25 / 43
第三章 融ける。
第六話 事情聴取
しおりを挟む
逮捕、収監を経ても小池俊二の小根は何も変わっていなかった。洋館の中にある彼の部屋には小学校低学年の男女を中心に盗撮したと思しき写真をまとめたアルバムが山のように保管されており、更には自作したと思しき暗室の中には現像前のフィルムが大量に置かれていた。
「小池だけじゃない。この家で暮らしているほとんどの元受刑者は、特に改心していない」
「だろうな」
「だろうな?」
小燕向葵の言葉に、錆殻光臣は短く応じる。ぎょっとしたように目を剥く小燕に、
「ああほら」
と、光臣はパトカーに誘導される工藤典子を顎で示す。
「ああいう感情から、呪いは生まれるんだ」
「……視線だけで殺されそうだ」
工藤典子自身は──心の底から、自身の活動に誇りを持っていたのだろう。だが、彼女が信じるほどに人間の善性は強くない。光臣の目当ては政岡涼子の能力に何らかの関わりと持っていたと推察できる小池俊二だけだったが、十五分。十五分という自由時間を得た小燕向葵は、あっという間に洋館の暗部を暴いた。工藤典子の洋館は、元受刑者の安息の地──という名の、犯罪者の隠れ家だった。
「小燕さん」
「煤原」
洋館の前に詰めかけたパトカーの中から飛び降りてきた私服刑事。光臣も顔ぐらいは見たことがある痩身の男が、「あ、錆殻光臣」と平坦な声で呼ぶ。
「こんちは。サインでもしますか」
「ああいや、別にテレビとか見ないんで結構です。それより小燕さん……なんでこの男と?」
「色々あって。それより煤原、随分大勢で来たな」
「ああその件なんですが」
捜査本部は解散します。
煤原と名乗る刑事は、やはり平坦な声でそう続けた。
小燕が驚いている様子はなかった。予想はしていたのだろう。
「そうか。……上から?」
「と、政岡涼子、秋元慎也、両方の親族からの要請で」
「分かった。自死ということで、解散だ」
「はい。後日記者会見が」
「俺は行かなくてもいいだろう」
「まあ。……で、このタレントの人と小燕さんは何をしているんです?」
煤原の問い掛けに、「俺のことは気にしないで」と光臣はひらひらと片手を振る。
「小燕刑事に相談事を持ちかけられたんだが、捜査本部が解散するっていうならお役御免だ」
「え?」
首を傾げる小燕に、「だってそうだろ」と光臣は片頬で笑う。
「あんたは、政岡、秋元両人の不審死について俺に意見を聞きにきた。だが、もう捜査本部そのものがなくなるというのなら──俺の仕事はこれでしまいだ」
「いや……だが」
水が、と続けようとする小燕の胸を軽く小突き、
「で、煤原さん」
「あーはい」
「小池俊二の事情聴取は誰が? 立ち合いたい」
「……錆殻光臣さん。あなた今自分で仰ってましたよね、仕事はしまいだって」
「おしまいだから、最後にちょっと確認したいことがあるんだよ。いいだろ?」
「……小燕さん?」
煤原刑事の問い掛けに「ああ」と心ここに在らずといった様子の小燕が呟いた。
「私が事情聴取を行う。錆殻さんには、部屋の隅に立っててもらう」
「話が早くて助かるよ、相棒」
「……別に、……相棒ではないだろう」
鼻の上に皺を寄せて唸る小燕の背中を押し、ふたりはパトカーの方に向かう。
これで終わりではないということは、ふたりとも理解していた。
小さな灰色の個室。真ん中に置かれたテーブル。パイプ椅子に腰掛けた小池俊二。嘗ての盗撮犯。元受刑者。工藤典子の洋館で庭師として仕事をし、社会復帰を試みていた男。
「この写真はすべてあなたが撮影したものですね」
テーブルの上に広げられたアルバムに視線を向けることすらせず、小池はどこか遠くを眺めている。
「小池俊二さん」
強い口調で名を呼ばれても、その態度は変わらない。部屋の隅で記録を取っている女性刑事が、困ったように眉を下げているのが分かる。錆殻光臣は、小池俊二の視界に入らないよう、彼の真後ろの壁に寄り掛かって立っている。これが刑事ドラマなら、と光臣は考える。壁のどこかがマジックミラーになっていて、他の警察官たちがこの部屋の様子を外から眺めている。はずだ。
