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第42話 聖獣解放戦
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「あなた達を……聖獣の所へは……行かせない……」
ローブ姿の人物が両手を前に出すと、目に見えて景色が歪む。
「多少は使えるようだけど……甘いよ」
バシュ
突風に髪を揺らされ思わず目を閉じる。
背中に温かさを感じて目を開けるとニュクスの手が当てられていた。
「ここは僕に任せて聖獣の元へ。必ず姉さんに勝利を捧げてみせます」
頷いた私が台を回り込もうとすると武器を持ったデズンと兵達が立ちはだかる。
「お前達のせいで折角の舞台が滅茶苦茶だ。責任は取って貰うぞ!」
「悪党っぽくて良いね。姉ちゃん直伝の尻叩きしてあげるから、しっかり反省しなよ」
腕捲りをしたプロイが私の肩を叩いて片目を閉じる。
そのまま抱えられて……投げられた。
「わわ!」
デズンと兵達の上を高々と越え、聖獣の方へと飛ばされて……
「掴まるのである」
大きくなったハクの背に掴まり、地面とぶつかるのは避けられた。
「ブーちゃん……!」
「ブァァ!」
小屋ほどの大きさがある黒い亀……そんな聖獣ブーちゃんは迷わずに私を踏み潰そうとして来る。
ゴッ!
「久しぶりで挨拶も無しとは、お前らしくも無いのである」
ハクの前脚がブーちゃんの前脚とぶつかり、足元に揺れを感じる。
「ブーちゃん、私よ……アリスだよ! ブーちゃんの事を聞いて会いに来たんだよ!」
「ブァァァァァァァァァア!」
鞭のようにしなる尾が横薙ぎに襲いかかって来る。
(尾だけで私の腰くらいある……当たれば無事じゃ済まない……!)
地面を転がるように避けて、そのまま足元へと駆け寄る。
近付くのは危ないが、尾よりは脚の方が避け易そうだからだ。
「ブーちゃん、苦しいんだね……今私が」
「ブァァ!」
私を踏み潰すべく上げられた脚をハクが抑える。
「ぐ……重い……ニャ!」
ハクとブーちゃんが組み合うような姿勢になった瞬間、人で例えるなら脇とでも言うべき部分に刺さる杭が見えた。
「あれって……ハク! 少し頑張って!」
「な……無茶を言うニャ! 少ししか保たないニャ!」
私は滑り込むようにブーちゃんの下へ入り、左の前脚根元の杭に手をかける。
それ程長く無い筈の杭が中々抜けない。
「この……ぬ~け~ろ~!」
全ての重みをかけて一気に引っ張る。
(苦しんでる聖獣を助けられないで何が聖女よ……! もっと……頑張れアイリス!)
杭に触れていた左手が熱くなる。
四葉の1つが強く光り出す。
「ブーちゃん、帰って来なさい!」
杭が粉々に砕けて消えて行く。
勢い余って地面を転がるが、痛みを感じている暇が無い。
「やった! でもあと2本!」
「アイリス! はーやーくーニャー!」
ハクの慌てた声を受けて次へと向かう。
右の前脚根元に刺さる杭へと手を伸ばし、杭を砕く。
「もう、もうダメニャー!」
「ありがとハク! 最後の一本!」
右の後脚の根元に杭が見えた。
駆け寄って杭に……
グアッ
右の後脚が持ち上げられ、私の頭上に降って来る。
踏み潰される寸前、脚が止まって震え出す。
「アリス……ちゃん? ごめん、ね。迷惑、ね」
「ブーちゃん! ……少しだけ頑張って!」
あと少し……高さが足りない。
もう少しで手が届くのに……。
「お姉様ぁ!」
「ローサ!? 危ないから離れて!」
駆け寄ってきたローサが四つん這いになる。
「私を踏んで……踏み台にして下さい!」
「え、でも……」
「私だって、戦いたい! 力が無くても役に立てるなら何だってします!」
「……解った。力、借りるね!」
ローサの張り上げる声に、背中へと脚をかける。
そして、左手で杭に触れ……
パキン!
