攫われた先は妖狐の世界、そして私は『姫』らしい。

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第一章:愛してるからこそ守り抜く。

相応しい場所へ。

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私が目が覚めた時。
銀はずっと、私を抱き寄せたままだったようだ。

どれくらいの時間が経ったのだろう?

でも、私が目が覚めた事に。
銀は気付いた様子で、優しく私の頬を撫でてきた。

あぁ、銀が居る…
良かった…

また銀にと、私は触れてきた手にと擦り寄った。

銀はゆっくりと言った。

光希みつき、大丈夫だよ。
私が居るのだから。」

そう言うと、優しくキスをする。
私はただ、銀の優しさが嬉しくて、安心しながらも言う。

「うん、銀が居るなら。
私は、それだけで良い…」

嬉しいな。
銀が居るだけで、本当に。

そう思いながら、銀の身体にも擦り寄る。
銀は優しく撫でてくれた。

**************************

そんな事があった数日後。

光希みつきが起きたのを気付いた。

銀楊ぎんようは『計算』しながらもだった。
行動を『実行開始』でもある。

勿論、光希みつきは、何も知らない。

けれど、銀楊ぎんようが思う事は1つのみ。

『私ならば、可能だ。』

銀楊ぎんようが『この場に居れば』だが。
光希みつきは一応、『普通には』笑うのだ。

だが、それでも『残るもの』がある。
だからこそ、『成功』させてみせよう。

「さて、光希みつき
ご飯でも食べようか。
既に用意もしてある。」

既に食事をドアの側まで運ばせておいた。
それを持って来て、いつものように自然にと動く。

光希みつきは「いただきます。」と手を合わせ…
美味しそうに食べているのを見る。

これから、私がする事には何も気付けないだろうなぁ。
と、内心で思いながらも、銀楊ぎんようも少しだけ食べ。
光希みつきと普段のように些細な話もしながら、タイミングにと合わせる。

それを食べ終わり、光希みつきの『癖』が出るのを見た。
食後に必ず、一度、『間がある』のだ。

こればかりは、『ここに来てからの癖』のようだが…
予測だが、まだ量が多いのだろう。
もう少し、食べてくれる方が安心するのだがな。

光希みつきが挨拶をした後に出る癖も『確認』した。
それと、今から行く場所の『時間』も。

『計算通り』に進んだ事に、銀楊ぎんようはまた動く。

光希みつきは今、確実に気が緩んでいる。
少しの刺激なら大丈夫だという判断と、これから行く場所の時間。
『全てを』合わせてから銀楊ぎんようは言った。

光希みつき
聞いて欲しい事があるんだが、良いか?」

「うん?」

銀から何かをして欲しいなんて、珍しい。
そう思いながら見ると、銀は簡単に言った。

「いきなりだが。
光希みつきの『専用の家』が完成したから。
そこへ行こう。」

「えっ?」

「簡単に言えば…
引越しだな?」

「…えっ!?」

まぁ、想像なんてしてもいなかったろう。
そう、内心思いながらも『時間』を確認する。
更に後は『予防』だ。

銀楊ぎんようも見逃してなどいなかった。

光希みつきは『それを』言われた時に…
驚くと同時にも、やはり『僅かに』複雑な顔もした事。

「心配ならばもう何もない。
既に全部、私が手配してある。」

「そっか。
うん。」

…やはり。
まだ『ある』か。

だが、それも予測しながらの策でもある。
予測通りに、上手く、流れすらも掴めている。

私は光希みつきを誰よりも知っている。
流れを掴めた『今なら』これで、消せる確率は跳ね上がる。

「それと光希みつきは、必ず。
この『御守り』を常に、持っていて欲しい。」

銀楊ぎんようは先に『予防策』としての造った物を。
光希の手の中に渡した。

光希みつきの場所が、『私だけに判る発信器』代わりすらにもなるが…
これは『他を決して寄せつけない為の予防策にも』してある。

私にしか判らない。
かなり細工した『銀色の水晶の付いたネックレス』にした。

光希みつきは、その不思議な水晶の部分を持って。
上に翳す様子をしてから、また良く見てた。
そして少し笑う。

「何だか、銀と似てるね。」

銀楊ぎんようは、その光希みつきの『表情も』見逃したりはしない。
やはり残っているか…

「でも、いつ行くの?」

「今からだな。」

「うん?」

銀楊ぎんようは『事前に』全て、済ませて置いた。
きっと『他の不安も』含めて、これで『完全に消える』だろう。

今の光希みつきには、傷を治す時間が必要だが…
『ここ』では、どんな意味もない。

だからこそ、絶対に誰にも近付けない場所へ。
私ならば、光希みつきに『相応しい場所』を造れるのだから。

銀楊ぎんようは少し笑って言った。

「移動なんて、『3秒』で充分だと言う事だ。
光希みつき?」

「……3秒!?」

「もう座標は設定してある。
さて、今から行こうか。」

「えっ?
ちょ、まっ、何がどう…」

銀楊ぎんようがその場で指を鳴らした瞬間だった。

**************************

いきなり、全ての景色が変わった。

えっ?

