BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

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188話 ダイナミック婚約破棄

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 私達三人と一匹がブラン王国に最速で帰還するには、どうしても目の前にあるオリバー率いる帝国兵の騎馬隊を追い抜く必要があります。

 道を変えるも土地勘のない私達。やはり、ウィルフリードが覚えているこの道を走るしかない。

 私達は正面真っすぐ走ろうとすると、騎馬隊も気付き、今度はこちらに向き合って道を遮るように並びます。

 またドーム状の守護魔法を形成されてしまい、我々は身動きが取れない状態になってしまいました。

「オリバー皇子! そこを通してください」

「できませんね。貴女は城で大人しく過ごしていれば良かったのです。何より私は君の臣下たちと違い、君と共に闘うことなど一度も認めていない」

「私じゃ…………戦力不足かしら?」

「そう聞こえたなら、そうでしょうね」

 戦力不足。でもそうね。認めさせたいというなら、はっきりここで白黒つけるべき。そう思わないかしら。

 私はウィルフリードから飛び降り、スザンヌとジャンヌも続いて降りてきました。

「何のつもりですか?」

「剣を貸して頂戴」

「意味が分からない。貴女には必要ないものだ」

「オリバー皇子。貴方が私を認めないというなら、私も貴方を認めないわ。白黒はっきりつけましょう」

 私がそういうと、オリバー皇子はしばらく考えこみました。

「俺が君に剣を向ける理由がない。俺も剣を使わないから、君も握る必要はない。魔術師同士の決闘としてお相手しよう」

 そう言ったオリバーは乗っていた馬から飛び降りると、私の方に向かってゆっくりと歩いてきた。互いの視線がぶつかる。

「お先にどうぞ。貴女の魔法発動が開戦の合図としましょう」

「余裕じゃない」

「余裕なんですよ」

 舐められているようでそんなことはない。オリバーは無詠唱で魔法を発動できる。私なんかよりずっと魔法の行使が速いんだ。

 本来、私も【橙】のワンダーオーブの力で無詠唱で魔法を扱えなくもないのですが、今のところ成功したのは波動ウェーブだけ。渡した瞬間に使いこなしたミゲルは天才ね。

 私は複数のワンダーオーブを持ち合わせていますが、相手は無詠唱で魔法を行使できて、厄介な幻惑魔法使いのオリバー。更には【緑】のワンダーオーブを所持している。

 私の発動と同時に幻惑魔法がかけられる。だったら最初にやるべきはその対策からでしょう。

「時空魔法、転移ワープ

 私は瞬時に転移しオリバーの視界から消えてしまいます。さすがのオリバーも視界にいない人間に魔法はかけられない。

 オリバーは必至で私を探しているでしょう。

 私はとっさに波動ウェーブを無詠唱で発動し、地中から登場しました。

「おやおや、土の中でしたか」

「まだまだよ! 時空魔法、転移ワープ

 私は瞬時にまた転移をし、今度はオリバーの頭上に移動。即座に彼に目掛けて利き手向けた。連発して波動ウェーブを連射。

 オリバーの姿は蜃気楼の様に消えてしまった。これは蜃気楼《ミラージュ》ね。まずい、既に幻惑魔法をかけられているわ。

 相手の位置が捉えることができないなら、そのすべてを飲み込めばいい!

「スザンヌ! ジャンヌをよろしくね!」

「畏まりました」

「え?」

「波動魔法、流砂クィクサインド

 私は複雑な波動を大地に流し込み、その土地の性質に大きな影響を与えた。私達の立っていた足元、つまり守護魔法のドームの内側のそのすべての大地を流砂に変える。

 スザンヌの付与魔法によりジャンヌは飛翔。そのジャンヌにしがみ付く形で彼女も浮いています。

 オリバー率いる騎馬隊は次々と流砂の餌食になっていきます。私は度重なる転移の連打による疑似飛翔を行っていました。

「これが君の覚悟か」

 地中からだろう。オリバーの声が聞こえる。

「…………時空魔法、停止ストップ

 流砂の流動的な動きは止まり、堅い地盤の様にその場に固定された。なんとか騎馬隊の人達は這い上がり、オリバーも土の中からその姿を現した。

「どうしたんだいクリスティーン姫。お情けかな? まだ俺は負けを認めていませんよ」

「オリバー皇子? 手加減ですか?」

「そう見えたかな?」

「貴方は魔法を一度しか発動していない。理由がわかりません」

「答えを知りたければ、俺を倒すといい」

 オリバーはまだ何かを隠している。そしてそれを一向に口に出そうとしない。わからないけど、この先に進むには、帰国するにはここで決めるしかない。

「それではこれが私の気持ちです。仕方と受け止めてください」

「受け取ろう。君に求婚した男の最後の仕事だ」

 オリバーの声を聞いて安心した。彼も覚悟ができている。

「波動魔法、婚約破棄エンゲージブレイク

 それはただの波動ウェーブであってそうではない。王国の王女が送る帝国の皇子への最大限の粗相。

 吹き飛ばされるのはかなた遠く。ではなく、守護魔法のドームの壁。

 オリバーは思いっきりドームの壁にたたきつけられ、ドームはその衝撃で破損してしまった。

「さてと、貴方の手加減の理由でも話して貰おうかしら元婚約者様オリバー
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