攫われた先は妖狐の世界、そして私は『姫』らしい。

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第一章:愛してるからこそ守り抜く。

初めての感情を。

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私が目覚めた時。
『初めて』銀の姿がなかった。

この部屋に居る限り、ドアは1つしかない。
また窓も何もない。
だからハッキリとした『日時』などが全く判らなくなっていた。

ただ、今日は蝋燭の照明ではなく…
透明な丸い球体の中に、ゆらゆらと?
炎が包まれるようにある。

それが、あちこちに浮かんでて部屋や自分の様子も良く判る。

私は『ここに連れて来られて』から?
どれぐらい経ったのだろう?

多分だけど…
まだ2~3日ぐらいに感じる?

それにしては…
お腹も空いてないし?
もしかしたら、そこまで『時間は経ってない』のかも…

いろいろ考える。
でも、すぐ止めた。

結局、『判らない』ものは、判らない。
うん、なら、止めよう。
考えても意味なし。

私の性格は、そういう部分が多々ある。
雑なのかもと、たまには思うけれど。
今まで、そうだった。

いろいろ考えても結局、『判らない部分』は残る。
けれど、いつまで考えても『不明』なまま…

そんな時でも気にしないでいても、いつもだし?
特に『問題もない』し、後から『困る事』もない。

その時。
ふと『銀の顔』が浮かんだ。

まさか…
いや、どうだろう?

どうも『言葉』を聞く限り…
かなり私は『銀に助けられて生きてた』のかも知れない。

ただ、どうしても『人間の常識』が働くのか…
そこも判らないけれど。
誰だって『妖狐の仕業』とか浮かばないよね?

妖狐と言えば、やっぱり架空の存在。

でも…
実際に今、私の前に『現れた銀』は、どうなる?

『不可解な部分』を、私は知らない。
ただ、『私の事』を銀は…
いろいろ知っているのは『事実』でしょ?

そうなると『可能性はある』よなぁ…

何となく軽い溜息が出た。

銀は?
私に『知られず18年間、側に居た』ようだった。

もしかしたら、私が知らないだけで…
他にも、いろいろ、あるのかも知れない。
そんな事をグルグルと考えてた。

けれど…
そこで誰も居ないからの独り言を呟く。

「やっぱ、判らん。」

その独り言を言って、また『違う事』に気付いた。

銀の居ない1人。
私は意識を取り戻した訳だし!?

前と同じで自分の身支度は、なぜか、とても綺麗に整ってた。

着ている服はサイズもピッタリ。
膝丈のワンピース。
上質な生地なのだろう、今まで着た事もないような?
滑らかな生地で肌に触れる感じが違う…

何から作られているのやら?
デザインは、とてもシンプルで白の生地に…
金色の糸で、さり気なく刺繍があった。

その刺繍が腰の部分でと、ワンポイントのよう大きめにある。
これは良く知ってる模様…
私の胸元にある産まれてから見慣れた模様だった。

確か銀が『刻印』と呼んでたのも?

前に着てたワンピースも…
そういえば白だったように思う。
細かい刺繍までは覚えてないけど、今もだし?
これは…
一体、誰が、この身支度をやってるの!?

そんな『疑問が浮かぶ』ぐらいには、なぜか。
頭が覚めるような…
ゆとりのようなものが出来た感覚がした。

一応…
これでも18歳の気になるってやつ何ですよねぇ…

凄く、気になる…

私が、ここに来てから『銀以外とは会ってない』のに?
もし、これで銀でもないなら…
文句を言ってやりたいような…
そこが『問題点』なのか?
かなり、もう『複雑な気分』だった。

そこで、また銀を思い出す。
散々あんな恥ずかしくも『愛してる』と?

しかも、凄い美貌の?
とんでもないイケメン?
あ、でも、そこは人間でもないと思えば?
違う意味で納得するかも…

あんな全てが整った顔立ちで?
まつ毛まで長くて今まで『初めて』見る程。
とんでもない美貌で…
金色に見えるようで緑も少しある不思議なの瞳も?
髪も、まさかの銀髪と?
背も高くて、更に、あんな逞しい程の…
そこで私は銀の身体を思い出して…
一気に顔が赤くなるような感覚がした。

フルフルと、すぐ首を横に振って頭の中から追い出す。

また違う事を考えようと思った時。

普段から誰かと居る事しかなかったのに…
『1人』になるのも…
初めてだなぁ。

それに、この部屋は広いけど…
もう、これは『監禁』でしょう?

そこでも、もう1つ気付いた。
『試す価値あり』と立ち上がる。

ここに来てから『初めて銀が居ない』事だった。

今ならと思いながらドアへと向かう。
でも、同じで視界が歪んだかと思うとベッドの側。

盛大に溜息を出した。
おまけに、する事もない、だからベッドに転がった。
ただ、もうゴロゴロと転がる。

1人…

そう思うと寂しくなる。
誰も居ない、私だけ。

嫌な考えも浮かぶ。
振り払う為にと、もうベッドの上で転がるだけだった。

それにしても…
どれだけ大きいベッド!?
いつも私が使ってたシングルベッドの倍?
いや、多分3倍以上に大きい…

寝相が悪くても、これなら落ちる心配なしだなぁ。
などと、くだらない考えをしてたら…
急に部屋のドアが開いたのを見た。

銀が入ってきた。
そのまま目が合う。

**************************

銀楊ぎんようは『瞬時に思考』した。
すぐ判断して光希みつきへと『口調』を選んだ。

光希みつきが目が覚めた時。
側に居ようと思ってたけど少し遅くなったね。
つまらなかっただろう?
それとも、寂しかったかな?」

もう『図星』ではないかと私は銀からスッと。
視線も逸らしてから、またベッドに転がる。

別に寂しいとか思ってませんよ。
と、頭の中でだけ反論した。

ん?
良い匂いがする。
そこで銀の方を、また視線を移すと…
一緒に持って入ってきたワゴンが目に入る。
香りから出来立てだろう、ご飯だった。

バターで焼いたような、お魚の匂いに惑わされそう…
って、いかんいかん!!

そんな餌に釣られてどうする、私!?

銀は優しい笑顔で、そのまま私に近付いてくると…
更に優しく私の頭を撫でてきた。

余裕さすらある銀の手を、私はペシリと。
もう軽く弾いた。
ベッドの枕を抱えて背を向けた。

「うん?
何か怒ってるのかな?
言ってごらん?」

その余裕な感じの問いにも答えなかった。
私でも良く判らない。

何だろう?
勝手に連れて来て?
勝手に私を閉じ込めたのは、銀だし?

それと、その後、した行為を思い出すと…
どうしても恥ずかしいのに。
やっぱり酷いとは思うけど、なぜか複雑な感情。

この『モヤモヤとした気持ち』が判らない。

「いきなり、こんな生活を強要しているから。
怒るかもしれないが…
どうか機嫌を治してくれないだろうか?
まだ準備が済んでいないから。」

そこで私はクルッと銀の方を向いた。

銀楊ぎんようは、ある程度の予測もしながら光希みつきを見る。
だが、光希みつきから真っ先に出た問いは…
全く銀楊ぎんようの予測や心配とは違うものだった。

「聞きたい事があるんだけど!?
この服、というか『私の身支度した』のって誰!?」

銀楊ぎんようは『予想外な問い』に若干、驚いて僅かに沈黙する。
だが、すぐ銀楊ぎんようは気付く。

あぁ、なるほど、と思う。
そして答えた『反応も予測』した。
だから少し笑いながら簡単に答えた。

「勿論、私ですよ。
光希みつき。」

笑ってる場合か!!
と、銀を目で睨む。

光希みつきの肌を。
そんな『他の男』に見せるなんて。
私は『出来ない』だろう?」

銀楊ぎんようは判る、その仕草も含め。
どうしても少し笑いながら…

そのまま銀が私にとスッと動いた。
私の腰に腕を回してグイッと近付けてから…
囁くように言われた。

「だから光希みつき
心配しなくても大丈夫だ…」

ち、近いよ…
顔、近いです!?
うっわ、まつ毛も長くて…
綺麗…
って…
思考を、どうにか私は振り払う!!
同時に少し顔も逸らして言う。

「でも、そんな簡単に言うけど?
この部屋には、何もないし。
お風呂場すら…
って違う!?
そうじゃなくて!!
人が寝てる間に、何してるのよ!!」

やっぱり恥ずかしい。

それに実際、どうなってる!?
おまけに?
『勝手』に人の身体を平然と!?
当たり前みたいに?

