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6話 魔王軍
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作戦会議を行っていたテントにアメリア配下の軍幹部が集まり、勝利を祝う。
「お見事でした。完全に作戦通りでしたな。」
「いや、兵が優秀だからこその結果だ。兵の力がなければあのような作戦は実行できなかった。」
晃は謙遜ついでにそれらしいことを答える。
その後も晃は、ゴツ男や違いの分かる男とそんな謙遜を~、いやいやそんなことは~みたいなやり取りを繰り返す。
みんな酒を飲み、勝利に浮かれているようだ。
ほんとよかったわー、作戦バッチリはまったよ。
戦場なんて当然初めてだし、戦略ゲーもあんまやったことないし。
でも今回のは自信になる。
自分の知識でもなんとかなるかもしれないってことだからな。
晃自身も自分の作戦が完全にはまったことに、浮かれている。
しかし、浮かれた雰囲気も帝都から緊急の伝令が来たことで一変する。
「アメリア将軍、帝都から緊急の伝令が参りました。」
「通せ。」
「失礼します。伝令役のレントと申します。伝令をお伝えしても良いでしょうか?」
「問題ない。」
「帝国アレクの南東で、王国ブリジラと戦っていたウォルター将軍が突如謎の軍勢に襲われて敗走した。帝都で対策を検討するため、至急帝都に戻られたしとのことです。」
「敗走した?謎の軍勢とはなんだ。」
「悪魔の軍勢ではないかと聞いています。」
「悪魔の軍勢?」
「はい、およそ100年前に発生した厄災の再来ではないかと。」
「そうか……、わかった。すぐに帝都へ向かう。」
「承知しました。失礼します。」
伝令役のレントはテントを出ていく。
悪魔軍…、100年前の厄災。
話から想像するに、100年前に発生した悪魔軍の侵攻が再び起きたということだろう。
厄災と呼ばれるほどだから、かなり大きな被害を受けたことが想像できる。
もしかしてアメーデのような神々が関わっているのではないか?
晃は頭の中でアメーデに呼びかける。
(おい、アメーデさん!聞こえるか?聞こえてるんだろ?)
(なんだ?あんまり呼ばないでもらいたいのだが。)
(魔王軍がどうのこうのってのに、あなた方が関わっているんだろ。)
(魔王軍の出現には関わっていない。むしろ私たちは現世から魔王軍を排除しようとしている。)
(魔王軍とは何なんだ?排除って、何かしているのか?)
(魔王軍は、私のような神々とは逆の領域に住む者たち……、つまりは魔界に住む者たちだ。大昔から人間の住む現世への進出を目論んでいた。排除するために我々がしていることは、英雄となりうる人間への支援だ。君への手伝いもその一環で、本来であれば入れ替えた後は何もしない。)
(俺が英雄となりうるって言ってるのか…、ありえんだろ。もしかして…、俺を入れ替えたのも?)
(……それは違う。キミも感じていたと思うが、自分は生まれる時代を間違えたって感じる人間がいる。これはその通りで、生まれる時代や生まれる世界を間違えているためだ。私たちもそうならないように気を付けているが、どうしてもイレギュラー的に生まれてしまう。そういう人たちも出来る限り救済できるよう入れ替えられる組み合わせがあったら、入れ替えるようにしているんだよ。)
(そうなのか……ということは俺はこの世界があっているということか。俺は魔王軍と戦うことになるのだろうが。必要になったら支援をしてくれるか?英雄が必要なんだろう?)
(…………わかった。)
よし、これはだいぶ心強い。
腐っても女神だからな。
英雄になれる自信なんてないが、魔王軍と戦うならなるしかない。
少しでも可能性を高めるために協力を仰いでおくのは当然のことだ。
晃は意識をテント内へ戻す。
テント内は静かになっており、晃に注目している。
「それでは私は帝都へ向かう。」
「承知しました。我々アメリア騎士団がお供します。」
「頼む。それとレイノルド、後のことは頼んだ。」
「承知しました!お任せ下さい!」
レイノルドへアメリア配下の軍の管理を任せ、晃はアメリア騎士団と共に帝都へと向かった。
「お見事でした。完全に作戦通りでしたな。」
「いや、兵が優秀だからこその結果だ。兵の力がなければあのような作戦は実行できなかった。」
晃は謙遜ついでにそれらしいことを答える。
その後も晃は、ゴツ男や違いの分かる男とそんな謙遜を~、いやいやそんなことは~みたいなやり取りを繰り返す。
みんな酒を飲み、勝利に浮かれているようだ。
ほんとよかったわー、作戦バッチリはまったよ。
戦場なんて当然初めてだし、戦略ゲーもあんまやったことないし。
でも今回のは自信になる。
自分の知識でもなんとかなるかもしれないってことだからな。
晃自身も自分の作戦が完全にはまったことに、浮かれている。
しかし、浮かれた雰囲気も帝都から緊急の伝令が来たことで一変する。
「アメリア将軍、帝都から緊急の伝令が参りました。」
「通せ。」
「失礼します。伝令役のレントと申します。伝令をお伝えしても良いでしょうか?」
「問題ない。」
「帝国アレクの南東で、王国ブリジラと戦っていたウォルター将軍が突如謎の軍勢に襲われて敗走した。帝都で対策を検討するため、至急帝都に戻られたしとのことです。」
「敗走した?謎の軍勢とはなんだ。」
「悪魔の軍勢ではないかと聞いています。」
「悪魔の軍勢?」
「はい、およそ100年前に発生した厄災の再来ではないかと。」
「そうか……、わかった。すぐに帝都へ向かう。」
「承知しました。失礼します。」
伝令役のレントはテントを出ていく。
悪魔軍…、100年前の厄災。
話から想像するに、100年前に発生した悪魔軍の侵攻が再び起きたということだろう。
厄災と呼ばれるほどだから、かなり大きな被害を受けたことが想像できる。
もしかしてアメーデのような神々が関わっているのではないか?
晃は頭の中でアメーデに呼びかける。
(おい、アメーデさん!聞こえるか?聞こえてるんだろ?)
(なんだ?あんまり呼ばないでもらいたいのだが。)
(魔王軍がどうのこうのってのに、あなた方が関わっているんだろ。)
(魔王軍の出現には関わっていない。むしろ私たちは現世から魔王軍を排除しようとしている。)
(魔王軍とは何なんだ?排除って、何かしているのか?)
(魔王軍は、私のような神々とは逆の領域に住む者たち……、つまりは魔界に住む者たちだ。大昔から人間の住む現世への進出を目論んでいた。排除するために我々がしていることは、英雄となりうる人間への支援だ。君への手伝いもその一環で、本来であれば入れ替えた後は何もしない。)
(俺が英雄となりうるって言ってるのか…、ありえんだろ。もしかして…、俺を入れ替えたのも?)
(……それは違う。キミも感じていたと思うが、自分は生まれる時代を間違えたって感じる人間がいる。これはその通りで、生まれる時代や生まれる世界を間違えているためだ。私たちもそうならないように気を付けているが、どうしてもイレギュラー的に生まれてしまう。そういう人たちも出来る限り救済できるよう入れ替えられる組み合わせがあったら、入れ替えるようにしているんだよ。)
(そうなのか……ということは俺はこの世界があっているということか。俺は魔王軍と戦うことになるのだろうが。必要になったら支援をしてくれるか?英雄が必要なんだろう?)
(…………わかった。)
よし、これはだいぶ心強い。
腐っても女神だからな。
英雄になれる自信なんてないが、魔王軍と戦うならなるしかない。
少しでも可能性を高めるために協力を仰いでおくのは当然のことだ。
晃は意識をテント内へ戻す。
テント内は静かになっており、晃に注目している。
「それでは私は帝都へ向かう。」
「承知しました。我々アメリア騎士団がお供します。」
「頼む。それとレイノルド、後のことは頼んだ。」
「承知しました!お任せ下さい!」
レイノルドへアメリア配下の軍の管理を任せ、晃はアメリア騎士団と共に帝都へと向かった。
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