかしら。

 仮にも第一王女の嫁ぎ先ですからね。気にして当然か。

 まあ、エスコートしてくれる相手絶賛募集中なんですけどね。ウィルフリードにパレードの道順教えていてすっかり忘れていました。

 私は心の中で涙を流しながら、すまし顔でなんかそれっぽいことを言おうと思案します。

「姫様は今の所は特定の方をエスコート役に指名はしていません。これは現段階で姫様の相手に相応しいと判断できる相手がはっきりしていないことからの王命でございます」

「そ、そうよ! スザンヌが説明した通りだわ!!」

 私はスザンヌの嘘か誠かわからない説明に乗りました。でも、特に提案されていませんでしたし、案外本当のことだったり?

「おやおや、普段からこれだけ男を侍らかしている王国の姫がですか?」

「言い方を何とかして貰えないかしら?」

「それでは皆さんで一緒に行けばよいのでは?」

 ジャンヌさんの提案に、ほぼ全員の表情が曇る。私もそれはちょっときついなぁ。

「ジャンヌ君、貴族の社交としてそれはちょっとまずいんだ。姫君が男遊びをしているような方と思われてしまうよ」

 ビルジニが説明し、ジャンヌさんは真っ青な顔になって私に何度も謝り倒しますが、途中で卒倒してしまいました。

「ジョアサン、治癒ヒールよ」

「気絶は無理ですね」

 回復魔法は万能ではない。これは学園で学んだ知識ですが、怪我や病気の原因を把握し、魔力で処置を行うものらしいそうです。

 つまり、倒れた原因を把握し、何をすれば正常に戻るか術者が把握していないとできないそうで。

「結局夜会はどうされるのですか?」

「一人で行くわ。現段階で特定の相手を選べていない私の問題よ」

 そう言った私の周囲は落胆した。私にどうして欲しかったのよ。

「姫らしいといえば姫らしいが、どうせ君の周りは男だらけになるよ」

 あー、王家との繋がりが欲しい家系って少なくないですからね。私も想像つきます。

 やはり行きたくないな。そう思っていましたが、私の想いは通じず、日はどんどん沈んでいくのでした。
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