私は驚く。
声なども出なかった。

えっ?
ここは…

天井がかなり高い場所で、きらめいていた。
10メートル以上はあるのではないだろうか。

それが全て透明な硝子のよう張り巡っており。
外の天気が、太陽の光。
あぁ、これは朝の…
久しぶりに見た気がする。

一部分がそれぞれ、ステンドグラスのように。
綺麗な淡い色の反射もしている、複雑な造り…
それがドームのように包み込んでいた。

そして様々な花や草木が植えられており。
更には休憩する為の白い椅子や、テーブルまで用意されている。

「うわぁ…
ここは…」

凄く綺麗で…
でも、淡くも重なり合う色が、光が、目の前に表れた。

私の好きな色ばかり。
でも、様々な角度から違う色で、それぞれが角度を、また色を変える。

銀がゆっくりと、私の頭を撫でながら言う。

「ここは、『光希みつきの家』の屋上だ。
気分転換にもなるだろうと思ったんだ。
ここの屋上に関しては、私が全て造ってみた。
光希みつきは好きだろう?
硝子細工、色の変わる小さな石も、花や植物も。
朝日を浴びるのも。
後、いつも姿を変えていく、空も。」

光希みつきは話を聞きながら。
それでも空の光に手を伸ばしながら…
少しずつ、起き上がった。

ただ空を見ながらも、何も言葉はないが。
表情がゆっくりと和らいでいく。

銀楊ぎんようは、その様子を見ながら続けた。

「ちなみに。
ここの硝子は『絶対』に割れない。
それは、この私が直接的に強化した。
断言出来るぞ。」

光希みつきは、嬉しそうに光に手を翳しながら。
そして笑い出した。

「うわぁ!
すごぃなぁ!!」

嬉しそうに、ただ、笑いながら声を出し。
それでも空へと、光に手を伸ばし笑う。

銀楊ぎんようは『成功』した。

そして、それを見ながら、やはり思う。

そうだ、その顔だ。
光希みつき、この景色にも相応しい…
その『綺麗な笑顔』が、何よりも似合うのだから。

これで『大丈夫』だ。
後は私が、『この場所を守り切れる力もある』のだから。

私が銀の方を見ると、安心した様子で優しく笑ってた。

「ありがとう、銀っ!!」

「喜んで貰えて、良かったよ。」

銀楊ぎんようは、それだけしか言わなかった。

そして光希みつきが嬉しそうに。
近くにある花や空を見上げて、楽しそうに笑う。

銀楊ぎんようの流れが『全て』が上手くいった瞬間でもある。

そして、それを見てると…
また、どうしても思う。

そう、それで良い、光希みつき
光希みつきの好きな物を。
それを『私は』全て知っている。

私ならば『可能』なんだよ。
こんなことぐらいなら。

誰よりも長くずっと、『光希みつきを見てきた』のだから。

この『家の中』には、まだたくさんある。
その中で、ゆっくりと過ごせば良い。

そんな銀楊ぎんようの思考は、今の光希みつきは勿論ない。

ただ、嬉しそうに、若干はしゃぎながら。
あちこちの花に触れたり、綺麗な石を見つけて、何度も楽しそうに笑う。

銀楊ぎんようはそれを眺めながら。
光よりも、光希みつきの『笑顔の方』が、眩しく見える。

そこには、さっきまで『僅かに陰りの残る笑顔』ではない。
本当に、ありのままの、光希みつきの笑顔がある。

子供の頃から、光希みつきの好きな物は、殆どが変わらない。
この屋上には、それしかないのだから。

銀楊ぎんようは、その純粋過ぎる光希みつきの前でなら。
やはり自然と『心が落ち着く』のを感じる。

自分がどんなに『冷徹』と言われても、何も思わない。
そんな者も前で、自分自身を出す事もしたくない、否、出来ない。

『自分自身の全て』を、心が完全に休まる時間など。
銀楊ぎんようにとって、既に何百年もない。
出す事も許されなかった。

それでも『光希みつきの前でなら』出せる。

私が『裏の顔を』隠していようと…
それを『全く疑う事も』なく、『全部の信頼』すらも。
向けるのは『光希みつきしか居ない』のだから。

光希みつきがその笑顔で、私の前で、私を向いてくれるから。

いつも背負っているように…
自分自身に纏わりつく、その『重み』すら。
なぜか軽くなって、自然に笑えたりもしてしまうのだから。

**************************

この銀楊ぎんようの造った『光希みつきの家』。

それは遠隔操作も、結界も含め、誰にも突破出来ない程。
『不可能な複雑な造り』にも、なっていた。

また今の妖狐一族でも、誰もが『ここの周囲』にも簡単には入れない場所。
どちらかと言うならば、『逆に避ける』場所。
そして、銀楊ぎんようが『外部からすらも絶対に守れる場所』でもある。

それは『銀楊ぎんようの屋敷の中心地点』だった。

銀楊ぎんようの屋敷は正方形。
その周りには、同じ派閥、同族の中でも許された者の一族。
その多数の家があるのだ。

それぞれが『銀楊ぎんようの屋敷』を中心に存在し。
『個々の結界と外の結界』をも、同時にしている。

更に『内部は』銀楊ぎんようの結界内でもある。

大きな屋敷の正方形。
その中心部分の中庭を改造し、『光希みつきの家』を造ったのだ。

その中庭に『専用の個別結界』もあり、また『2つの術』もだった。
この『光希みつきの家』には、かけてある。

あの部屋と同じように、ここは『人間の身体でも』時が遅くなる。
この『光希みつきの家』は、銀楊ぎんようの屋敷も含めた。
全ての『中心、真ん中』に存在する。

その中に、『光希みつきの家』の内部結界も存在する。
外の方からは他の家が、そしてここは『完全に銀楊ぎんようの結界内』。
屋敷の真ん中でもあるからこそ。
その『結界数は約100個以上』にも、複雑に重なり合う。

ここをもし、突破しようとしたら、それは『銀楊ぎんようしか』出来ないのだ。

理由は簡単でもある。
『他の家の全部の結界』は、異なるからだ。

また他の家の『結界方式』などは、それぞれには知らせていない。
他の家の結界の方法を、『全て知っている』のは、銀楊ぎんようだけになる。

ゆえに誰も突破は不可能。
元々、長の家だからこそ、可能だった場所。

どんな場所からでも、どこかの結界があり、また全て術方も異なる。
そんな複雑な結界の中、しかも中心地点。
あの空間結界などより、確実に『不可侵』な結界網だった。

他の部族すら論外。
そして姫の所在地は『秘密事項』済み。

もし、その所在地を知る者すら、簡単には手を出せない場所だった。

そんな結界の中であり、また家にも多数の結界。
光希みつきの家』は勿論のことであり、その内部に至り、全てを防げる構造にしているのだ。

屋敷にも側近や仕事面には使う部分があれど、そもそもが長の家。
既に結界は複雑になっている為、『光希みつきの家』があろうと。
誰も銀楊ぎんようが居る『家の内部に』手を出す程の者は居ない。

予防にと渡した『光希みつきへの銀色の水晶石』もそう。
あれは人工石に等しい。

銀楊ぎんようの血を含めてあるからこそ。
あれを着けて居る場合、光希みつきが普通に歩いていても。
それは『銀楊ぎんようの石』で、遠視すらも届かない。

また当主である『銀楊ぎんようの波動しか』出さなくなる。
だが、石を造った『銀楊ぎんよう自身』には、居場所の感知は可能な発信器にもなる。

これだけの結界は誰もが突破は出来ない。
そして『光希みつきの存在』は、銀楊ぎんようの波動を持たせた事で。
遠視も遠隔も『全てが不可能にさえ』なる。

ここまでしてしまえば、光希みつきに例え、誰かを会わなければ行けなくなってもだ。
『確実に銀楊ぎんようへの許可』がなければ、通れないし、会えない。

この『光希みつきの家』も充分な広さも、階数もある。
光希みつきにも、不便はない『完璧な場所』だった。

多少、造る時間はかかったが…
これ以上の守れる『最適な場所もない』上で銀楊ぎんようは造っていた。

それにこの状態でなら、銀楊ぎんようが不在でも、誰も突破出来ない。

**************************

銀楊ぎんようは、光希みつきに声をかけた。

光希みつき
中に、入ってみる前に1つ、言っておいて良いか?」

それに気付いて、笑いながらこちらを向いた。

「うん?」

「この『家』に居る間。
もし、私が居なくても、『確実にと断言』しよう。
何も起きないし、誰もこないと。
もう、『私の許可』がなければ、誰も光希みつきに『近付く事も不可能』だと。」

「銀は…?」

少し返事をしながらも、光希みつきの目で。
思考を読んだ銀楊ぎんようは続けた。

「確かに、私もたまに『留守にはする』が、毎日、ここには居る。
でも、私が『留守の時』も含めて、この『家』ならば。
光希みつきには、『時間潰しになるもの』にも飽きないし、家の中で退屈にもならないぐらい。
いくらでも遊べるようにはなっている。
光希みつきにとってだけね。」

「うん。」

少しの寂しい目。
それを見て銀楊ぎんようの瞳も僅かに揺れる。

銀楊ぎんようは、言葉を選びながら、少し優しく続けた。

「私もずっと一緒に居たいが、一応、『仕事もある』からな。
それで『たまに居なくなる』が、毎日ちゃんと会えるし、時間も作れるさ。
でも、少なくとも、この『家』では退屈はないとも思ってる。
それにさっきも言ったが、私が居なくても、他の男も含め。
ここなら勝手に『誰も来ないのは私が断言』する。」

「お仕事?
それは、そうだよね。
ごめんね?
いつも本当は、忙しかったんじゃ…」

銀楊ぎんようは少しだけ優しく笑うと続ける。

光希みつきが心配する程でもないさ。
さっきも見ただろう?
私からしたら、移動ぐらいなら、3秒だぞ?
仕事だって、光希みつきが思うような労働作業者でもない。
『長としての役割を』熟せば良い。」

「そうだよね。
どんな内容かは、想像は出来ないけど。
無理だけは、してないよね?」

「あぁ、そこも心配はしなくても問題もない。
それに、私も光希みつきの側には居たいのだから。」

銀楊ぎんようは『仕事には触れず』に、続けた。

「特に今後、光希みつきが、この『家』に居てくれるならば。
逆に、安心しながら出来るから。
今よりも私からしたら『楽になる』ぐらいだ。」

銀楊ぎんようは、この時には嘘はついてはいないが。
『仕事内容は避けて』話を続ける。

「だから、私の為を考えてくれるなら。
1つだけ、『お願い』しても良いか?」

私も、銀の邪魔はしたくないから、素直に頷く。

「私があげた。
その『御守りは常に持っていて』欲しい。」

「うん…
でも…
それだけで、私は良いの?
何か他には、ないの?」

私からしたら、そんな『御守りだけ』で…
銀の仕事に、無理はないのか、心配になる。

私が何か手伝う事も、何も出来る訳ではないだろうけど…
銀の場合は長、会社なら『社長』をイメージする。
それなのに、『御守りだけ』なんて…

その光希みつきの目から思考を読んだ銀楊ぎんようはまた心の中で思う。

私を気遣って、心配はする光希みつきの事だろう。
そして『今は自覚』もしている。
ならば…

光希みつきは働いた事がないから、判らないかもしれないが。
本来、上にいる者は『的確な指示』をする。
それをして、部下に『実行させ』て、『動かせる』者なんだ。
私がわざわざする『労働』なんて、そんな必要すらもない。」

私は確かに…
働いた事もないから、判らないからこそ。
銀の言葉を『素直に』受け取る。

「私は確かに、仕事とか、会社は判らないけど。
無理だけは、しない?」

「あぁ、無理なんてしないさ。
私は光希みつきの側に居たいし、その為なら。
余計に無理をしたら、側に居られなくもなるだろう?」

「そう、無理をしないでくれるのなら…
私は銀を信じるよ。
銀を、困らせたくないよ?」

私はまだ心配になる。
知らない事ばかりだけど…
銀が、いろんな無理をして…
結果としては、銀がいなくなる方が嫌だった。

それでも銀楊ぎんようは簡単そうに、『敢えて』言う。

「心配など要らない。
この『場所は安全』だ。
私が居ない時でも、『光希みつきに何もないよう』にと。
ただ『御守りを持っていて欲しいだけ』なんだ。」

「そう…」

私はさっき渡された『御守り』を…
ネックレスをジッと見て、すぐに、それをサッと着けて言う。

「判った!!
必ず、ずっと着けるから。
今は、それしかできないなら、私は『銀を信じる』よ。
だって、私は銀を、いつも私を心配ばかり、させたくない。」

私は銀に向かって言った。
そして続けた。

「ここは、『銀が造ってくれた』のでしょう?
銀が考えて、造ってくれたのでしょう?
だったら、私は安心して、『銀が居なくても』恐くない。
私は銀が居なくても、ちゃんと待てるし、待ってるよ。」

私は言葉にしてない部分はあった。

この屋上だけでも私は判った…
銀が私を『誰よりも知っているんだ』と。
確信出来るから、嬉しくて笑う。

きっとまた『私を守れる』ようにと。
この場所を『銀が造ってくれた』のだろう。

銀楊ぎんようは優しく、笑う。

光希みつきにだけは、『自然に』笑える時すらある。
その何も曇りのない笑顔と、心の前だと…

「そうか。
なら、せっかくの新居だ。
少し必要な場所の案内はするが、他は光希みつきが好きに動いて、遊べば良い。
部屋なら、いくらでもある。
全部の案内はしない。
この『家』には全部あるし、『自由に歩いても大丈夫』だから。
光希みつきの暇な時にでも、散策してごらん。」

「うん!」

その後は、ずっと楽しそうに光希みつきは笑った。

銀楊ぎんようは少しずつ。
迷わないように、家の部屋の最低限。
普段使う必要な部屋だけを案内した。
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