BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

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211話 仮設

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 終戦し、復興作業に取り掛かることになり、王都にいる多くの成人は忙しくなってしまいました。私達も成人年齢を過ぎているため、学生の身でありながら、いくつかの仕事が回されることになり大忙し。

 と言いましても、姫である私の主な仕事は現場の最終確認ばかり。最終確認を十四の姫に任せるのはどうか思いますが、雑務も肉体労働も回せなかったと考えれば妥当なのでしょう。

 私は整備された道の点検に向かうために馬車に揺らされます。あの戦争でウィルフリードは重症。スザンヌも目を覚ましていません。私の隣にはセシルが座っています。

 馬車の中で考えることは大きく二つ。いまだに目覚めないブランクと……青鉛のミユキのことだ。

 前者はいくら考えても目が覚めるわけはない。でも、後者はじっくり考える必要がある。あの日本人風の女は、なぜ私の前世の名前を名乗ったのだろうか。

 仮設一。青鉛のミユキは私の前世のことを把握している。これに関しては納得できる理由がないし、知っているからといっても、私の名前を名乗る理由がない。

 仮設二。偶然、私と同じ音の名前だったパターンの人がその姿のまま転生した。こちらはすんなり納得できなくもないけど、けどやっぱり偶然にしてはできすぎていると思う。

 仮設三。正直、これはあまり受け入れられないのだけれど……多分……私……私…………

 仮設三に対しては、ありえなくもない。

 考えたって答えは出てこない。でも、考えなきゃいけない。いくつか覚悟しなければいけない。私が何者なのかはっきりするかもしれない。

 そうこうしている間に現場にたどり着く。そこには私が鋼鉄の世界に作り変えた大地。錆びた世界はもうなくなっていた。仮設といわれても仕方ないくらいの簡易的な民家が造られている。

「姫様、よくざおいでなさいました」

 よく知らない男性が私に気づきその声を聴いた周囲の人々がこちらに集まってきます。こちらの地域はかろうじて人が住める程度になっているのは、私の創造魔法の影響か、瓦礫そのものがすべて消え去っていたおかげらしい。

 それでも、王都全域にあの魔法をかけることは私には不可能。少しずつ復興しているところに、最後の一押しで使うこともありますけど、複合魔法なんて軽々しく他人に見せれるものでもない。

 そうだ。結局アリゼを倒せなかったんだし、彼女との決着はまだなのよね。青鉛のミユキの登場ですっかり忘れていたわ。ほかのみんなからすればさほどインパクトのない相手でも、彼女は私にとって特別だったから。

 アリゼ。彼女は金属を自在に操る魔法と、高熱の炎を操る魔法を使っていたわね。この世界には純粋な属性魔法が存在しない。

 それはあくまで基本として知られている魔法に存在しないだけで、ブランクだって炎や氷の魔法を使っている。おそらく、私たちが今使っている魔法はあくまで使い方が知れ渡っている魔法なだけで、もっと魔法は存在するんだわ。

 ……そういうことに詳しいのは限られているわよね。単純明快。二千年前を知る七人の神々。彼らの降臨は気まぐれもいいとこだけど、過去に一度ブランクに質問した際に、マルグリットなら直系の子孫がくれば現れるかもしれないと言っていたわ。

 マルグリットの直系の子孫。正直言えば山勘でしかないけど、十中八九あの娘よね。銀髪に深紅の瞳。彼女の特徴がマルグリットの特徴と一致している。で、あればマルグリットは彼女を連れて行けば来てくれるかもしれない。

 すべてのチェックが終わり、今日の作業は終了。私はちょうど近くにいて資金援助の確認や、領地から物資を運ぶ許可をしているはずの彼女のもとに向かうことにしました。

 アリゼがまだ不可思議な魔法を使う以上、私たちはそれに対抗する力が必要になる。

 そのためには、やはり知るべきなのでしょう。領域外に存在する周知されていない魔法の扱い方を…………
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