「この写真」
小燕が一枚の写真を小池の前に突き出す。
小学校の水泳の時間を写したものだ。どこか──木の上だとか、高いところから撮影したような。
「収監される以前のあなたの自宅からほど近い場所にあった小学校の写真ですね。あなたは──庭師で、木に登るのには慣れていた」
「そんな、ヒトをサルみたいに」
小池が、初めて口を開いた。
ひひひ、と肩を揺らして笑う。小燕が不快げに眉を寄せるのが分かる。
「別に、庭師じゃなくたって。あんな太い枝がある木なら誰でも登れるでしょうよ」
「……この写真が決定打となって、あなたは執行猶予なしの実刑判決を受けた。もう記憶にない?」
「ありますよ。まあ、別に、それだけのことをした自覚はありましたからねぇ」
飄然とした小池の口調に、「あんたは」と小燕が厳しい声を上げる。
「刑期を終えても何も変わらなかった。これも、これも、これも、あんたが撮影したものだろう!」
「ああ、ははは、自信作ですよ」
「このっ……!!」
小燕が突き出した写真は、暗室で完成していたものだ。この数日のあいだに撮られたもので、被写体はすべて小学校低学年の子どもたち。性別は問わないというのが小池のやり方らしい。
「もう一度刑務所ですか。あーあ、典子さんの家は安全だったのに……」
「工藤典子は、あなたのしていることを黙認していた?」
「さあ。知りません。暗室を作りたいっていったら二つ返事で許可してくれたから、気付いてはいたのかも」
明後日の方向に手を振りながら、小池は飄然と応じる。彼もマジックミラーのことを考えているのだなと光臣は思う。
そろそろか。
「えー」
声を上げる。
記録係の刑事と、小燕が同時に視線を寄越すのが分かる。
小池俊二は微動だにしない。それはそうだろう。事情聴取をするからと連れて行かれた部屋の壁に、タレント霊能者・錆殻光臣が蝉のように張り付いているのだ。出番がないまま終わるはずがない、と思うのが普通である。
「小燕さん、俺からもいいですか」
「錆殻さん……」
「小池俊二さん。あなた随分、写真がお上手ですね。お好きなんですか?」
「はあ……まあ……?」
小燕を立たせ、パイプ椅子にどっかと腰を下ろした光臣を小池は胡乱な目で見据えている。
「思ったんですけど、部屋に暗室を作るってなかなか本格的ですよね。デジカメとかスマホじゃ駄目だったんですか? 盗撮」
「盗撮……って。あんたハッキリ言いますね。俺だって知ってるけどな、あんたがインチキ霊能者だってこと」
「あー今それ関係ないですね」
ダメージを与えるつもりで発されたのであろう言葉を適当にあしらい、光臣はにっこりと笑う。そうして。
「このカメラじゃなくちゃ、駄目だったのかな?」
「は……」
小燕がばら撒いた写真の上に、古びたフィルムカメラをドンと置く。
小池俊二の私室から持ち出してきたものだ。
「俺にも分かる。年季の入ったお品物だ。このカメラじゃないと、撮れない何かがあんたにはあった……違うかな?」
「ち、違──返せ! 返せっ!!」
「おっと」
突然暴れ出す小池を、小燕と、それに部屋の外で待機していたらしい数名の警察官が押さえ付ける。「そんなに体重掛けたら死ぬぞ」と口を挟みつつ、カメラをテーブルの上に残し、光臣は床に膝を付く。
灰色の床にまるで標本の虫のように貼り付けられた小池の目の前に、褪色した写真を一枚、突き出す。
「あんたは正真正銘の小児性愛者で、刑務所というよりは病院に行くべきだと俺は思う。だがそれと同時に──あんたは、本物だったんじゃないのか?」
「な……それ……なんで……」
唸り声を上げる小池が、観念した様子で抵抗を止める。「錆殻光臣」と小燕が途方に暮れた様子で名を呼ぶ。
光臣が手にしている写真には、小学校低学年の少女が写っている。