最後の一本も砕け散った。
ローブ姿の人物が両手を前に出すと、目に見えて景色が歪む。
「多少は使えるようだけど……甘いよ」
バシュ
突風に髪を揺らされ思わず目を閉じる。
背中に温かさを感じて目を開けるとニュクスの手が当てられていた。
「ここは僕に任せて聖獣の元へ。必ず姉さんに勝利を捧げてみせます」
頷いた私が台を回り込もうとすると武器を持ったデズンと兵達が立ちはだかる。
「お前達のせいで折角の舞台が滅茶苦茶だ。責任は取って貰うぞ!」
「悪党っぽくて良いね。姉ちゃん直伝の尻叩きしてあげるから、しっかり反省しなよ」
腕捲りをしたプロイが私の肩を叩いて片目を閉じる。
そのまま抱えられて……投げられた。
「わわ!」
デズンと兵達の上を高々と越え、聖獣の方へと飛ばされて……
「掴まるのである」
大きくなったハクの背に掴まり、地面とぶつかるのは避けられた。
「ブーちゃん……!」
「ブァァ!」
小屋ほどの大きさがある黒い亀……そんな聖獣ブーちゃんは迷わずに私を踏み潰そうとして来る。
ゴッ!
「久しぶりで挨拶も無しとは、お前らしくも無いのである」
ハクの前脚がブーちゃんの前脚とぶつかり、足元に揺れを感じる。
「ブーちゃん、私よ……アリスだよ! ブーちゃんの事を聞いて会いに来たんだよ!」
「ブァァァァァァァァァア!」
鞭のようにしなる尾が横薙ぎに襲いかかって来る。
(尾だけで私の腰くらいある……当たれば無事じゃ済まない……!)
地面を転がるように避けて、そのまま足元へと駆け寄る。
近付くのは危ないが、尾よりは脚の方が避け易そうだからだ。
「ブーちゃん、苦しいんだね……今私が」
「ブァァ!」
私を踏み潰すべく上げられた脚をハクが抑える。
「ぐ……重い……ニャ!」
ハクとブーちゃんが組み合うような姿勢になった瞬間、人で例えるなら脇とでも言うべき部分に刺さる杭が見えた。
「あれって……ハク! 少し頑張って!」
「な……無茶を言うニャ! 少ししか保たないニャ!」
私は滑り込むようにブーちゃんの下へ入り、左の前脚根元の杭に手をかける。
それ程長く無い筈の杭が中々抜けない。
「この……ぬ~け~ろ~!」
全ての重みをかけて一気に引っ張る。
(苦しんでる聖獣を助けられないで何が聖女よ……! もっと……頑張れアイリス!)
杭に触れていた左手が熱くなる。
四葉の1つが強く光り出す。
「ブーちゃん、帰って来なさい!」
杭が粉々に砕けて消えて行く。
勢い余って地面を転がるが、痛みを感じている暇が無い。
「やった! でもあと2本!」
「アイリス! はーやーくーニャー!」
ハクの慌てた声を受けて次へと向かう。
右の前脚根元に刺さる杭へと手を伸ばし、杭を砕く。
「もう、もうダメニャー!」
「ありがとハク! 最後の一本!」
右の後脚の根元に杭が見えた。
駆け寄って杭に……
グアッ
右の後脚が持ち上げられ、私の頭上に降って来る。
踏み潰される寸前、脚が止まって震え出す。
「アリス……ちゃん? ごめん、ね。迷惑、ね」
「ブーちゃん! ……少しだけ頑張って!」
あと少し……高さが足りない。
もう少しで手が届くのに……。
「お姉様ぁ!」
「ローサ!? 危ないから離れて!」
駆け寄ってきたローサが四つん這いになる。
「私を踏んで……踏み台にして下さい!」
「え、でも……」
「私だって、戦いたい! 力が無くても役に立てるなら何だってします!」
「……解った。力、借りるね!」
ローサの張り上げる声に、背中へと脚をかける。
そして、左手で杭に触れ……
パキン!
最後の一本も砕け散った。
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