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193話 感情のフィードバック
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魔力を浪費した私を支えるスザンヌとジャンヌ。少しだけやすんでいる間に帝国兵たちがどんどん道を切り開き始めてくれました。北側から王宮への道のりとなる最難関であったロマンを捕縛したおかげで、少しずつですが進軍できているようです。
王都でも中心街以外はほとんど足を運んだことがなく、ほとんど見覚えのない街並み。それでも、壊れた民家や焼けた道を見て何も感じないなんてことはなかった。
【藍】のワンダーオーブを返してもらったおかげでやっと普通に歩けるくらいまで回復した私。帝国兵達にお礼を言ってから三人でウィルフリードに乗ります。
「私たちは一気に王宮まで走り抜けます。私たちが通り抜ければ敵陣も防衛だけにリソースを避けなくなるはずです。そのすきに帝国兵の皆様は王宮までの道を作ってください」
そう問いかけてウィルフリードを走らせる。ジャンヌの光の波動魔法で視界を奪ったりけん制したりしながら私たちは無事敵陣の最前線を突破しました。こちら側には有力な幹部ももういない。今のうちなら王宮に帰れる! みんなや家族もいる王宮に。
「ジャンヌ、疲れたら私も手伝うわ」
「いいえ姫様。姫様は先ほどから明らかに不調です。本当ならもうしばらく休むべきだと思います」
「そうですね、特にワンダーオーブの力を使った後の貴女は調子が悪そうです」
どうやらスザンヌとジャンヌには私の不調の原因が見抜かれているみたいです。ワンダーオーブを使って発動する浄化魔法は、けして一人で使ってはいけない。そんなこと私も知っていたというのに、私はそれに手を出した。
実際に使用してわかったことは、浄化魔法は相手の邪な感情を吸い取って術者の内側に取り込んで抑え込む魔法でした。私にはロマンの傲慢な感情が流れ込んでいるということです。二人で使用した場合取り込まれる量は半減される上に、より抑え込める方に多めに流れ込むようになっています。
しかし、私はたった一人で浄化魔法を行使した。そのせいか感情のフィードバックを起こしてしまったようです。今、私の精神はロマンの邪な感情を抑えるために必死に戦っている。強い感情に揺さぶられる。ここで負けたらどうなるのだろうか。考えたくもない。
「二人は軽々しく浄化魔法を使わないでね」
浄化魔法を行使した場合、本来周囲にいる人物は程度によりますが一緒に浄化されて一定時間眠ってしまいますが、ワンダーオーブを所持していたおかげかジャンヌとスザンヌには眠ることはありませんでした。
「一体これは……いえ、なんでもありません」
「軽々しく使うなんてことはないと思います。でも、ここで行う行動の一挙一動は軽々しいことなんてありません。だから、その時がくれば」
ジャンヌが【橙】のワンダーオーブを握ってそう呟きます。【橙】のワンダーオーブで浄化できるのは暴食の感情。暴食とは大食いのことではなく、資源や食料の過剰な浪費のことを指します。現状でそのワンダーオーブを使って浄化魔法を発動することはあまり考えられないので大丈夫でしょう。
それよりもどちらかといえばこちら。【藍】のワンダーオーブ。以前、平民生徒たちの暴動を止めるためにジョアサンと二人で使ったことがあります。あの時もかなり負担が来ましたね。こちらが浄化する感情は憤怒。もしかしたらこれを渡せばスザンヌが浄化魔法を使う機会が訪れるかもしれない。それでも、スザンヌが持っている方が今は効率がいい。
私は一度返してもらった【藍】のワンダーオーブをスザンヌにもう一度渡す。サポーターである彼女の魔力回復を優先した方が絶対に有利だ。
そしてついに王宮が目に入る。ここを超えればみんなに会えるんだ。
その瞬間でした。城壁の一部が勢いよく吹き飛んだ。私は、一瞬何が起きたか理解することができませんでした。響く悲鳴に叫ぶ声。老若男女様々な声が空に響いた。
王宮が攻め込まれ始めた。理解の遅い私の頭でも、その答えにたどり着いた。
王都でも中心街以外はほとんど足を運んだことがなく、ほとんど見覚えのない街並み。それでも、壊れた民家や焼けた道を見て何も感じないなんてことはなかった。
【藍】のワンダーオーブを返してもらったおかげでやっと普通に歩けるくらいまで回復した私。帝国兵達にお礼を言ってから三人でウィルフリードに乗ります。
「私たちは一気に王宮まで走り抜けます。私たちが通り抜ければ敵陣も防衛だけにリソースを避けなくなるはずです。そのすきに帝国兵の皆様は王宮までの道を作ってください」
そう問いかけてウィルフリードを走らせる。ジャンヌの光の波動魔法で視界を奪ったりけん制したりしながら私たちは無事敵陣の最前線を突破しました。こちら側には有力な幹部ももういない。今のうちなら王宮に帰れる! みんなや家族もいる王宮に。
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「いいえ姫様。姫様は先ほどから明らかに不調です。本当ならもうしばらく休むべきだと思います」
「そうですね、特にワンダーオーブの力を使った後の貴女は調子が悪そうです」
どうやらスザンヌとジャンヌには私の不調の原因が見抜かれているみたいです。ワンダーオーブを使って発動する浄化魔法は、けして一人で使ってはいけない。そんなこと私も知っていたというのに、私はそれに手を出した。
実際に使用してわかったことは、浄化魔法は相手の邪な感情を吸い取って術者の内側に取り込んで抑え込む魔法でした。私にはロマンの傲慢な感情が流れ込んでいるということです。二人で使用した場合取り込まれる量は半減される上に、より抑え込める方に多めに流れ込むようになっています。
しかし、私はたった一人で浄化魔法を行使した。そのせいか感情のフィードバックを起こしてしまったようです。今、私の精神はロマンの邪な感情を抑えるために必死に戦っている。強い感情に揺さぶられる。ここで負けたらどうなるのだろうか。考えたくもない。
「二人は軽々しく浄化魔法を使わないでね」
浄化魔法を行使した場合、本来周囲にいる人物は程度によりますが一緒に浄化されて一定時間眠ってしまいますが、ワンダーオーブを所持していたおかげかジャンヌとスザンヌには眠ることはありませんでした。
「一体これは……いえ、なんでもありません」
「軽々しく使うなんてことはないと思います。でも、ここで行う行動の一挙一動は軽々しいことなんてありません。だから、その時がくれば」
ジャンヌが【橙】のワンダーオーブを握ってそう呟きます。【橙】のワンダーオーブで浄化できるのは暴食の感情。暴食とは大食いのことではなく、資源や食料の過剰な浪費のことを指します。現状でそのワンダーオーブを使って浄化魔法を発動することはあまり考えられないので大丈夫でしょう。
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そしてついに王宮が目に入る。ここを超えればみんなに会えるんだ。
その瞬間でした。城壁の一部が勢いよく吹き飛んだ。私は、一瞬何が起きたか理解することができませんでした。響く悲鳴に叫ぶ声。老若男女様々な声が空に響いた。
王宮が攻め込まれ始めた。理解の遅い私の頭でも、その答えにたどり着いた。
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