その光希みつきがする『思考』すらだった。
銀楊ぎんようには簡単、また、それに答える。

「私としては…
ずっと『裸の光希みつきを観て』いても。
構わないのだけれどね。
気を失ってしまう程。
『疲れさせているのは私』だろう?
そんな状態では『起こせない』だろう?
全て『私がやるのが当たり前』ではないか?
心配しなくて大丈夫だよ。」

銀楊ぎんようは『全て』想定内。

それに『光希みつきの性格も知っている』事。
更に異性との『接触』すら皆無。
ならば当然『怒る』かもしれないが…
銀楊ぎんようの言葉は『的を』外さない。

そして元々、『光希みつきの肌を他の男』になど…
触れさせる筈もない事だけは『本音』でもある。

とても優しく、爽やかに取れる笑顔で銀が言った事に…
私は『返答の粗』を探す、でも『無理』だった。
どこへぶつけて良いか判らない怒りやらで震えながら言う。

「ち…」

「ち…?」

銀が鸚鵡返しのように首を傾げた。

「違う!!
そういう事を言ってる場合じゃない!?
私の寝てる間に勝手に、起こして良いよ。
というか、起こしなさいよ!!
お風呂ぐらい自分で入るし。
っん?
お風呂!?
この部屋から出たの!?」

この部屋は広い、でも何もないのだから…
お風呂場へ行ったという事は…

ここから私は出たって事だよね?
と、言う『意味合い』で聞き返す。

すぐ銀楊ぎんようも察した。
だが、そこも含め思考した時。

あぁ、そうかと。
銀楊ぎんようは改めて思う。

この部屋に関してならば『結界は特殊』でもある。

光希みつきの場合は『複数の結界まで見えてない』から。
この部屋では…

ふむ、そうなるか。

そこで銀楊ぎんようは一度、腰かけてた状態から立ち上がった。
光希みつきもベッドから一旦と…

「えっ?
えっ!?」

光希みつき
大丈夫だから、少しおいで。」

光希みつきの『興奮を抑える』事も含め銀楊ぎんようは優しく…
簡単に抱き上げて、そのまま見えてるドアと反対側へ。

改めて光希みつきに見せる意味でもと、ベッドに座らせた。

「銀?」

問いには答えず、光希みつきを向けた方へと。
銀楊ぎんようは手を翳して僅かに呟く。

そんな様子の銀を私も見て、手を翳した方を見てた。

また私は驚いた。
今まで何もなかった壁にとだった。
急に『ドアが2つ』現れた。

この部屋は円形のようになっててベッドが中央にある。

それでも正確に判らないぐらい、かなり広いけど?
今まで見えてた『1つのドア』までの距離と同じぐらい?

反対側に向かってる壁に今、急に現れた。
『2つのドア』も距離は同じぐらい?

銀楊ぎんよう光希みつきを見ながら説明も兼ねて言う。

「お風呂場も、トイレも、『住むのに必要な物』は全て。
既に部屋の中に用意させてある。
だから『光希みつきは、ここから出てない』んだ。
『結界の関係で見えてなかった』のを。
先に気付かず、すまなかった。
ただ、ドアが見えてなかっただけで…
光希みつきの生活に不便がない』ようにしてある。
ちなみに右がトイレで、左が風呂場になる。」

驚くながらも私は思い出す。
だからドアを見ながら言う。

「でも…
ベッドの『結界っぽい』のから…
私は出れないじゃない。」

「今、『同時に結界』を少し構築し直した。
これからは『光希みつき自身』もだろう。
外のドア以外ならば自由に行けるし使える。
ただ、『先に言っておく』が…
外へ向かう、外部へ出るドアの側に行こうとすれば。
またベッドの側に逆戻りにはなる。
だから『この部屋から出よう』などは考えないで欲しい。」