彼女の足首には、無数の真っ黒い手のようなものが巻き付いている。
被写体は、幼き日の政岡涼子だ。
「小池だけじゃない。この家で暮らしているほとんどの元受刑者は、特に改心していない」
「だろうな」
「だろうな?」
小燕向葵の言葉に、錆殻光臣は短く応じる。ぎょっとしたように目を剥く小燕に、
「ああほら」
と、光臣はパトカーに誘導される工藤典子を顎で示す。
「ああいう感情から、呪いは生まれるんだ」
「……視線だけで殺されそうだ」
工藤典子自身は──心の底から、自身の活動に誇りを持っていたのだろう。だが、彼女が信じるほどに人間の善性は強くない。光臣の目当ては政岡涼子の能力に何らかの関わりと持っていたと推察できる小池俊二だけだったが、十五分。十五分という自由時間を得た小燕向葵は、あっという間に洋館の暗部を暴いた。工藤典子の洋館は、元受刑者の安息の地──という名の、犯罪者の隠れ家だった。
「小燕さん」
「煤原」
洋館の前に詰めかけたパトカーの中から飛び降りてきた私服刑事。光臣も顔ぐらいは見たことがある痩身の男が、「あ、錆殻光臣」と平坦な声で呼ぶ。
「こんちは。サインでもしますか」
「ああいや、別にテレビとか見ないんで結構です。それより小燕さん……なんでこの男と?」
「色々あって。それより煤原、随分大勢で来たな」
「ああその件なんですが」
捜査本部は解散します。
煤原と名乗る刑事は、やはり平坦な声でそう続けた。
小燕が驚いている様子はなかった。予想はしていたのだろう。
「そうか。……上から?」
「と、政岡涼子、秋元慎也、両方の親族からの要請で」
「分かった。自死ということで、解散だ」
「はい。後日記者会見が」
「俺は行かなくてもいいだろう」
「まあ。……で、このタレントの人と小燕さんは何をしているんです?」
煤原の問い掛けに、「俺のことは気にしないで」と光臣はひらひらと片手を振る。
「小燕刑事に相談事を持ちかけられたんだが、捜査本部が解散するっていうならお役御免だ」
「え?」
首を傾げる小燕に、「だってそうだろ」と光臣は片頬で笑う。
「あんたは、政岡、秋元両人の不審死について俺に意見を聞きにきた。だが、もう捜査本部そのものがなくなるというのなら──俺の仕事はこれでしまいだ」
「いや……だが」
水が、と続けようとする小燕の胸を軽く小突き、
「で、煤原さん」
「あーはい」
「小池俊二の事情聴取は誰が? 立ち合いたい」
「……錆殻光臣さん。あなた今自分で仰ってましたよね、仕事はしまいだって」
「おしまいだから、最後にちょっと確認したいことがあるんだよ。いいだろ?」
「……小燕さん?」
煤原刑事の問い掛けに「ああ」と心ここに在らずといった様子の小燕が呟いた。
「私が事情聴取を行う。錆殻さんには、部屋の隅に立っててもらう」
「話が早くて助かるよ、相棒」
「……別に、……相棒ではないだろう」
鼻の上に皺を寄せて唸る小燕の背中を押し、ふたりはパトカーの方に向かう。
これで終わりではないということは、ふたりとも理解していた。
小さな灰色の個室。真ん中に置かれたテーブル。パイプ椅子に腰掛けた小池俊二。嘗ての盗撮犯。元受刑者。工藤典子の洋館で庭師として仕事をし、社会復帰を試みていた男。
「この写真はすべてあなたが撮影したものですね」
テーブルの上に広げられたアルバムに視線を向けることすらせず、小池はどこか遠くを眺めている。
「小池俊二さん」
強い口調で名を呼ばれても、その態度は変わらない。部屋の隅で記録を取っている女性刑事が、困ったように眉を下げているのが分かる。錆殻光臣は、小池俊二の視界に入らないよう、彼の真後ろの壁に寄り掛かって立っている。これが刑事ドラマなら、と光臣は考える。壁のどこかがマジックミラーになっていて、他の警察官たちがこの部屋の様子を外から眺めている。はずだ。
「この写真」
小燕が一枚の写真を小池の前に突き出す。
