勇者の子孫だがもうツラい。最強の血飛沫魔法と共に不マジメンに生きてやる。

満部凸張(まんぶ凸ぱ)(谷瓜丸

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C組アイランド編

もう爆走!!馬も鹿も止められない

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 前回までのあらすじ。
エメラルがゴーヤギャンブルにラチられた。
エメラルを救い出すには数々の刺客達と闘い勝利していくしかない。
敵を倒しバッジを奪い合うバッジバトル。さまざまなアトラクションに乗り込んで闘うのだ!!
その闘いが今エメラル抜きで始まろうとしていたのである。



─────────
 C組アイランド園内。

「ああ、もうなにもしたくない。なんで努力は実らないのよ。私、頑張ってるでしょ?
もうなにも考え付かないの。どうすればいい?
どうすればいいの?」(ブラストン)

「馬鹿になろうぜ☆」(ネンド)

スペシャルパワフルハートダスー☆
お酒を盃にいれて乾杯だ。

「「我ら馬鹿ともこれからも馬鹿」」(ブラストン&ネンド)

お酒をグイッと一気飲み。
すると、お酒が速く回ってしまったのだろう。ネンド魔王は酔っぱらって地面に倒れて溶けそうになりながらも愚痴を呟き始める。

「あーあー、精神が病みそう。正直、つらいわ。痛いわ。目線が痛いわ。生きててこんなに痛みを感じたのつらいわ。生きる価値なくなってきたかも」(ネンド)

「人生なんてそんなもんさ。大丈夫、皆イキってるもんさ。
生きる価値がない人間や動植物がいるわけがねぇ」(ブラストン)

その言葉にネンド魔王は心を動かされてしまう。
こんなに価値のない自分でも生きてていいのね!!と嬉しく感じてしまうのだ。

「ブラストン……ッ!!」(ネンド)

その感激からか、ネンド魔王は嬉し涙を流しながらブラストンを見上げる。
その視線は尊敬。ネンド魔王はブラストンに勇気をもらったのである。
生きる価値がなくても人間も動植物も生きているだけで価値はあるのだ。
その事に気づかされてネンド魔王は本当に心からブラストンの言葉に感激を覚えていたのだ。

「お前は魔王だけどな」(ブラストン)




 遊園地に来たのだから。せっかく楽しい場所に来たのだから。
思い出を作りたいと2人は思った。

「「……2人は終わってる馬鹿同盟!!
よし、気分転換にアトラクションで遊ぶか!!
あっ、ハモっちゃってる。やっぱり仲良しね。喧嘩もしないの~♥️」」(ブ&ネ)

ブラストンとネンド魔王は2人で幸せな雰囲気を体全体から吐き出しながら、アトラクションのチケットを買うために列に並びに行く。

「いらっしゃいませ!!」

「「いらっしゃってますわ」」(ブ&ネ)

「ライドアトラクションのチケットですね?
大人200Gで子供100Gです。あっ、60才以上は60Gですよ」

「「アプリで!!(現金で!!)」」(ブ&ネ)

お互いにハモらない。支払いは現金派かアプリ派か。
その2卓の問題が仲良しの2人の友情に亀裂を入れてしまう。

「「……あッ?💢」」(ブラストン&ネンド)

睨み合う2人。
係員は目の前で睨み合っている2人を見ながら、「(早く金を払ってほしいなぁ)」と思うのであった。




 ────ライドアトラクション。
それは乗り物にのって冒険するアトラクションのことである。

「へっ、今日の勝利の女神はワシだけにウインクしてくれるのさ」(迫真演技ネンド)

「のろまなレーサーが吠えてやがる。チッ、今回はつまらねぇレースになりそうだなッ」(迫真演技ブラストン)

「ハイハイ。楽しいアトラクションですよ」(係員)

係員さんは2人の背中を押しながら、無理やりライドアトラクション入り口へと向かわせる。
そして彼らが入り口から室内へと入ったのを確認すると、入り口のドアを閉めて頑丈に鍵をかけた。

「ふぅ……変な客だったわ」(係員)

係員は流れ落ちる汗をタオルで拭きつつ、持ち場へと戻る。
その時、係員の電話が鳴った。係員は電話の相手が誰なのかも確認せずに、すぐに電話に出る。

「…………もしもしゴーヤギャンブル様?
予定通り、2名をライドアトラクションに移動させました」(係員)

「greatだよ。素晴らしい。ライドアトラクションを担当させている彼なら2人を美しく殺してくれるはずだ。素晴らしいショーが見れるねぇ」(ゴーヤギャンブル)

「彼がアトラクションに来る時は貸切状態になるので売り上げが落ちるのですが……」(係員)

「安心したまえ。みんなの給料には問題ないと約束しよう。聖マジメ帝都学園からの案件だからねぇ。まぁ彼ならやりとげてくれるさ」(ゴーヤギャンブル)

「まぁそれならいいんですけど。あそこって泣く子も黙る最恐のアトラクションですよ。
誰もが行きたくない我がアイランドのアトラクション。
待ち受ける難問、崩れ落ちる友情、試される頭脳。生命の奪い合い。死と生の駆け引き。
そんなアトラクションの担当ってかわいそうですね…………」(係員)

係員はC組アイランドのライドアトラクション前の販売所を長年担当しているが、ここは本当に恐ろしいアトラクションなのである。
大金を貰っても誰も担当になりたくない。現在の担当も嫌々くじ引きで外れを引いたので働いているという。
曰く付きのライドアトラクション。
内容も恐ろしい物が多いのだ。お客さんは好奇心旺盛の変わり者か、スリルを味わいたい人間ばかり。
そんなお客さんも出てきてみれば、「ありがとう神様」か「生きてるって幸せ」か「ああ、嗚呼、嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!」という感想ばかり。
そんな危険な場所にブラストンたちはやって来たのだ。

──────────

 一方、ライドアトラクションに参加してしまったネンド魔王とブラストン。
入場客は2人だけの少し寂しいアトラクション。
入り口は塞がれてしまったので引き返すことができなかった。
なので2人は先へ進む。

「誰もいねぇのな」(ネンド)
「いや、あれは!!」(ブラストン)

真っ先にそれを見つけたのはブラストン。
そこにいたのは白い仮面の男。

「ようこそライドアトラクションへ。私はここのライドアトラクションの主人であり案内人であり傍観者のパ  」(???)

「「ラーメンライダーZだーー」」(ブラ&ネン)

ラーメンライダーZとは今人気のヒーローである。ショーもライブも毎回満員御礼。俳優さんはイケメンなので奥様方にも大人気なのだ。

「ラーメンライダー??
ちょっと待て。何それ。私の名前はパ  」(???)

「ラーメンライダーの変身ポーズしてよーサインと握手してくれよー」
「ラーメンライダーも一緒に乗ってくれるの?
嬉しいな。心強いな」

「ちょっ……押すな。乗り込むな。私は主人であり案内人であり傍観者なの。嫌だ。私を巻き添えにするなァァァァァァァァァ!!!」

3人は乗り物に乗り込む。そして彼らを乗せた乗り物は恐怖の旅へと動き出すのであった……。
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