いきなり部屋にドアが出てくるのも『驚き』はある。
でも、やっぱり『納得が出来ない』私は…
しっかり銀を見てから判るように言う。

「ねぇ、結局。
この部屋からは『出さない』って事だよね?
あのね。
こう言うのは『犯罪と同じ』だよ?
妖狐にはないの?
これは『監禁』って『立派な犯罪』になるんだよ?」

銀楊ぎんようは勿論、『人間社会のルールを知ってる』が。
これに関しては、どうにも今は出来ない状態でもある。

そう、ここは『人間の居る空間ではない』のだ。
何も術すら使えない上に、いくら『結界を厳重』にしても…
『危うくなるのは光希みつき』なのだが。

光希みつきの性格も知ってる銀楊ぎんようも若干、思考する。
『説明しても判らない』だろうと判断し、光希みつきには言わなかった。

銀楊ぎんようも『選ぶ言葉』を迷う。
それでもと…

「いや、それは『判ってる』のだがな?
光希みつき、もう少しの間だけで良いから…
『この部屋で待って居て』欲しい。
ここは『最深部以外』でも『全て』になる事。
光希みつきが外に出ると今は、とても『危険』なんだ。
それを『全て準備している最中』でもあるから。
退屈かもしれないが…」

銀の言い方だと、どうも…
私を意図して『監禁したい』理由だけでも?
なさそうにも見えた。

だったら、どうして銀は?
私は考えながらも…

「あの、一応で、聞きますけど?
家に帰す。
なんて、選択肢は?」

銀は優しく笑った、でも『無言』だった。

うぅ…
これは…

『全く、それはないです』って感じがする。

光希みつきには…
まだまだ、教えないといけない事もあるのだが…
1つ、私から聞いて良いか?」

銀の顔を見ながら改まって何だろうと?
普通に私も聞く。

「うん?
銀が何を?」

銀楊ぎんようは、そんな『光希みつきの目』を見る。

光希みつきは、『帰りたい』のか?」

私には『銀の目』に、さっきまでの優しさと違うものを。
感じるけれど…
でも怒ってる訳でもない?

判らない…

けど、何か?
これは…
良くない流れな気がするぞと。
焦りを隠す。

光希みつき
帰りたくなくなる程、また愛しても…」

離れてた手が、また腰へと回る。
もう一方の手で顎をクイッと銀の唇の側が、また近付く。

「ス、ストップ!!」

私の両手で銀の口を塞いだ。

「わ、判った、判ったので…
てか、すぐ。
そう言って、誤魔化す!?」

銀は残念そうにも私を離した。

**************************

だが、銀楊ぎんようは些細な様子に、すぐ気付く。

これは…
光希みつき自身』も気付いてない?

確かに残念ではあるが、それよりも、これは…
『無自覚』でとだ。

まだ私も『光希みつきの心を完全』には掴めてない。
そこも複雑にはなるが。

だが、『今の行動』は…
明らかに光希みつきは『徐々に私へ』向いている筈。

ならば、尚更、今は『私の方』だろう。
そうでなければ、あの光希みつきを。

銀楊ぎんようからすれば判ってる部分でもある。

それは無理やり続けるのは光希みつきへと…
『絶対に逆効果な事』をだった。

もっと『私は愛したい』のだが。
まだ今の光希みつきは『心』が、ついていかないだろう。

そう判断するのも『簡単』だった。

だが…
それでも…

**************************

若干、息を吐き出してから銀楊ぎんようは『言葉』を。
そして『動き』も選ぶ。

思い出したように言う。

「仕方がないな。
簡単な『食事』を持ってきたから。
それを食べてしまおうか?」

光希みつきを見て少し笑いながら付け足す。

「後、言い忘れていたが。
この部屋は、かなり『複雑な結界』を張り巡らせている。
それもあって光希みつきの『体内時間』は、普段より…
ずっと『遅くなっている感じ』のようなものかな?
私もだが。
妖狐一族は長命だ。
だが、『光希みつきの身体は人間』だからね。
尚更、『部屋から出てはいけない』よ?」

私は微妙な気分にもなるけど。
今は、もう仕方がない。

フィッと銀から離れた。

判りましたよ。
どうせ、私じゃ銀には勝てる要素ゼロだし?