小学校の水泳の時間を写したものだ。どこか──木の上だとか、高いところから撮影したような。
「収監される以前のあなたの自宅からほど近い場所にあった小学校の写真ですね。あなたは──庭師で、木に登るのには慣れていた」
「そんな、ヒトをサルみたいに」
小池が、初めて口を開いた。
ひひひ、と肩を揺らして笑う。小燕が不快げに眉を寄せるのが分かる。
「別に、庭師じゃなくたって。あんな太い枝がある木なら誰でも登れるでしょうよ」
「……この写真が決定打となって、あなたは執行猶予なしの実刑判決を受けた。もう記憶にない?」
「ありますよ。まあ、別に、それだけのことをした自覚はありましたからねぇ」
飄然とした小池の口調に、「あんたは」と小燕が厳しい声を上げる。
「刑期を終えても何も変わらなかった。これも、これも、これも、あんたが撮影したものだろう!」
「ああ、ははは、自信作ですよ」
「このっ……!!」
小燕が突き出した写真は、暗室で完成していたものだ。この数日のあいだに撮られたもので、被写体はすべて小学校低学年の子どもたち。性別は問わないというのが小池のやり方らしい。
「もう一度刑務所ですか。あーあ、典子さんの家は安全だったのに……」
「工藤典子は、あなたのしていることを黙認していた?」
「さあ。知りません。暗室を作りたいっていったら二つ返事で許可してくれたから、気付いてはいたのかも」
明後日の方向に手を振りながら、小池は飄然と応じる。彼もマジックミラーのことを考えているのだなと光臣は思う。
そろそろか。
「えー」
声を上げる。
記録係の刑事と、小燕が同時に視線を寄越すのが分かる。
小池俊二は微動だにしない。それはそうだろう。事情聴取をするからと連れて行かれた部屋の壁に、タレント霊能者・錆殻光臣が蝉のように張り付いているのだ。出番がないまま終わるはずがない、と思うのが普通である。
「小燕さん、俺からもいいですか」
「錆殻さん……」
「小池俊二さん。あなた随分、写真がお上手ですね。お好きなんですか?」
「はあ……まあ……?」
小燕を立たせ、パイプ椅子にどっかと腰を下ろした光臣を小池は胡乱な目で見据えている。
「思ったんですけど、部屋に暗室を作るってなかなか本格的ですよね。デジカメとかスマホじゃ駄目だったんですか? 盗撮」
「盗撮……って。あんたハッキリ言いますね。俺だって知ってるけどな、あんたがインチキ霊能者だってこと」
「あー今それ関係ないですね」
ダメージを与えるつもりで発されたのであろう言葉を適当にあしらい、光臣はにっこりと笑う。そうして。
「このカメラじゃなくちゃ、駄目だったのかな?」
「は……」
小燕がばら撒いた写真の上に、古びたフィルムカメラをドンと置く。
小池俊二の私室から持ち出してきたものだ。
「俺にも分かる。年季の入ったお品物だ。このカメラじゃないと、撮れない何かがあんたにはあった……違うかな?」
「ち、違──返せ! 返せっ!!」
「おっと」
突然暴れ出す小池を、小燕と、それに部屋の外で待機していたらしい数名の警察官が押さえ付ける。「そんなに体重掛けたら死ぬぞ」と口を挟みつつ、カメラをテーブルの上に残し、光臣は床に膝を付く。
灰色の床にまるで標本の虫のように貼り付けられた小池の目の前に、褪色した写真を一枚、突き出す。
「あんたは正真正銘の小児性愛者で、刑務所というよりは病院に行くべきだと俺は思う。だがそれと同時に──あんたは、本物だったんじゃないのか?」
「な……それ……なんで……」
唸り声を上げる小池が、観念した様子で抵抗を止める。「錆殻光臣」と小燕が途方に暮れた様子で名を呼ぶ。
光臣が手にしている写真には、小学校低学年の少女が写っている。
彼女の足首には、無数の真っ黒い手のようなものが巻き付いている。
被写体は、幼き日の政岡涼子だ。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる