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序
第五話 偽物
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小燕向葵は、錆殻光臣が甥、それに甥の秘書兼保護者代理を勤める菅原とともに暮らすマンションにくっついて来た。正確には、「もう帰るからこの話はまた今度」と流そうとする光臣の自家用車に、「では自宅に赴き、甥御さんと菅原さんから直接話を伺いたい」と小燕が乗り込んできたのだ。刑事をクルマから叩き落とすわけにもいかず、仕方なく自宅に連れ帰る羽目になった。
錆殻光臣は嘗て、錆殻家が代々引き継いできた巨大な日本家屋で妻と息子とともに暮らしていた。だが、諸般の事情があって家は燃え、妻は死に、息子の生死に至っては不明という状態である。光臣とて人の子である。甥に貸し与えているマンションの一室に逆に居候をしているという状態を良いとは思っていない。それにいずれは息子のことも探さなくてはならないと思っている──生きているとしても、死んでいるとしても。
(億劫だ)
妻や息子のことを考えると、光臣の後頭部はずしんと重くなる。億劫。人でなしだと言われるだろうか。それでも、いざ息子のことを考えると気が滅入るし、妻に至っては──
「あ、刑事さん」
「おや、珍しい」
玄関の扉を開けると、甥と菅原が揃ってリビングから顔を覗かせた。「どうも、お邪魔しますよ」と小燕が愛想良く──彼にしては珍しく、目一杯の愛想を込めた口調で言った。
「伯父が何かしたんですか? 刑事さん」
「詐欺ですね? 詐欺罪ですね? 菅原には分かります」
「ご期待に添えなくて申し訳ないのですが、そのどちらでもありません」
群がってくる小柄な甥と、異様に長身の菅原を同時に相手にしつつ、小燕は言った。口の中で舌打ちをした光臣はリビングに入る前に洗面所で手を洗い、うがいをし、鏡に映る灰色の肌の男をじっと見詰める。
別に体調が悪いわけではない。錆殻光臣の肌はいつも灰色だ。他の人間には気付かれていないだけで。
倦んでいる。生きることに。霊能者であることに。──死んだ弟の代理であることに。
溜め息を吐く。
「菅原、去年の祓いを覚えているか」
「なんです光臣さん、藪から棒に」
「いいから答えろ。アベックに依頼された案件だ」
「アベック……って何ですか、坊っちゃん」
「知らない」
キッチンに入り、小燕のために煎茶を淹れながら甥が応じる。光臣は今度こそ大きく舌打ちをし、
「出版社勤務、秋元慎也。その恋人、食玩メーカーの営業、政岡涼子」
「あ~……ああ。はい。思い出しました。ねえ坊っちゃん」
「小燕さん、座ってください。お茶を淹れました」
「ああ、ありがとう。すみませんね、突然押し掛けてきたのに」
リビングに置かれた丸テーブル。椅子はふたつだけ。そもそもこの部屋では甥と菅原がふたりきりで暮らしていたのだから、仕方のない話だ。そのうちの片方を、菅原が小燕に譲り渡す。甥が小燕の正面の椅子に腰を下ろす。菅原はぬぼっとした縦長の影のように立ち尽くし、光臣はこの家で甥と菅原と同居を始めるに当たって買い求めた品のひとつである高座椅子に腰を下ろす。
「小燕さん、ご飯まだですか。僕たち、今日はカレーにしようと思ってたんですけど」
「いや、お構いなく」
「刑事さん! 坊っちゃんのカレーは絶品ですよ! 菅原が保証します!!」
「何の話をしてるんだよ、おまえらはよ」
甥と菅原に、疎まれているのは知っている。光臣とて、死んだ弟の遺児──でさえなければ、甥とも、その甥にべったりの菅原とも、早々に縁を切りたいと思っている。光臣と光臣の弟は、決して仲の良い兄弟ではなかった。
小燕向葵という突然の客人に、甥と菅原が浮かれる気持ちは理解できる。だが、ここで本当にカレーパーティーを開催されるわけにはいかないのだ。
「カレーは話の後だ。菅原」
「カレーを食べたいのですが……」
「話の後だ。アベックからの依頼、きちんと済ませたんだろうな?」
「ええ……?」
と、菅原と甥が戸惑ったように視線を交わす。
「済ませましたよ……? 菅原だってそんな、きちんと覚えています。出版社に勤務されている男性の方の同僚の人が、どこでしたっけね、山奥の廃神社で腹を切って亡くなられて」
「覚えているのか」
身を乗り出す小燕に、もちろんですよ、と菅原は頷く。
「その後、血の匂い、異音、更には亡くなられた方が背後から語り掛けてくる──という症状を訴えて、お祓いを求めていらっしゃったんですよね」
「ああ、そうだ」
秋元慎也と政岡涼子は、錆殻光臣のマネージャーに連絡を寄越した。錆殻光臣の名刺には光臣直通の電話番号やメールアドレスは添えられておらず、一旦、タレントとしての光臣のスケジュール管理などを引き受けているマネージャーの長田を挟まなくては依頼を行うことはできない。
甥と、菅原と、そして光臣。更にマネージャーの長田は、夏の終わりのある夜に秋元・政岡カップルのヒアリングを行った。光臣には幽霊は見えない。悪霊も怨霊も、何も見えないし察知できない。だからすべては甥と菅原に丸投げだ。
だが、その日は奇妙だった。マネージャーの長田が、嘔吐したのだ。ヒアリングが始まって間もないタイミングで、「ちょっとすみません」と長田が席を立った。トイレに篭って五分。一向に戻ってこない長田を訝しみ、光臣自ら手洗いに──というわけにもいかないので、光臣が所属している芸能事務所の事務員を勤めている女性を捕まえて、女子トイレに様子を見に行ってもらった。
長田が個室で真っ青になって昏倒していると分かり、救急車を呼ぶ騒ぎになった。
「本物ですね」
担架に乗せられて運ばれていく長田を見ながら、甥が平坦な声で言った。
「秋元さんと政岡さんは、本物を連れてきてしまった」
「本物って……!」
自称『見えない男』である秋元慎也が、真っ青になって喚いた。彼は生まれてこの方一度も、このような経験をしたことがないのだという。恋人である政岡涼子は逆に霊能力──「変なものが見えるだけです」といかにも不本意そうに呟いていたが──があり、頻繁にこの世のものではない存在を目にしてしまうという話だったが。
「お祓い、できるんですか!? 俺たち、どうなっちゃうんですか……!?」
「どうしよう」
「菅原が引き受けます」
申し出たのは、菅原本人だった。闇夜の色の髪を高く結い上げ、長身をオーバーサイズの緑色のTシャツとダボついたデニムで包んだ菅原は、
「お任せください」
と微笑んだ。
「大丈夫です。菅原は本物です」
甥がそう言い添えるのを確認し、光臣はヒアリングが行われている芸能事務所の来客室を離れた。救急車で運ばれていった長田の様子が気になったからだ。
「秋元さんの会社の方が腹を切られたという廃神社、あそこはあまり良くない場所でした」
光臣の制止を無視してカレーパーティーの準備を開始しながら菅原が言う。
「菅原も、あそこに近付きたいとはあまり思いません」
「どういう……?」
白米とカレーがたんまり盛られた皿を受け取りながら、小燕が尋ねる。
「廃神社、ということは既に神社としては機能していない場所だということなのだろうが」
「というより、嘗て祀られていた神様が何らかの理由で悪者に変貌してしまったため、周囲の方々が神社の機能を強引に停止させ、その後敢えて放置していた場所──と説明すれば、伝わるでしょうか」
小首を傾げる小燕には、おそらくいまいち状況が伝わっていない。
「つまり」
と、光臣が口を挟む。
「その神社に祀られてた神様が、おまえみたいになっちまったってことだろ? 菅原」
化け物。
「聞き捨てなりませんね、光臣さん」
「実際その通りだろう」
「その通りではありますが、違います。今の菅原は菅原であるからして、断じて化け物では──」
「まあ、まあまあ。待ってくれ、菅原さん。その、つまり、その場所は──入り込んではいけない場所、という解釈でいいだろうか?」
スプーンを手に割って入る小燕に、
「禁足地ですよ」
と甥がさらりと応じた。
「日本国内に幾つもあります。海外にもいっぱいあるんじゃないかな。興味本位で足を踏み入れてはいけない場所。禁足地。その廃神社が禁足地になったなった理由を僕たちは知らないけれど……」
「秋元さんという方には、べったり張り付いていました。あの神社に取材に行って亡くなった方の魂を借りて出てきた、……良くないモノが」
「良くないモノ」
小さく繰り返す小燕の顔を覗き込んだ菅原が、
「でも、祓いました。もうこの世にはいません。追い出しました。保証します」
「そう……だよな。そうです。菅原さんは、本物だ……」
「僕も菅原も本物ですよ。……いったい何があったんです?」
尋ねる甥に、死んだんだとよ、と光臣は言い置いて高座椅子から腰を上げる。煙草が吸いたい。ベランダに出よう。
「秋元と政岡が、ふたりして」
「はあ……!?」
この先の説明は、小燕が行うだろう。ベランダに立ち、紙巻きに火を点ける。錆殻光臣は偽物だ。霊を見ることも祓うこともできない。
だからこの件に、これ以上関与することはない。
錆殻光臣は嘗て、錆殻家が代々引き継いできた巨大な日本家屋で妻と息子とともに暮らしていた。だが、諸般の事情があって家は燃え、妻は死に、息子の生死に至っては不明という状態である。光臣とて人の子である。甥に貸し与えているマンションの一室に逆に居候をしているという状態を良いとは思っていない。それにいずれは息子のことも探さなくてはならないと思っている──生きているとしても、死んでいるとしても。
(億劫だ)
妻や息子のことを考えると、光臣の後頭部はずしんと重くなる。億劫。人でなしだと言われるだろうか。それでも、いざ息子のことを考えると気が滅入るし、妻に至っては──
「あ、刑事さん」
「おや、珍しい」
玄関の扉を開けると、甥と菅原が揃ってリビングから顔を覗かせた。「どうも、お邪魔しますよ」と小燕が愛想良く──彼にしては珍しく、目一杯の愛想を込めた口調で言った。
「伯父が何かしたんですか? 刑事さん」
「詐欺ですね? 詐欺罪ですね? 菅原には分かります」
「ご期待に添えなくて申し訳ないのですが、そのどちらでもありません」
群がってくる小柄な甥と、異様に長身の菅原を同時に相手にしつつ、小燕は言った。口の中で舌打ちをした光臣はリビングに入る前に洗面所で手を洗い、うがいをし、鏡に映る灰色の肌の男をじっと見詰める。
別に体調が悪いわけではない。錆殻光臣の肌はいつも灰色だ。他の人間には気付かれていないだけで。
倦んでいる。生きることに。霊能者であることに。──死んだ弟の代理であることに。
溜め息を吐く。
「菅原、去年の祓いを覚えているか」
「なんです光臣さん、藪から棒に」
「いいから答えろ。アベックに依頼された案件だ」
「アベック……って何ですか、坊っちゃん」
「知らない」
キッチンに入り、小燕のために煎茶を淹れながら甥が応じる。光臣は今度こそ大きく舌打ちをし、
「出版社勤務、秋元慎也。その恋人、食玩メーカーの営業、政岡涼子」
「あ~……ああ。はい。思い出しました。ねえ坊っちゃん」
「小燕さん、座ってください。お茶を淹れました」
「ああ、ありがとう。すみませんね、突然押し掛けてきたのに」
リビングに置かれた丸テーブル。椅子はふたつだけ。そもそもこの部屋では甥と菅原がふたりきりで暮らしていたのだから、仕方のない話だ。そのうちの片方を、菅原が小燕に譲り渡す。甥が小燕の正面の椅子に腰を下ろす。菅原はぬぼっとした縦長の影のように立ち尽くし、光臣はこの家で甥と菅原と同居を始めるに当たって買い求めた品のひとつである高座椅子に腰を下ろす。
「小燕さん、ご飯まだですか。僕たち、今日はカレーにしようと思ってたんですけど」
「いや、お構いなく」
「刑事さん! 坊っちゃんのカレーは絶品ですよ! 菅原が保証します!!」
「何の話をしてるんだよ、おまえらはよ」
甥と菅原に、疎まれているのは知っている。光臣とて、死んだ弟の遺児──でさえなければ、甥とも、その甥にべったりの菅原とも、早々に縁を切りたいと思っている。光臣と光臣の弟は、決して仲の良い兄弟ではなかった。
小燕向葵という突然の客人に、甥と菅原が浮かれる気持ちは理解できる。だが、ここで本当にカレーパーティーを開催されるわけにはいかないのだ。
「カレーは話の後だ。菅原」
「カレーを食べたいのですが……」
「話の後だ。アベックからの依頼、きちんと済ませたんだろうな?」
「ええ……?」
と、菅原と甥が戸惑ったように視線を交わす。
「済ませましたよ……? 菅原だってそんな、きちんと覚えています。出版社に勤務されている男性の方の同僚の人が、どこでしたっけね、山奥の廃神社で腹を切って亡くなられて」
「覚えているのか」
身を乗り出す小燕に、もちろんですよ、と菅原は頷く。
「その後、血の匂い、異音、更には亡くなられた方が背後から語り掛けてくる──という症状を訴えて、お祓いを求めていらっしゃったんですよね」
「ああ、そうだ」
秋元慎也と政岡涼子は、錆殻光臣のマネージャーに連絡を寄越した。錆殻光臣の名刺には光臣直通の電話番号やメールアドレスは添えられておらず、一旦、タレントとしての光臣のスケジュール管理などを引き受けているマネージャーの長田を挟まなくては依頼を行うことはできない。
