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ミズキさんに覚えてほしい
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全てのスリッパを箱に戻すと、今度はスリッパを2つずつ出して1組にして置き、その隣に少し間隔を開けてまた1組、と並べだした。
ああ、そうだな、さっきのスリッパなんか違和感あると思ったら、1組になってなかったからだ。ただただスリッパを並べてあるだけだった。
……いやいや。わざわざスリッパ全部箱に戻す必要なくない? 端から1組にしてちょっと離して置いて、2つずつ組にしていけば良くない?
ズラリと8組ほどスリッパを並べると、また手が止まった。今度は何だ? またハッと顔を上げると、またスリッパを箱に戻す。右手に持っていた紙を見る。何かを確認しているようだ。
また?! おいおい、実はスリッパいらなくて土足で上がってOKなんじゃないだろーな。
多分そんなとこだろ、と見ていたら、やはりスリッパはいるようで1組にしたスリッパをさっきよりも随分中央辺りに置いた。3組のスリッパを並べると、
「よし!」
と小さな声で言って立ち上がった。3組で良かったのかよ! なんであんなにいっぱい並べたんだ! 人の気配にやっと気付いたのかパッとこちらを振り返り、
「あー、びっくりした。新入社員さんですか?」
とおっとりした口調でにこやかに聞いてきた。
「はい」
「はい」
「はい」
俺の返事と同時に声が聞こえてびっくりして振り返ると、俺の後ろにスーツ姿の男女がいた。
「あはは! 超早い再放送!」
女の方が俺を見て笑っている。
「再放送?」
「あの人と全く同じ動きしたからー」
と、スリッパの人を指差す。指につられてその人を見たら、水城と書かれた名札を胸に付けていた。水城さんか……この人、多分ってか絶対天然だな。おもしろい人だな、水城さん。
ああ、そうだな、さっきのスリッパなんか違和感あると思ったら、1組になってなかったからだ。ただただスリッパを並べてあるだけだった。
……いやいや。わざわざスリッパ全部箱に戻す必要なくない? 端から1組にしてちょっと離して置いて、2つずつ組にしていけば良くない?
ズラリと8組ほどスリッパを並べると、また手が止まった。今度は何だ? またハッと顔を上げると、またスリッパを箱に戻す。右手に持っていた紙を見る。何かを確認しているようだ。
また?! おいおい、実はスリッパいらなくて土足で上がってOKなんじゃないだろーな。
多分そんなとこだろ、と見ていたら、やはりスリッパはいるようで1組にしたスリッパをさっきよりも随分中央辺りに置いた。3組のスリッパを並べると、
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と小さな声で言って立ち上がった。3組で良かったのかよ! なんであんなにいっぱい並べたんだ! 人の気配にやっと気付いたのかパッとこちらを振り返り、
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俺の返事と同時に声が聞こえてびっくりして振り返ると、俺の後ろにスーツ姿の男女がいた。
「あはは! 超早い再放送!」
女の方が俺を見て笑っている。
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と、スリッパの人を指差す。指につられてその人を見たら、水城と書かれた名札を胸に付けていた。水城さんか……この人、多分ってか絶対天然だな。おもしろい人だな、水城さん。
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