『今は』素直に従いますよ。
やっぱり少し『納得いかない』けど…

そう思いながらも私は言わなかった。

そして銀が持ってきた食事を見て、そちらへ行く。
でも銀は少し距離を置いたまま動かなかった。
僅かに私は不思議に見た。

一応、食べて良いのかなと。
取り敢えず座って食事を一口、食べる。

美味しい!!

思わず驚く程。

私は単純だなぁ…
と、思いながらも…

取り敢えず、ご飯を食べてから次を考えようと。
決めて食べ始める。

**************************

銀楊ぎんようは、光希みつきの様子を若干、離れながら…
見逃さず『観察』もする。

そんな中でも僅かにと、目を閉じて『思考』も始めるが。

これは…
今は私の方がだ、かなり『慎重』にしなければ…

光希みつきにとっても『初めての感情』をだ。
それを、『私自身』で上手く引き出せるだろうか…

上手く判らせる事への思考を。

銀楊ぎんようにとって、これは、かなり難しい…
なぜならば相手は『自分自身』なのだ。

そう…
これは銀楊ぎんようも『予想外な形』でも多く表れた事。
そんな予想外の部分は『愛』に限らない。

光希みつきの『心は綺麗過ぎる、純粋過ぎる』事だ。

これが『性格も』だが…
実年齢よりも『幼さ』が『常に残り続けた』部分にもなる。

性格や言動だけでもない。
他にも『様々な部分』に表れた。

そして、あの『心』だ…

銀楊ぎんようが、光希みつきにした事の『結果』でもある。
だからこそ、『下手』に動けない。

光希みつきが産まれてから『18年間』ずっと…
『私が』敢えて光希みつきからだ。
『全ての危険や悪意を排除し続けた結果』でもある。

まだ『知らない感情』を、どうすれば…

今の光希みつきの中から引き出せる?
どうすれば『私へと』向かわせる?

そのまま銀楊ぎんようは僅かに息を吐き出す。

ある意味、滑稽な事だと。
本心でもあるが今更ながらに思う。

丸で、これは自分の策に対し、自分で策を解けと同じ。

だが、ある…

光希みつきの中に、『僅か』だが芽生えている。

様子を見ていても感じる。
明らかだ、徐々にではあるが…
光希みつきの中に『必ずある』のが判る。

本当に『異性を愛する感情』。

今までの光希みつきは『好意』はあれど『異性への愛』だけ。
全く知らない…

光希みつきも『自覚』すら、してなかったが。
そこだけは『間違い』ない。

必ずだ…

あの『光希みつき』を。
『綺麗な心も身体も全て』を。

私が掴んでみせる!!

そう、銀楊ぎんよう自身すら本心なのだ。
あの光希みつきに『他の男など許せる筈もない』事。

光希みつきだけ』は渡さない。
否、18年前からではない。

ずっと望み。
後、少しまで来ているのだ。

まして今までの歴代を全ては知らないが…
少なくとも『光希みつきはずっと守り抜いて』きた。

それも『かなり影響している自覚』はある。

あそこまで何にも曇る事もなく『全てが綺麗な光』だ。

私が『光希みつきを愛している』事は勿論だが…
光希みつきも『それを』受け入れようとしている事。

ならば私は判っていても心の中にある深い感情になる。
それだけは『光希みつき自身』に、『私の言動』で変わる事。

今後の事を踏まえながら…
常に光希みつきは『先手』を打たねば、その為にこそ『最善案』を。

そして『思考』をしながらでなければ『光希みつき』の場合。

私でもだろう。
光希みつきならば特にだと判る。

銀楊ぎんようは、そこだけを。
注意しながらも『思考を続ける』のだった…
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