甥と、菅原と、そして光臣。更にマネージャーの長田は、夏の終わりのある夜に秋元・政岡カップルのヒアリングを行った。光臣には幽霊は見えない。悪霊も怨霊も、何も見えないし察知できない。だからすべては甥と菅原に丸投げだ。
だが、その日は奇妙だった。マネージャーの長田が、嘔吐したのだ。ヒアリングが始まって間もないタイミングで、「ちょっとすみません」と長田が席を立った。トイレに篭って五分。一向に戻ってこない長田を訝しみ、光臣自ら手洗いに──というわけにもいかないので、光臣が所属している芸能事務所の事務員を勤めている女性を捕まえて、女子トイレに様子を見に行ってもらった。
長田が個室で真っ青になって昏倒していると分かり、救急車を呼ぶ騒ぎになった。
「本物ですね」
担架に乗せられて運ばれていく長田を見ながら、甥が平坦な声で言った。
「秋元さんと政岡さんは、本物を連れてきてしまった」
「本物って……!」
自称『見えない男』である秋元慎也が、真っ青になって喚いた。彼は生まれてこの方一度も、このような経験をしたことがないのだという。恋人である政岡涼子は逆に霊能力──「変なものが見えるだけです」といかにも不本意そうに呟いていたが──があり、頻繁にこの世のものではない存在を目にしてしまうという話だったが。
「お祓い、できるんですか!? 俺たち、どうなっちゃうんですか……!?」
「どうしよう」
「菅原が引き受けます」
申し出たのは、菅原本人だった。闇夜の色の髪を高く結い上げ、長身をオーバーサイズの緑色のTシャツとダボついたデニムで包んだ菅原は、
「お任せください」
と微笑んだ。
「大丈夫です。菅原は本物です」
甥がそう言い添えるのを確認し、光臣はヒアリングが行われている芸能事務所の来客室を離れた。救急車で運ばれていった長田の様子が気になったからだ。
「秋元さんの会社の方が腹を切られたという廃神社、あそこはあまり良くない場所でした」
光臣の制止を無視してカレーパーティーの準備を開始しながら菅原が言う。
「菅原も、あそこに近付きたいとはあまり思いません」
「どういう……?」
白米とカレーがたんまり盛られた皿を受け取りながら、小燕が尋ねる。
「廃神社、ということは既に神社としては機能していない場所だということなのだろうが」
「というより、嘗て祀られていた神様が何らかの理由で悪者に変貌してしまったため、周囲の方々が神社の機能を強引に停止させ、その後敢えて放置していた場所──と説明すれば、伝わるでしょうか」
小首を傾げる小燕には、おそらくいまいち状況が伝わっていない。
「つまり」
と、光臣が口を挟む。
「その神社に祀られてた神様が、おまえみたいになっちまったってことだろ? 菅原」
化け物。
「聞き捨てなりませんね、光臣さん」
「実際その通りだろう」
「その通りではありますが、違います。今の菅原は菅原であるからして、断じて化け物では──」
「まあ、まあまあ。待ってくれ、菅原さん。その、つまり、その場所は──入り込んではいけない場所、という解釈でいいだろうか?」
スプーンを手に割って入る小燕に、
「禁足地ですよ」
と甥がさらりと応じた。
「日本国内に幾つもあります。海外にもいっぱいあるんじゃないかな。興味本位で足を踏み入れてはいけない場所。禁足地。その廃神社が禁足地になったなった理由を僕たちは知らないけれど……」
「秋元さんという方には、べったり張り付いていました。あの神社に取材に行って亡くなった方の魂を借りて出てきた、……良くないモノが」
「良くないモノ」
小さく繰り返す小燕の顔を覗き込んだ菅原が、
「でも、祓いました。もうこの世にはいません。追い出しました。保証します」
「そう……だよな。そうです。菅原さんは、本物だ……」
「僕も菅原も本物ですよ。……いったい何があったんです?」
尋ねる甥に、死んだんだとよ、と光臣は言い置いて高座椅子から腰を上げる。煙草が吸いたい。ベランダに出よう。
「秋元と政岡が、ふたりして」
「はあ……!?」
この先の説明は、小燕が行うだろう。ベランダに立ち、紙巻きに火を点ける。錆殻光臣は偽物だ。霊を見ることも祓うこともできない。
だからこの件に、これ以上関与することはない。
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